行くかどうか迷った末、やめようと昨日決めたばかりだったのに、仕事(会議)中に友人から「バルトリ、当日券で連番で席が取れそう」と電話がありました。前から12番目。そう聞くと、これは行くしかない・・・「え!どうしたの?」と、さも大変なことが起きたようなふりして会議を抜け、友人にチケット手配を頼んだのでした。
なぜそんなに悩んだのかといえば、もちろん、チケット代金の高さ。だって、リサイタルなのに、来日予定のベッリーニ歌劇場のオペラS席より高いゾ!
演奏曲目も、ほどんど持っているCDにある歌曲が中心でオペラ・アリアは少ししかない。うーん、でも、そうそう日本に来ないし。。。メジャーな人だし、聞くならS席に限るし・・・タメイキ・・・。でも、サントリーホールのときは、体調を崩しやや不調だったというし。ブツブツ・・・
そして、シュツッツガルト歌劇場の魔笛に次いで、また、清水の舞台から飛び降りることになりました。
でも!!
選択は正しく、ミューズ様はまたしても味方してくれたようでした。
私にとっては、イタリア古典歌曲は、オペラアリアに慣れるための入門編みたいなものであり、正確さを求められる音楽という認識。
しかし、バルトリが作り上げる、その短い時間で作り出されるドラマは、オペラアリアそのもの!
レッスンの皆の演奏で何度も聞いて覚えてしまっている「ガンジス川に日は昇り」。全然違うぞ・・・っと。おおいとしい恋人よ、も、ジプシー娘・・・も。そもそも古典歌曲も、その昔のオペラアリアだったりはするのですが、
イタリア古典歌曲、こんなにドラマティックだったなんて!!
ベッリーニのVaga lunaも何度もやったけど、うっとりロマンチックに演奏するんだとばかり思っていたのに、エネルギッシュな曲になっている。CDで聴いているけど、生演奏は全然違う・・・
語るように、ささやくように、それでいて熱い感情が伝わる。イタリア人そのものの音楽なんでしょうね。
宮本先生の3月最後のレッスンで、強調するのはフォルテシモとは限らないんだよ、もしかしたら、本当の強さを出せるのはピアニッシモかも、、、とおっしゃっていたけど、まさしくこれだよ!!!
また、心配された体調不調も回復した様子で、ほんとうによかったです。
プログラム。歌曲も古典にベルカントに・・・オペラアリアも。
そして、バルトリといえば超技巧のアジリタ。これは、ただただ呆然と見ておりました。口もあまり開いていないし、動いていない。えっ!どこで歌っているの、いっこく堂どころじゃないぞ!(比較するのもどうか・・・)。人間ワザと思えない。技巧というより、息の流し方というか使い方なのかな、とも思いましたが、柔らかいメゾでコロラトゥーラなんて、憧れてしまいます。
そう、メゾ・ソプラノというけど、結構ソプラノの役どころも歌っているし、メゾでもソプラノでもない、「バルトリ」という声種なんですね。
アンコールは4曲も!サントリーホールでも4曲歌ったそうなので、期待はしていたけど、彼女のレパートリーとして定着しているオペラ・アリアVoi che sapete と Una voceが聴けて言うことなし!!
ああ、今度は、オペラの舞台を見てみたいよ~~
尚、伴奏は世界的指揮者として有名な、チョン・ミュンフン氏。ピアニストとしても超一流とは露知らず・・・。一言も触れずにスミマセン。
これで、今度こそ少し良い席でと思っていた、カヴァレリアもティトの慈悲も一番安価なチケットに変更決まり。節約、節約。
ピアノはチョン・ミュンフン氏。すみません、私、カレがそんなに素晴らしい
ピアニストだったなんて、知りませんでしたの。
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