セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「ハッピーエンドが書けるまで」

2015-07-18 23:22:38 | 映画感想
 「ハッピーエンドが書けるまで」(「STUCK IN LOVE」、2012年、米)
   監督 ジョシュ・ブーン
   脚本 ジョシュ・ブーン
   撮影 ティム・オアー
   音楽 マイク・モーギス
   出演 リリー・コリンズ
       グレッグ・キニア
       ナット・ウルフ
       ジェニファー・コネリー

 現在、「お疲れ」真っ最中!(笑)
 こんな時、「重い映画」は勘弁という訳で、タイトルに惹かれて行ってきま
した。
 (このタイトルが「釣り」だったら激怒、ホント余裕無い状態(爆))

 有名作家ビルとその子供達。
 それぞれの心の中に、数年前、家を飛び出し再婚したエリカの影と傷が
癒えぬままになっていた・・・。

 疲れてるからバッサリ言っちゃいますけど、
 「理屈で情を描いた作品」
 劇中の出来事、人物の行動、その殆どが方程式のような理屈で説明出
来ちゃう。
 方程式の解は「エリカ(主人公達の妻であり母親)の不在」。

 ビル>有名作家 未だ元・女房を忘れられず、帰りを待ち続けてる。
    元・女房の再婚先へ不法侵入(のぞき)までする未練ぷり、創作意欲
    消失中。
 サマンサ>長女(19)、作家デビューを果たす。
    母に捨てられたショックで、心に厚い鎧を着せてる
    「この世に「愛」は無く幻想に過ぎない」と割り切り、夜の街に出ては一
    夜限りのsexを楽しんでる。
 ラスティ>長男(弟、17?)、作家志望。
    姉ほど開き直れず、ナイーブな分、家に籠りがち。
    「社会経験がなければ書けない」と父親に発破を掛けられ、好きな娘
    にアタック開始!
    只一人、再婚先の母に会いに行ける存在。

 不在の人物が主要人物達を動かす構図は「レベッカ」に似てなくもないけ
ど、そういう話では勿論有りません。(笑)
 
 「ハッピーエンドが書けるまで」
 果たして、登場人物達が一回り成長して、それぞれの道を歩み出して書く
のか。
 それとも、成長した後、元の鞘に収まった姿を書くのか。
 理屈で説明出来ちゃう浅い話ではあるけど、この邦題、中々、上手いタイ
トルだと思いました。
 そして今の僕には、ちょうどいい作品で、気持ちを幾らか楽にしてもらえた。
 その時の気分次第だけど、こういう「お気楽作品」、結構、好きなんですよ。
 

 リリー・コリンズ(「白雪姫と鏡の女王」以来、久々の再会(笑))
 良く言えば、喜怒哀楽、非常にハッキリした演技。
 悪く言うと、それぞれの中間、人間のグレーな部分がない。
 もしかして、彼女、ダイコン?(笑)
 でも、この作品を支えてるのは、R・ドレイファスもどきのG・キニアじゃなくて
7割方は彼女の魅力(特に笑顔)。
 男だから、そう見えるんで、女性から見た彼女は解りませんが。(笑)
 あ、G・キニア、悪くは無いんですよ、只、見る度にドレイファスを思い出す顔
の作りがね、多分、実質、主人公はこっち。

 予告編 https://www.youtube.com/watch?v=-cYlzVRcuXs

※一つ解りづらかった所
 後半、母親に異変が起きるのですが、エリカなのか劇中、もう一人出てくる母
 親なのか混乱した。
 理由は前のシーンにある、あのように繋げてしまうから間違える。
 サマンサの恋人と弟(ラスティ)、顔が違っていても雰囲気似てるから、少しの
 間、勘違いして観てました。(汗)
 「ママ」じゃなくて「お母さん」と言ってる時点で気付くべきなのは確かなんだけ
 ど。(笑)
※L・コリンズの二の腕を見ると、「そこのみにて光輝く」の池脇千鶴を思い出し
 ます。(笑)
※J・コネリーも母親役(L・コリンズの)やる歳なのか・・・。

 新宿シネマカリテ2
 H27.7.18

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※本日の一首 還暦を半年後に控え詠める

 天の川 ふりさけ見たら ぎっくり腰 
  息も出来ずに 探す杖かも

※石が飛んでくるかもしれないので、マジメに映画感想なのも。
 (余計、飛んで来たりして(笑))

 幾重にも 築きし壁さへ 君が吹く 角笛ひとつ 傍に有りせば
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2 コメント

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Unknown (宵乃)
2015-07-21 11:54:21
ぎっくり腰、大丈夫ですか?
辛いですよね~、安静にしていたくても、動かなきゃいけない時もありますし。
早く治るよう祈ってます!

この作品、未見ですがタイトルが印象に残ってました。しっかり考えられた邦題は好感持てます。
タイトル詐欺じゃなくって良かったですね(笑)

「白雪姫と鏡の女王」のヒロインが出てるんですか~。いつか機会があったら、この作品を支えているのが彼女かどうか女性視点で確認したいと思います!
Unknown (鉦鼓亭)
2015-07-21 23:21:48
 宵乃さん、ごめんなさい

紛らわしい事、書いてしまって。(汗)
何年か前、リメイク版の「地球が静止する日」を観て、
J・コネリーを綺麗な女優さんだなァ、と指咥えてたんですよ。
それが今作じゃ20歳近い子のお母さん、老けメイクもあるだろうけど、全然、違和感なくて、ちょっとショックだったんです。
「俺も歳取るわけだ・・・」って。(笑)
そんな訳で、ちょっと自虐っぽく本歌取りで歌を作ってみたんです。
元の本歌に触れる度に(天の原 ふりさけみれば~)、非常にダイナミックなもんだから、
いつも「腰、大丈夫か?」
って思っていたもんで・・・。

タイトル詐欺じゃなくって良かったですね(笑)
>ホントに良かったです!「釣り」だったら帰途、「ヤケ酒」でした。

この作品を支えているのが彼女かどうか女性視点で確認したいと思います!
>あの、それ「怖い」です。(笑)
普通に観たら、ホントの主役、G・キニアのような・・・。(汗)

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