セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「バーフバリ 王の凱旋」完全版(テルグ語)

2018-06-20 23:12:19 | 外国映画
 「バーフバリ 王の凱旋」完全版(テルグ語)

  スタッフ・キャストはこちらを参照して下さい。

 去年暮れに公開された「王の凱旋」はインターナショナル版(以後、インタ版)で141分、好評につき完全版167分が公開されました。
 「伝説誕生」はボロクソ、「王の凱旋」も少しボロクソ(笑)に書いてきましたが、この完全版は「伝説誕生」よりドラマ性が増したインタ版を更に補完していて、より充実させたものになっています。カットされたテーヴァセーナ王女のナンバー「かわいいクリシュナ神よ」は、如何にもインドな色彩が美しく優れた曲でした。(多分、150分以内に収める為、無理矢理カットしたのでしょうが、これが無いとテーヴァセーナの恋のトキメキという段階も一緒に消えてしまうんですよね)
 又、もう一人の主役カッタッパのコメディパートが増えて、より親しみやすく、それ故、哀切さが鮮明にもなったと思います。インタ版では単純な悪役だったバラーラテーヴァも、テーヴァセーナへの或る意味一途な思い、そして母シヴァガミのバーフバリへの態度からくる嫉妬、それが彼を強烈なカインコンプレックスの塊りにしてしまい、それぞれが歪んで肥大してしまったという背景が解り易くなっています。
 エンドロール中に入る台詞で、神話(伝説)に収め切ったのも良。

 アクションシーンでのスローモーションは何度観てもノレなく好きでないのですが、3回目ともなると幾らか免疫が付きました。(笑)
 インド映画は3時間が当たり前の世界で、そこから敬遠されるのを恐れインタ版を公開したのだろうけど、この作品、日本ではアツいファンが多く最初から完全版でよかったんじゃないかな。(何処の国の映画館もインド人で一杯だったらしいけど、日本だけは日本人が熱狂したとか(多分、中国も))
 お陰様で、文句言いながら8時間半も観てしまった・・・、まぁ、この完全版は観てよかったけどね。

 シャー・ルク・カーンの「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」が3月で上映期限切れとなり、「マサラ上映にピッタリな作品が消えた」と思いましたが、この作品が後を継いでくれたようで、インド映画ファンの一人として、多くの方がこの機会にインド映画への親しみを持ってくれたらと願っています。

※個人的に嵌ったナンバーは空飛ぶ帆船シーンで掛かる「白鳥の船に乗って」
  https://www.youtube.com/watch?v=mg2Qc-ekUc8
 これは初見以来、しょっちゅう脳内リピートされてます。
※インド映画のパンフレットは情報量の少なさなのか貧弱というイメージが有ったけど、完全版のパンフレットはサービス満点、しかもシナリオ付きというお得モノ。
※インド映画の歌は声アテが基本、しかも人数が少ないのか、主役変われど声変わらずというのが沢山(笑)、ハリウッドのマーニ・ニクソンを思い出して頂ければ。

 H30.6.16
 丸の内東映②

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