森羅万象、政治・経済・思想を一寸観察 by これお・ぷてら
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文明の衝突/内なる衝突の交差
大澤氏の言説を概括すれば、つぎのようになります。
(文明の)対立は2つの水準で登録され、両者が、短絡的に同一化されている。第一に、それを「文明の衝突」-文明の外的な衝突-としてとらえるならば、対立は「普遍思想」をめぐってである。実際には普遍化しきれない、互いに独自の「普遍思想」をかかげる、国際的な共同体が対立しあっている。いま一つに関しては、共同体の内部にひそむ亀裂として、共同体としての価値観の中核的な部分に関しては合意があるにもかかわらず、この中核的な部分に関して、ほとんど差異がないことが葛藤の源泉になっている
この言説にしたがえば、9・11テロは、アメリカにとっては、まさに青天の霹靂としてあり、外部からの不意打ちとして受け止められたのでした。外的でも内的でもあるような衝突、深刻な葛藤を引き起こす要因たる「敵」は、純粋に外在的なものではなくなります。つまり、葛藤の原因は内からも生まれ出るものなのです。その結果、9・11テロがもたらした最も顕著な変化としてセキュリティ(安全保障)に対する「配慮の未曾有の高まり」があった。敵は遠くだけにいるのではなく、世界中に、そしてここにもあそこにもいるということになるのだから。いいかえれば、これは内戦状態の普遍化ということであり、際限のない「敵探し」に乗り出すことになります。これでは問題を解くことはできない。
では、大澤氏は何によって問題を解くのか。結論だけをあげると、軍事的行動よりはるかに効果的な「テロ対策」としての、大規模な経済援助。自己と他者を共通に囲う真の普遍性、<普遍性>があるとすれば、それはお互いが「何かであること」を根本から否定し、無化する、つまりアイデンティティの変容によってもたらされる。この変容は、赦しの行為において引き起こされる。これが、大澤氏が結論づけたことでした。
問題は、氏のいう「内なる衝突」の構図のなかにウサマ・ビンラディンなどのように、イスラム社会にありながら特権化された共同体をどう位置づけるかということです。
ウサマ・ビンラディンは、よく知られているように、サウジアラビアのビンラディン・グループの一員です。ビンラディン・グループは、Saudi Binladen Group(SBG)と総称される、サウジ国内最大の建設業者。
この階層は、共同体としての価値観の中核的な部分に関してはアメリカと合意があり、そしてこの中核的な部分に関してアメリカ社会とほとんど差異がないのではないか、という疑問です。9・11の計画の始終をあらかじめアメリカは察知していたという風説に表されるように。したがって、この共同体はイスラム社会と実は対立しているのでないか。文明の衝突と「内なる衝突」が交差しているのです。
大澤氏の同書は今日の時点にたって読み返されなければならないと思います。
大澤真幸『文明の内なる衝突』(NHKブックス)
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