彼女の生き方

2017-03-02 11:15:33 | 生い立ち・家族
母は、倖せだったろうか?

母が最後に入院した時、特に意識を失くしてからは、
常にと言っていいほど、姉か私が病室に付き添っていた。
看護師さんたちは、多分母のことを「いいお嬢さんに恵まれて倖せな人」と思っていたんじゃないかな。
でも、姉も私も、決していい娘ではなかったし。
母は、倖せだったんだろうか?

私が母に付き添っていられたのは、姉のおかげである。
私はなんとなくではあるが、そこまですることはないと思っていたし、
実家からある程度距離のあるところに住んでいるのだから、母の死に目にあえなくても仕方ないと思っていた。
「死に目にあう」ということが、それほど大切なことだとも思っていなかった。

母は、入院する前日までちゃんと起きて自分のことはしていた。
入院して容体はみるみる悪くなったようだ。
3日後には、もう家に帰ることは無理と言われた。
そして1週間たたないうちに、意識を失くした。
母が意識を失くす前、2日続けて姉から電話が入る。
「今日来れる?」
母の容体が悪かったようで、私は、姉は一人で心細いんだろうと思っていた。
でも、そうじゃなくて、姉は私が母の死に目にあえなかったらかわいそうだと思っているのかな?
と思うようになった。

母が意識を失くしてから、姉は片時も母のそばから離れたくないようだった。
2日ほど病室につきっきりでいた後、仕事に行くようになったが、
そんな姉を見ていたら、私は姉が仕事に行っている間、付き添わないではいられない気がした。
母のためと言うより、姉のためだったかもしれない。
私もまだ仕事が残っていたので、ずっとというわけにはいかなかったが、
できる限り、意識のない母の病室に詰めていた。
そんなこんなで、私は母の死に目にもあえた。

母は、倖せだったろうか?

私は、何と言うか、母との親子の縁は薄かったような気がする。
記憶にも無いような幼い頃に、2年ほど離れて暮らしていたのを除けば、
結婚するまでずっと一緒に暮らしていたのだから、縁が薄いはないような気がするのだが、
そう思うのである。
要は会話だな。
でも、会話のない冷めた親子というわけでもなかったはずだ。
自分の気持ちをあまり話さなかったから?
でも、子供って、親に悩みとかそうそう話すものでもないよなあ?
じゃあ、何なんだろうな?

いつか言ったことがある。
「私はお母さんよりちゃんと主婦をやっている」
母は怒った。自分は仕事が大変でそれどころじゃなかったのだと。

母は、本当は家事がしたかったんじゃないかな?
私のように、普通に「奥さん」をしたかったのかもしれないな。

子供の頃、毎月デパートからかな?食器が届いた。
専用の食器棚があって、毎月同じ柄の様々な食器が届く。
お茶碗だったり、ティーカップだったり、茶碗蒸しのだったり…。
母は、そういうのが欲しかったんだな。

定年退職して家にいた頃は、テレビのワイドショーで紹介されるお料理を、
メモを取って作っていた。
料理もしたかったんだろうな。

私が子供の頃には、時々服を作ってくれた。
洋裁学校に行っていたらしい母は、私たちのためにもっとそういうことをしたかったんだろうと思う。

メイク更年期

2017-03-02 10:51:54 | あれこれ
先週NHKの「あさイチ」で、メイク更年期を取り上げていた。
私は、バタバタしていて見なかったのだが、
親友のMちゃんに、メールで教えてあげた。
結局、彼女もメールに気づくのが遅れて、見た時には終わっていたそうだが。

今までと同じお手入れの仕方をしていて、ある時うまく化粧がのらないとか思った時が、
メイク更年期なのだそうだ。
なるほどと思う。

2-3年前かなあ?Mちゃんに聞かれた。
「みなみは基礎化粧品は何を使ってるの?」
私は100均にお気に入りの化粧水があったのだが、無くなってしまったので、
同じタイプの化粧水をドラッグストアで買っている。
そう言うと、
「じゃあ、安くてもみなみに合ってるんだね!みなみの肌きれいだもん」
「友達に高級な化粧品をラインナップで使ってる人いるけど、その人より絶対みなみの方がきれい!」

私は化粧品に全くと言っていいほど気を使っていない。
若い頃、化粧を始めた時には、そこそこいい化粧品を使っていた。
別に、どこがどう気に入ったとかいうのじゃなくて、たくさんの化粧品屋さんが集まっているお店で、
適当に入ったところのものだ。
(栄のクリスタル広場の角のムラサキヤさんだよ!)
当時、大衆的なイメージが嫌いだった私は、
「資生堂とか、カネボウの化粧品は使う気になれない」などと生意気なことを言っていた。
それでたまたま入ったのが、アルビオンさん。
みんなに「アルビオンて高いよね?」などと言われて、ちょっといい気になっていた。

若い女の子にとって、化粧品て魅力的だ。
期間限定商品です、なんて言われてアイシャドウのセットなんか見せられると、
高いなーと思いながらも、ついつい買ってしまった。
アルビオンさんの一番のお薦め商品ぽくて、
私もとっても気に入っていたのが、ハトムギの化粧水。
多分最後に買ったのが、長子が産まれてまだ実家にいた時、
実家の近くのスーパーの化粧品屋さんで買った。

子供が産まれてからの私は、化粧には全く無頓着だった。
化粧するのは、お出かけの時だけ。
元々面倒臭がりの私は、基礎化粧品も全く使っていなかった。
洗顔は?何を使っていたんだろう?
覚えてないや。

コーラスを一緒にしていた友達に、アルソワの化粧品を売っていた子がいて、
彼女から「これだけでも使ってみて!」と押し切られて、洗顔用の石鹸を買っていた。

40代になった頃だったか、もう少し前だったか、
冬場に頬が荒れてヒリヒリするので、化粧水を使うようになった。
100均で、ありがちな「アロエの化粧水」とか買っていた。
そのうちに、「ハトムギの化粧水」を見つけて、懐かしくなって使いだした。
これが、とっても気持ち良くて…。
それ以来、私はずっとハトムギ愛好家!!

