セピア色の映画手帳 改め キネマ歌日乗

映画の短い感想に歌を添えて  令和3年より

「白い肌の異常な夜」

2018-08-15 00:41:05 | 映画感想
 「白い肌の異常な夜」(「The Bequiled」、1971年、米)
   監督 ドン・シーゲル
   原作 トーマス・カリナン
   脚本 ジョン・B・シェリー   グライムス・グリス
   撮影 ブルース・サーティース
   音楽 ラロ・シフリン
   出演 クリント・イーストウッド
       ジェラルディン・ペイジ
       エリザベス・ハートマン
       ジョー・アン・ハリス  パメリン・ファーディン   

 南北戦争、南部の戦場で負傷したマクバーニー伍長(北軍)は危うい所で少女エミーに助けられる。
 彼女の暮らす寄宿制女学院で秘密裏に治療を受ける伍長だが、そこは抑圧された女だけの館・・・。

 男臭い映画を撮るというイメージのドン・シーゲルが女性に重点を置いた異色作。
 物語としても面白いし、女達の心理を上手に描いてると思います。
 でも、僕が男だからか、男視点の女性心理の範囲を越えていないと言うか、女心の奥の院には届いていない気がしました、隔靴掻痒という感じ。
 男から見て彼女たちの行動が全て想像を越えていかないんです。
 その辺をしてソフィア・コッポラにリメイク(「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」)させる気を起こしたのかも。(未見だけど女性心理の機微をより鮮明に描いた作品らしい)

 女だけの屋敷に滞在するなら行儀良くしてないとね。(笑)
 でも、伍長、最初のシーンで声を出させない為とはいえ10歳のエミーの唇をキスで塞ぐって、かなり、女に手慣れてる。(手を負傷してるとは言え)
 敵陣の中、介護されてる弱味で良く見せようなのか、言う事も相手が望むような事ばかり喋るけど女たらしの本性がチラチラしてます。
 自分のイケメン振りを利用した積りが女の館で三つ又掛ければどうなるか・・・、ちょっと、女性を甘く見ちゃいましたね。
 エドウィーナだって、あのまま二人で出て行ったら北軍のキャンプでポイされるか、足の事でネチネチ言われ彼女のヒモで甘い汁を吸われるか、どちらかでしょう。
 結局、一番油断していたエミーに復讐された訳で、エミーに始まりエミーで終わる物語。
 それにしても、最後の晩餐のエミーの台詞は子供らしい怨念が籠っていて素晴しかったです。

※院長とエドウィーナ、どちらにしようかをキャロルに見付かった時、大人しく自室へ戻ってればなんですが、あの娘だと何もなくても翌朝「夜中に無理矢理、暴行された」と言うんだろうな。(怖)
※もしかしたら、「肝試し」に使えるかもと思ったけど、そっち方向じゃなかった。(笑)

 H30.8.12
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2 コメント

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おはようございます (宵乃)
2018-08-15 08:38:20
>男から見て彼女たちの行動が全て想像を越えていかないんです。

すごいですね!
私は結構「そうくるか!」となりました。再見だったのに(笑)
しかし、マクバーニーの女たらしっぷりが酷かったですよね。自業自得を通り越して、修羅場ウェルカム!みたいな。
他の方の感想で、こういうのがイーストウッドの性癖なんだろうと考察していて笑いました。

>エミーに始まりエミーで終わる物語。

ですよね~。女優陣の演技はみんな素晴らしかったけど、エミー役の子はとくに印象に残りました。

>「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」

私も未見ですが、すごく薄味だったという感想を何度か見かけてます。いつか見比べてみたいですね~。
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いらっしゃいませ! (鉦鼓亭)
2018-08-15 09:03:52
 宵乃さん、おはようございます
 コメントありがとうございます!

すごいですね!
>UP後、filmarks覗いたら、やっぱり、男目線の映画と書いてる人がチラホラ居ました。

修羅場ウェルカム!
>爆笑!勝手に墓穴を一所懸命掘ってました。

イーストウッドの性癖
>この頃の出演作、女と同性愛が絡むとこんな粘着質でドロっとした雰囲気になるのが多かった気はします。
初期の「ダーティ・ハリー」、「タイトロープ」とか。

エミー役の子はとくに印象に残りました
>僕も同じです。

「The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ」
>少し興味は有るのですが、彼女の「ヴァージンスーサイズ」がイマイチ合わなかったから、どうしたものかと。(汗)
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