今日もミューズが微笑んで

歌うように暮らしたい。アートの道探しを楽しむJasmineのきままな日々。

ヘンデルのオペラ「アルチーナ」

2007-07-16 | いろんな舞台鑑賞ノォト

友人が出るオペラを見に行く予定だったのだけど、予定が確定できないでいたらチケット入手が困難となり予定変更。

ここのところ、ゆっくり音楽鑑賞をする時間がなくなっていたので、ストレスになっていて、とにかく何でもいいから「おんがく~~」。
古新聞を整理していると、新聞でヘンデルのオペラ「アルチーナ」が取り上げられている。そうそう、DM届いていたのに、チケットを購入するのをすっかり忘れていたのでした。さっそく電話してみると当日券若干あるというので、これに決定!

東京室内歌劇場は、あまり上演されないオペラを取り上げるので、なかなか面白いですね。

東京室内歌劇場39期第116回公演
ヘンデル作曲オペラ「アルチーナ」原語上演/字幕付き
2007年7月16日(祝)14時開演
指揮:ヴィート・クレメント 演出:井原広樹

本日のキャスト

アルチーナ        田口茂代
ルッジェーロ       岩森美里
モルガーナ        高橋薫子
ブラダマンデ        森永朝子
オロンテ          辻  裕久
メリッソ          大田直樹
オベルト         五月女 知恵


13、15日の組と14、16日の組のダブルキャスト。森永朝子さんには、以前日声協でレッスンを受けたことがあります。素敵なメゾの方です。
7人のうち、5名が女性だけど、2人は男性役、森永先生は男性に扮装する女性。

セリアは人間関係が複雑・・・というか、そもそもオペラはあっちでもこっちでもというところはあるのだけど(人は愛することが好きなのだ!)、この「アルチーナ」もそんな感じ。
人間関係が複雑ということは、登場人物の気持ちも複雑。人の心は表もあれば裏もあり、そのどちらもその人自身。真実はどこに・・・

自分の思い通りにならないと、魔法を使って動物に変身させてしまうアルチーナ。男達を誘惑しては魔法をかける。彼女の支配する島に迷い込んでしまった騎士ルッジェーロは、アルチーナから魔法をかけられアルチーナと恋人関係になっている。そんな彼を助けようと婚約者ブラダマンテが島へ乗り込む・・・・。でいろいろあって最後はは魔法も使えなくなり、モトサヤに。
何の勉強せずの鑑賞だったので、人間関係や物語の構成を掴むのが少々大変で、1幕では沈没も・・・(バロックのオペラではいつもそう

    

「アルチーナ」とは、主役の女性の名前なのだけど、バロックでオペラの主役(タイトルロール)が女性なのは、珍しいのではないかしら?それだけでなく、女性役が3人もいるし、男性役も2人は女性になっている。その時代は、カストラートによって歌われたのでしょうか・・・?

これらの登場人物が、入れ替わり立ち代わりアリアを歌うのですが、アリアはなんと40もあるらしい!そのアリアの印象はオラトリオのソロ曲みたいな感じで(バロックだから当然かな)、どの曲もダカーポで繰り返し、長々としたメリスマがある。5分以上かけて、「好き」とか「本当に好きなのはオマエじゃない」という一言を表現するのだから、本当に大変そう。もはや、メリスマ対決!?
人の心の複雑さを表現しているのでしょうね。
中でも高橋薫子さんは、コロラトゥーラだけに素晴らしかったです!
そしてこんなに登場人物がいるのに、アンサンブルは、3幕、アルチーナ・ルッジェーロ・ブラダマンテの3重唱と最後のCoroのみ・・・

この日の会場は新宿のシアター・アプル。オペラ劇場でないからやむをえない部分もあるけど、古いし、場所柄もあるのか、悪臭がして最悪、歌手が気の毒だ。舞台が狭いのに、装置が大きくてバランス悪いし・・・。オケピも狭くて、チェンバロだけでいっぱいなのでは?と思ったくらい。オケのみなさま、ごくろうさま。当初席に着いたときには、アンケートにゼッタイ書いてやる!とかなり不快感があったのだけど、素晴らしい音楽によって終演後はすっかり忘れて、いかによい公演だったか書いていた私。

プログラムの解説では、初演当時、アルチーナの「魔法」をどう装置表現したかという解説が書かれていたが、そういうファンタジックな雰囲気を出す会場とはちょっとかけ離れていたのがとても残念。演出も「魔法」のイメージは、今ひとつだったような気はします。

アルチーナの初演は1735年。ヘンデルのオペラのアリアといえば、イタリア古典歌曲集にあるリナルドの「Lascia ch'io pianga」と、セルセの「Largo」しか知らなかった私、もしやと思い、イタリア古典歌曲の楽譜を見たら、アルチーナのアリアである「Ah!mio cor」があるではないですか! よし!次はこの曲チャレンジしてみようっと。

助演の俳優さんたちのパフォーマンスもユニークでした。が、少々、作品に結びついていないように感じたところもありましたが。最近のオペラでは、ミュージカル俳優を入れた演出もあるようですが、ミュージカルは現代劇なので、単なるパフォーマンスにしか見えないことも。演出の腕の見せどころでしょうね。

今週末は、4月から進めている仕事の最終プレゼン。最後の追い込みで今週も忙しくなりそうですが、素敵な音楽にパワーとインスピレーションをもらってモチベーションアップです

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