Mちゃんとの話に戻そう。
一緒に名古屋にランチに行くと、ずっとおしゃべりだけしてる時もあれば、
洋服屋さんとか見に行く時もある。
私が何か欲しい物があって、それを探すのにつき合ってくれる時もあった。
何か買ってしまうのは、私の方が多かった。
Mちゃんはかわいいお洋服とかあっても、散々迷った挙句やめておくということが多かった気がする。
お揃いで服やイヤリングを買ったこともある。

そんなMちゃんに、最近は私の方がお付き合いすることが多い。
ちょっと前、Mちゃんはファンデーションを探しているのだと言う。
基礎化粧品はいいものを見つけたのだけれど、最近はファンデが気に入らなくて、
あれこれ試しているのだけれど、と。
最初に下地を塗って、あれをつけてこれをつけて、これはその後につけるのかなあ?
などと相談されても、私にはチンプンカンプンで…。
(全く女子力ないのは昔からのことなのだけれど)
Mちゃんは美容部員さんを捕まえて、質問攻め!!
私は少々退屈して、店から出てポケモンをしていたりしたけれど、
ちょっと興味の湧いた、ファンデを塗るための刷毛を買ってみたりする。
Mちゃんはその時買ったファンデーションが気に入ったようである。良かった。

先日は、アイクリームを買いに行くというMちゃんについて行った。
いろいろ試してみたけど、気に入らないので、友達に薦められた高級ブランドのものを買うのだと言う。
デパートの化粧品売り場はちょうどキャンベーン中で、肌年齢測定とかしてくれる。
私もついでにやってもらう。
…。まあ、こんなものでしょう。
でも、その時にふと気付く。
何年か前から感じている目の周りの違和感。
疲れ目かなあと思い、いろいろ目薬を使ってみたり、
眼科にも行ったけど、何も異常はないとのことで…。
それって、もしかしたら目の周りの肌にハリが無くなったから?
「疲れ目にも効果はあると思います」と美容部員さん。

そうかあ。
Mちゃんが買ったクリームはとても高価で無理だけど、
まずは、Mちゃんが気に入らなかったというちょっとお手軽なもので試してみようか。
薬局で見てみるが、よくわからない。
そういうのはカウンセリングコーナーにしか置いてないのかもしれない。
私は、できることなら美容部員さんと話したくない。
そんなことをMちゃんに話すと、
「じゃあ、今度会った時、一緒に見てみよう」
ちょっと楽しみ。

そんなこんなの経緯があったから、
(ダラダラ書き過ぎて、何がどうだかわからなくなっているけれど)
「メイク更年期」の話を聞いて、ああ、これかあ!と思った。
Mちゃんが、最初に「基礎化粧品は何を使っている?」と聞いたあの頃が、
Mちゃんのメイク更年期の始まりだったんだろうなと思う。

ずっと、お化粧をしなくても平気だった私だけれど、
今はお化粧しないと出られないと思うこともよくある。
デリカシーのない夫に「この歳で化粧しても仕方ないだろう?」と言われたが、
「この歳だから、化粧しなくちゃいけないんだよ!」と返す。
でも…。
もっと歳をとったら、本当に化粧する必要なんて無くなるんだろうなと思う。
それはそれで寂しい気がする。


 *「美容部員」は死語だろうか?

生きること

2017-03-02 08:54:17 | 日記
久しぶりにえりかさんと話していて、
どんな話の流れだったのか、いつものように私が「早く死にたい」と言う。
そんなこと、えりかさんとはかつて散々話した気がする。
私には、自殺するエネルギーなんてないから、早く歳をとって死にたいと。

当時、えりさんは私が言うのに同意はしなかったけれど、
どこかに書いていた。
言葉は違っていたけれど、同じ意味のこと。

今回は聞かれた。
「どうして早く死にたいの?」
私はえりかさんにそう聞かれたことが意外だった。
「やり残したことがないから」「生きていたくない」と即答。

えりかさんは言う。
「みなみさんは倖せになったから、もうそんなこと思ってないと思ってた」
「私は、確かに昔は早く死んでしまいたいと思っていたけれど、今はまだやり残したことがあるな」
えりかさんにとって、「倖せ」=「死にたくない」なのかな?

普通の人は、死ぬことなんて考えないで生きているのかな?
死ぬことは怖いのかな?
まあ私だって、癌とかに罹って死を宣告されたら、怖いと思うかもしれない。

昔、祖父が私が小学校にあがるまでは生きていたいと言っていたのを思い出した。
伯父に孫ができた時、やっぱりこの子が小学校にあがるのを見たいと言っていた。
孫ってそんなにかわいいのかな?
近所の友達は、孫なんて欲しいと思ってなかったけど、できるとかわいいと言っていた。
そういうものなのかもしれない。
孫という愛する対象ができると生きていたいと思うのかな?
私には、愛する対象がないから生きていたいと思わないのかな?

やり残したことがない。
それならば、どうして私はまだ生きているのかな?
やり残したことがないと思っているのは、私の精神であって、
私の魂にはやり残したことがあるのだろうか?
魂がやりたいことを実現するには、まだまだ時間がかかるんだろうな。
私は何のために生まれてきたのかな?
そんなこと、この歳になって考えることじゃないのかな?