「千年女優」(2001年、日本)
監督 今敏
脚本 今敏 村井さだゆき
原案 今敏
キャラクターデザイン 本田雄
作画監督 本田雄 濱洲英喜 小西賢一 古屋勝悟
撮影 白井久男
音楽 平沢進
声 荘司美代子 小山茉美 折笠富美子
飯塚昭三 佐藤政道
小野坂昌也 津田匠子
山寺宏一
長い伝統を誇る銀映撮影所が取り壊される、かつてここで働いた立花は助手の井田を連れて30年前、突然、表舞台を去った伝説の女優 藤原千代子のインタビューに赴く、昔、拾った小さな鍵を千代子に返す目的も有った。千代子は立花と井田を前に自分の人生を語り出す・・・。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=kWujkJbIc9c
時間の壁をスムーズに軽やかに超えていく演出がとても良い、それによってファンタジックさも増している、只、主人公が余りに一直線なので少し人間として深味に欠ける気がしました。
作品の主人公でありヒロインである千代子の純な一途さを80分一直線に描き、観客にもそういう物語だと思わせといて、最後の最後に「だってあたし、あの人を追いかけているあたしが好きなんだもの」と恋慕の情が長い時間の間に、いつしか自己愛に酔ってる「健気な自分ごっこ」だったと白状させる、「恋情と健気ごっこ」混ざり合った感情、あの鍵は心の奥の奥にある最後の扉の鍵だったのではないでしょうか。
時間軸を使った幻想と現実の溶け合わせ、ヒロインの本気と擬態の混沌、どこに真実を見るのかは観客次第と言う事なのでしょう。
面白いのだけど自分にとって刺さるものは少なかったのが正直なところかな。
君を追い ひたすら駆ける 初夏の野の
想い届けと 蒲公英が舞う
※「日本映画へのオマージュ」、確かにそれと判るシーンが幾つもある、でも、終盤の北海道行きのシーンはソ連の「誓いの休暇」(1959年)の最後のエピソードだと思う、列車の急停止、筏、トラック(本作でも千代子を最初に拾うのはトラック(「トラック野郎」のオマージュでもある))と乗り継ぎながらの綱渡り、想い人の去った真っ直ぐな足跡はアリョーシャが母を残し村を出て行った平原の一本道、僕はそう捉えました。
※エンディング、テーマ曲のドラムスが凄くいい、昔のNHKドラマ「阿修羅のごとく」に使われてた中東の旋回舞踊(セマー)の音楽を思い出した。
R5.5.19
DVD
監督 今敏
脚本 今敏 村井さだゆき
原案 今敏
キャラクターデザイン 本田雄
作画監督 本田雄 濱洲英喜 小西賢一 古屋勝悟
撮影 白井久男
音楽 平沢進
声 荘司美代子 小山茉美 折笠富美子
飯塚昭三 佐藤政道
小野坂昌也 津田匠子
山寺宏一
長い伝統を誇る銀映撮影所が取り壊される、かつてここで働いた立花は助手の井田を連れて30年前、突然、表舞台を去った伝説の女優 藤原千代子のインタビューに赴く、昔、拾った小さな鍵を千代子に返す目的も有った。千代子は立花と井田を前に自分の人生を語り出す・・・。
予告編 https://www.youtube.com/watch?v=kWujkJbIc9c
時間の壁をスムーズに軽やかに超えていく演出がとても良い、それによってファンタジックさも増している、只、主人公が余りに一直線なので少し人間として深味に欠ける気がしました。
作品の主人公でありヒロインである千代子の純な一途さを80分一直線に描き、観客にもそういう物語だと思わせといて、最後の最後に「だってあたし、あの人を追いかけているあたしが好きなんだもの」と恋慕の情が長い時間の間に、いつしか自己愛に酔ってる「健気な自分ごっこ」だったと白状させる、「恋情と健気ごっこ」混ざり合った感情、あの鍵は心の奥の奥にある最後の扉の鍵だったのではないでしょうか。
時間軸を使った幻想と現実の溶け合わせ、ヒロインの本気と擬態の混沌、どこに真実を見るのかは観客次第と言う事なのでしょう。
面白いのだけど自分にとって刺さるものは少なかったのが正直なところかな。
君を追い ひたすら駆ける 初夏の野の
想い届けと 蒲公英が舞う
※「日本映画へのオマージュ」、確かにそれと判るシーンが幾つもある、でも、終盤の北海道行きのシーンはソ連の「誓いの休暇」(1959年)の最後のエピソードだと思う、列車の急停止、筏、トラック(本作でも千代子を最初に拾うのはトラック(「トラック野郎」のオマージュでもある))と乗り継ぎながらの綱渡り、想い人の去った真っ直ぐな足跡はアリョーシャが母を残し村を出て行った平原の一本道、僕はそう捉えました。
※エンディング、テーマ曲のドラムスが凄くいい、昔のNHKドラマ「阿修羅のごとく」に使われてた中東の旋回舞踊(セマー)の音楽を思い出した。
R5.5.19
DVD
ほんと見る人によって受け取り方がまるで変わる作品ですよね。人の感想を読むのが楽しい作品でもあります。
今監督らしいスピード感あふれる映像で、「千年女優」というタイトルもいつの間にかしっくりくる感じでした。
「日本映画へのオマージュ」は具体的にはわからなかったけれど、監督の映画愛は感じられましたね~。
コメントありがとうございます!
