セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「今夜、ロマンス劇場で」

2018-11-04 21:49:48 | 邦画
 「今夜、ロマンス劇場で」(2018年、日本)
   監督 武内英樹
   脚本 宇山佳佑
   撮影 山本英夫
   音楽 住友紀人
   出演 綾瀬はるか
      坂口健太郎
      本田翼
      柄本明  加藤剛

 あらすじは予告編で  https://www.youtube.com/watch?v=KeZYFeVWbtM 

 実に厨二病を拗らせた作品、しかし、「カメラを止めるな!」と同じく映画愛に溢れ、盛大にロマンティックな純愛映画。
 冒頭の「ローマの休日」、「オズの魔法使い」、「三銃士」のつるべ打ちから始まり「おとうと」、「ニュー・シネマ・パラダイス」、「タイタニック」で終わる、様々な映画のエッセンスやシーン、パロディの塊(音楽まで綾瀬はるかのTBSドラマ「JIN」に似てる)のような映画だけど観終わると意外と芯はしっかり、真っ直ぐな作品でした。
 集約すれば「カイロの紫のバラ」の男女逆転版というような映画で、日本版「カイロの紫のバラ」で「蒲田行進曲」要素入り。

 おっそろしく微妙なバランスの上に立ってる作品、ヒロインの綾瀬はるかも思いっきり下手に見えるんだけど肝心な所はちゃんと見れるのだから演技も演出も狙いどうりなのでしよう。昭和初期の人物が平成言葉で通したのは最後まで違和感あったけど。(笑〜これは、ヒロインをA・ヘップバーンに似せてるから余計に)
 始めチョロチョロ、中ハッパ、時間が来るまでドドンドン、そんな感じでした、何だか知らないけど今年一番泣いたような気がする。(歳のせいで涙腺緩みっぱなしだけど、ここ半年、余り泣いた記憶はない※「湯を沸かすほどの熱い愛」が有った、でも、あれは全力で泣かしにくる作品だし)

 しかし、この監督、A・ヘップバーン大好きでこんな妄想してたんだろうか。(笑)
 かなりロマンティックだから観る人選ぶかもしれないけど、映画好きでロマンティックが好きな人には大推薦したい映画てした。

※最初、三谷幸喜風に始まって「ザ・マジックアワー」の悪寒が蘇ったけど、「ザ・マジックアワー」の上位転換とでも言うような作品でした、狙いが違ってるので同じ土俵じゃないけど、この作品の方が個人的には断然良かった。(DVD買っちゃいそう)
※何の偶然か昨日が樹木希林さんの遺作で今日は加藤剛さんの遺作、合掌。
 この、あり得ないような成り行きにリアリティを少しでも付けられたのは加藤剛さんのキャラクターに負う所が大きい。(加藤剛さんは、スターはウ◯コしないって幻想を体現出来る希少な人だから)
※昨日の黒木華、「着物、何枚持ってんだ!」、今日の綾瀬はるかのお召替え、ファンタジーだから映画の嘘でOK(笑)。
※追記 綾瀬はるかの喋り方、中盤で「この言い方、何処かで」と思って「あれ」かと思い出したけど、そのまま。
 朝になってツラツラ考えてみたら、やっぱり黒澤監督の「隠し砦の三悪人」のパロディなんでしょうね、「隠し砦の〜」は、ある意味、黒澤版「ローマの休日」だし(恋愛要素ゼロですが)、ヒロインの名前は「雪姫」、本作のヒロインは作中、名前が出てこなかったけど(最初の方で「王女の美雪だ」と言ってた(汗))、wik見たら「美雪」だと。(笑)


  時来たり 夜空の月も 満ち足りて
   君へ駆けゆく 足ぞ軽けき

    ↑未見の方は「タイタニック」のラストシーンを思い出して下さい。

 H30.11.4
 DVD
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4 コメント

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こんばんは。 (白くじら)
2018-11-21 23:34:24
しばらくパソコンを触れなかったために、お返事が大変遅くなり申し訳ありませんでした。

「ローマの休日」を始めとして映画ファンならニヤリとするシーンが多かった映画でしたね。
どう見てもオードリー・ヘップバーンでしたけど、かなりのお転婆ぶりには驚きました。(^^;

タイムスリップモノとしても要所要所をきちんと押さえていて、伏線回収もしているので観ていて楽しかったです。
返信する
いらっしゃいませ! (鉦鼓亭)
2018-11-22 19:55:28
 白くじらさん、こんばんは
 コメントありがとうございます!

お転婆ぶり
〉この性格設定は黒澤監督「隠し砦の三悪人」の雪姫が土台になってると思います。
(あちらは、世継ぎの男子が生まれず、姫を男のように育てた)
始終、がなるように喋り、姫だから命令調、何も知らず見ると「ぶったまげます」、下手で。(笑)
でも、そうと知って何度か観ると、どんなに台詞が棒でも、姫としての気品と凛とした心が表現出来てて、姫はこの人しか居ないと思ってしまいます。(その悟りの境地まで行くのが大変かも)

「今夜、〜」で、ここはちょっとと思った所
加藤剛との最後のシーン、ヒロインが気持ちを台詞で説明し過ぎ。
シーン後半は台詞なしで演技で全て感じさせないと、それが役者だし、監督の腕の見せ所じゃないかと思いました。

そんな問題点もあるにはあったけど、仰るとおり楽しい作品で好きですよ。
紹介して頂き、感謝!です。

返信する
Unknown (しずく)
2020-07-11 08:12:49
結構、ハマって観ましたよ!

イイネはもう一つgooブログのbamboo名でカウントされているとおもいます。悪しからず


返信する
こちらへも、ありがとうございます (鉦鼓亭)
2020-07-11 11:35:11
 しずくさん、こんにちは

2018年に観た作品では「バーフバリ 王の凱旋」IMAX版と「心と体と」が一番?良かったのですが、「好き」で選べば、この作品ですね。
かなり、気に入った作品。(笑)

イイネボタン、幾つも押して頂き、ありがとうございます、励みになります。
返信する

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