だって見たいんだもん!

映画と共に生きてきた私。大好きな映画と芝居と絵画をメモします。

双子の生きる道

2014-09-02 17:08:38 | 映画
本作のタイトルをいつかどこかで見たことがあるな~と思ったら、それは1991年翻訳が出版された時、書店の平積みだったと思われます。現在では早川書房から原作が出ています。

1991年1月15日発行『悪童日記』、同11月15日発行の続編『ふたりの証拠』、1992年6月15日発行の完結編『第三の嘘』。この3部作を読まれた方もいらっしゃるでしょう。

作者は、ハンガリー出身のアゴタ・クリストフ(1935~2011年)。『悪童日記」(86)は、クリストフのデビュー作でベストセラー小説です。残念ながら、未読なので映画を。

1958年ハンガリー、ブタペスト出身ヤーノシュ・サース監督「悪童日記」(13)です。原作は、戦時下の混乱を生きる双子の少年たちが書いた作文のかたちをとっています。

第2次世界大戦末期1944年8月14日、双子の兄弟(アンドラーシュ・ジェーマント&ラースロー・ジェーマント)は母親に連れられ、国境に近い田舎の小さな町へ疎開して来ます。

そこは村人から“魔女”と呼ばれる祖母(ピロシュカ・モルナール)の農園でした。母親はもう双子を食べさせることができなかったのです。しかし祖母は働かない者には食事を一切与えない人。

双子は、薪割りと水汲み、鶏や豚への餌やりを命じられます。やがて隣家の少女と仲良くなり、町の酒場で寸劇などをして小銭を稼ぎ、森の中で兵士の遺体を発見し、武器を盗むのでした。

過酷な日々を生き延びるため…いつまでも迎えに来ない母の写真を焼き捨て、虫や魚を殺し、労働し、聖書と辞書で学び、肉体と精神を鍛えていきます。果たして、双子の将来は?

父親役にウルリッヒ・マテス、将校役にウルリッヒ・トムセン。無垢だからこその怖さ。ミヒャエル・ハネケ監督「白いリボン」(09)を思い出します。ちなみに続編の『ふたりの証拠』は…

美しい青年に成長した主人公の物語。完結編の『第三の嘘』はベルリンの壁の崩壊後、再会した2人の物語。うむ、この2作も映画して欲しくなります。その前に、本作をぜひ。
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