セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「情婦」

2014-05-03 23:44:40 | 外国映画
 「人に言えない観てない」シリーズ、今年も密かに進行中。

 「情婦」(「Witness for the Prosecution」・1957年・米)
   監督 ビリー・ワイルダー
   脚本 ビリー・ワイルダー
       ハリー・カーニッツ
   原作 アガサ・クリスティ 「検察側の証人」
   撮影 ラッセル・ハーラン
   音楽 マティ・マルネック
   出演 タイロン・パワー
       マルレーネ・ディートリッヒ
       チャールズ・ロートン
       エルザ・ランチェスター
       ジョン・ウィリアムス

 多くの方と同様、タイトルのイメージから何となく食指が動かなかった作品。
 B・ワイルダーの代表作の一つと聞いていても、「アパートの鍵貸します」
も「お熱いのがお好き」も観てるから、その内に・・・で30年。(汗)
 法廷サスペンスの傑作。
 まだ観てない方に老婆心ながら一言、「リストに入れる」事をお勧めします。
 以上。(笑)

 内容は観てのお楽しみなので、
 気の付いた事の雑談で行数の埋め合わせを。(汗)
 B・ワイルダーはオーストリア人でナチスを嫌ってアメリカへ移住しハリウッ
ドで活躍した人。
 この作品は、そのハリウッドの映画ですが舞台はロンドンで主な登場人物
も一人を除きイギリス人設定。
 そのイギリス人のユーモアを実に巧みに描いてるんですよね。
 フランスのエスプリ、イギリスのユーモア、アメリカのジョーク&ユーモア。
 みんな、国柄によって「笑い」が違うのですが、この作品のユーモアはアメリ
カのユーモアと違う、ジョンブルのユーモアだと思います。
 多人種の国アメリカで暮らし身に着けたのかもしれませんが、優れた観察
眼のなせる技だと思います。
 映画大国アメリカを代表する名匠の実力が、そんな所にも窺い知れるので
はないでしょうか。

 全てに於いて脱帽の域に有る傑作だと思います。

※映画を観始めて40年、途中30年近いブランクも有って、僕の映画ベスト
 10は完全に固定化されてしまい、もう変動は無いだろうと勝手に思い込ん
 でいました。
 それが去年「地獄に堕ちた勇者ども」を観て、ベスト10どころかベスト3に変
 動が起き、今年4月~5月のわずか一ヶ月間で更に2本がベスト10入り、特
 に「さらば、我が愛/覇王別姫」は不動の1位と思ってた「七人の侍」と並ぶ出
 会いでした。
 自分の世界の狭さを痛感する今日この頃です。
 (ベスト10から零れ落ちていった作品への愛着もひとしおなのですが)
コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「愛は静けさの中に」 | トップ | 平成26年 バラ便り »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (鉦鼓亭)
2014-05-09 23:03:07
 宵乃さん、告知有難うございます。

企画の件は了承しました。
いい機会ですので、僕はまだ観ていない有名作を観てみたいと思います。
「がんばれベアーズ」(笑)
返信する
Unknown (宵乃)
2014-05-09 14:46:00
こんにちは、ブログDEロードショーのお誘いに参りました。

今月のブログDEロードショーはファミリー映画企画を行います。
家族で楽しめる作品ならジャンルは何でもOK!

観たい作品が決まらない場合は、私が観る予定の『イルカと少年(2011)』を見ませんか?
孤独な少年ソーヤーと傷ついたイルカとの絆を描いた、実話を基にしたファミリードラマです。

開催期間は2週間後の5月23日(水)~5月末まで。
よかったら今月もみんなと一緒に映画を楽しみましょう♪
返信する
Unknown (鉦鼓亭)
2014-05-05 21:14:00
 *jonathan*さま、こんばんは
 コメントありがとうございます

僕は一応男なので扇情的なタイトルに釣られる方ですが、
何故かこれは食指が動きませんでしたね。
タイトルがアレでも監督がワイルダーだから、せいぜいテイのいい寸止めを喰らうだけだろう、って最初は思いました。
「帰らざる河」だとイカダのシーンか、ウクレレ?抱えて主題歌を歌ってるシーンじゃないかと思ったのですが、違うんですか。
(後でちょっと調べてみます)

「お熱いのがお好き」はギャグだから、比較するなら「アパートの鍵貸します」でしょうか。
どちらにしろ、上質なユーモアに関してはハリウッドでも一、二を争う監督だったと思います。
(下ネタの艶笑系は、もっと得意(笑)) 
返信する
これ、大好きです! (*jonathan*)
2014-05-05 02:19:30
鉦鼓亭さま、こんばんは!

なるほど、タイトルが原因でしたか。
古い映画って、どうもタイトル・ポスターでその手の売り方をするきらいがあるような気がする・・・というのは、偏見でしょうか^^;
私が昔持っていた「帰らざる河」のビデオのジャケットもひどかったんですよ。なぜソコ??って感じで。

お返事にも書いちゃいましたが、私はイギリスを意識していなかったので、ユーモアについてのご分析にハッとしました。
ミステリの傑作として有名な作品ですが、ユーモアの方でもお薦めしていきたい映画ですよねー
じゃんじゃん布教してください!(笑)
返信する
Unknown (鉦鼓亭)
2014-05-04 22:02:39
宵乃さん、こんばんは
 コメントありがとうございます

邦題も観終わってみれば中々意味のあるタイトルなんだけど、
どうにも字ヅラ、語感、共にアレですよね。
原題そのままの訳が、まだ良かったかも。
僕だったら、ちょっとズレてるけど「法廷弁護人」かな。(汗)
(このタイトルだと、焦点が片寄っちゃう)

弁護士おじいちゃんと看護婦さんのやり取りが>
たえず緊張感ばかりだと映画は保たないし疲れるから、やはり気を抜ける所を作らないと。
その点、B・ワイルダーの呼吸は流石に上手いです。
あの二人の息の合い方も最高でした。

ベスト10>長年、愛着の有る作品がはみ出しますから、嬉しい結果なんですけど、哀しくもあり、です。(笑)
返信する
Unknown (宵乃)
2014-05-04 10:43:24
ホント、有名なのに邦題のせいもあって観るのを躊躇している方が多いんですよね~。
わたしも鉦鼓亭さんほどではないにしろ、観るのをためらってたクチです。
邦題はまだ観終わってから納得できるものの、ジャケットの写真を選んだ奴は切腹ものですね!(笑)

>この作品のユーモアはアメリカのユーモアと違う、ジョンブルのユーモア
>優れた観察眼のなせる技だと思います。

お~、そうだったんですね。
弁護士おじいちゃんと看護婦さんのやり取りが可愛くって面白くて大好きなんですが、監督がイギリスのユーモアをわかっていたからこそということかぁ。

鉦鼓亭さんの映画ベスト10にまたもや新風が吹き込んできて、今年は映画関係のツキが回ってきてるのかも!
返信する

コメントを投稿

外国映画」カテゴリの最新記事