今監督らしいスピード感あふれる映像
〉この監督さんは「お初」なのですが、スピード感とリズム感がいいですね、リズム感は映画監督の必須条件だと思っています。
オマージュ
〉鍵の君の服装が金田一耕助、戦国時代の弓矢、糸車を回す物の怪「蜘蛛巣城」、他「鞍馬天狗」、「ゴジラ」、「トラック野郎」、母に結婚を勧められるのは小津かなぁ、小津さんは不得意なので解らなかったけど入ってるそうです。
やはり、大まかな内容と、ラストのセリフがハッキリとしているだけで
他は、なかなか難しかったです(笑)。
同じ頃に見てお話ししたかったような作品でした、残念です!
>どこに真実を見るのかは観客次第と言う事なのでしょう。
まあ、ラストのセリフでガックリ来る若い方も多いかもしれませんが
仕方ないですよね~私的には見た当座はとても良かったんだけど
二回目見る気もなく思い出すことも難しい多くの作品と同じになりました。
まあ音楽布教目当てで見たのなら、それは良かったと思うんですが
天才と言われても平沢進は好きになれません(笑)。
では、また何かの(できれば見る時期が近かったら嬉しいです)お話しを致しましょうね~♪
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コメントありがとうございます!
思い出すことも難しい多くの作品と同じになりました
〉自分のストライクゾーンに来ないと7年の時間は長すぎですね、僕も似たようなもんですからお気になさらる事はないです。
あの最後の台詞、僕は中々、面白かったですよ。
平沢進さん、他は知りませんがこの作品の音楽は良かったです。
申し訳ありません、今ごろ気付いて・・・遅いっつーの!
これから気を付けますので、お許しください(ペコリ)。
>デ・シーカは「ひまわり」、「昨日・今日・明日」が印象に残ってますが、全部「ふたりの女」に隠れてしまった感じです、あれは高校生には中々、強烈でした。
「ふたりの女」は私は5年前という「おばはん」になってから見たのですが、高校生の男子では・・・。
私の高校時代は「ひまわり」だったので、いつまでもその印象が強いです。
(もちろん最近見た映画でも印象は良いのが多いです)
俳優さんとして素敵な方なので、それも大きいです!
しかし、もし私が高校時代に「ふたりの女」見ていたら・・・ああ恐ろしい・・・想像するだけで・・・。
寂庭さん、本当にお疲れさまでした?何と言って良いやら・・・。
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当人、言われるまで気づかなかったし、以前も似た事が有ってその時も書いたのですが、そもそも、当人が耄碌して間違えそうになるんだから、まして、他人おや、です。全然、気にしなくて結構ですよ。
「ふたりの女」
淀長さんの日曜洋画劇場だったと思います、それまで観てた米兵=正義の味方、まぁ、高校生だからそこまで単純ではないけど、その酷い実例とそれが日常の世界はそれなりに衝撃でした、あれから半世紀経ったけど、あの時の死んだ魚の目のようなS・ローレンは今でも忘れられません。
S・ローレンは「鍵」と「ふたりの女」が自分にとって代表作です。