1972年のコメディ映画の傑作に近い秀作。
監督ピーター・ボグダノビッチ、出演バーブラ・ストライサンド、ライアン・
オニール。
お話は「4つの同じ鞄があったとさ」で始まる大混線劇、3分の2までは
スクリュウボール・コメディ、残りの後半はスラプスティック・コメディ。
僕、映画で一番笑ったのは、これとB・エドワーズの「地上最大の脱出
作戦」じゃないかな、でも「地上最大の~」はB・エドワーズ得意の典型的
竜頭蛇尾なんで、比較すれば、この作品がNO.1かなと思ってます。
世間では爆笑系コメディはG・ホーンの「ファール・プレイ」のほうが上み
たいですけど、僕は、こっちを買いまね。
理由は二つ、一つ目は「ファール・プレイ」では重要な小道具としてマイ
クロ・フィルムが出て来るんですが、それが生かし切れてない、特に蛇が
マイクロ・フィルムと絡むシーンが長々と有るのですが、殆ど無意味なシ
ーンになってる、あそこ、もっと何とかできるはずだと思います、そして、も
う一つは後半のカー・チェイス、どうしても「おかしなおかしな大追跡」の二
番煎じに見えちゃうし、こっちの方がバリエーションが有って面白い、更に
言えば、サイレント時代へのオマージュも感じさせる。
一つだけ好みの点で「ファール・プレイ」の方に軍配を上げるならヒロイ
ンかな、G・ホーンは好きな女優さんだけどバーブラは嫌い。(笑)
ただ、ここはちょっと重要なポイントで、その嫌いなB・ストライサンドが
我儘な女をやってるのでヒロインに同化できないんです、G・ホーンなら許
せるかもしれないけど、バーブラだと許せない、「何だ、この女!」になっ
ちゃう(特にオニールのフィアンセをギャングのアジトへ行かせちゃうって
のは余りシャレにならない)、そこが「傑作」と簡単に言いたくない理由で
もあるんです。
この映画、誰が見ても大爆笑なんですが、映画オタクだったボグダノビッ
チが全編に渡ってチョコッチョコッと過去の映画のパロディを散りばめて
います、その辺が映画好きには結構クスッとさせてくれるんです、有名
な「カサブランカ」のシーンとか、「ある愛の詩」に辟易してたR・オニール
の自虐ネタとか(でも、あの台詞は当時の人間なら誰でも知ってた超臭
い台詞だけど、今の人は知らないだろうな)。
僕、コメディは脇を固める人達が上手いのが必須条件だと思ってるの
ですが、「ファール・プレイ」にダドリー・ムーアが居るように、この作品も
脇を固めるマデリン・カーン他、皆が達者、そのアンサンブルが見事で申
し分ない、そのお蔭で作品を上質なものにしています。
淀川長治さんが「スラプスティック・コメディはサイレントだから成立する
もので、音が入るトーキーの時代では無理」と仰って、この「おかしな~」
も余り評価していないんですね、確かに純粋なスラプスティックは淀川さ
んの仰るようにトーキーでは成立しないのかなとも思います、が、僕は、こ
の作品、充分、健闘してると思っています。
※バーブラ演じるジュディの性格が凄まじいのは、元ネタの一つ、1938年
の「赤ちゃん教育」のスーザン(K・へップバーン)と同じにしたからなん
ですね、最近、やっと「赤ちゃん教育」を見て納得しました。(汗)
監督ピーター・ボグダノビッチ、出演バーブラ・ストライサンド、ライアン・
オニール。
お話は「4つの同じ鞄があったとさ」で始まる大混線劇、3分の2までは
スクリュウボール・コメディ、残りの後半はスラプスティック・コメディ。
僕、映画で一番笑ったのは、これとB・エドワーズの「地上最大の脱出
作戦」じゃないかな、でも「地上最大の~」はB・エドワーズ得意の典型的
竜頭蛇尾なんで、比較すれば、この作品がNO.1かなと思ってます。
世間では爆笑系コメディはG・ホーンの「ファール・プレイ」のほうが上み
たいですけど、僕は、こっちを買いまね。
理由は二つ、一つ目は「ファール・プレイ」では重要な小道具としてマイ
クロ・フィルムが出て来るんですが、それが生かし切れてない、特に蛇が
マイクロ・フィルムと絡むシーンが長々と有るのですが、殆ど無意味なシ
ーンになってる、あそこ、もっと何とかできるはずだと思います、そして、も
う一つは後半のカー・チェイス、どうしても「おかしなおかしな大追跡」の二
番煎じに見えちゃうし、こっちの方がバリエーションが有って面白い、更に
言えば、サイレント時代へのオマージュも感じさせる。
一つだけ好みの点で「ファール・プレイ」の方に軍配を上げるならヒロイ
ンかな、G・ホーンは好きな女優さんだけどバーブラは嫌い。(笑)
ただ、ここはちょっと重要なポイントで、その嫌いなB・ストライサンドが
我儘な女をやってるのでヒロインに同化できないんです、G・ホーンなら許
せるかもしれないけど、バーブラだと許せない、「何だ、この女!」になっ
ちゃう(特にオニールのフィアンセをギャングのアジトへ行かせちゃうって
のは余りシャレにならない)、そこが「傑作」と簡単に言いたくない理由で
もあるんです。
この映画、誰が見ても大爆笑なんですが、映画オタクだったボグダノビッ
チが全編に渡ってチョコッチョコッと過去の映画のパロディを散りばめて
います、その辺が映画好きには結構クスッとさせてくれるんです、有名
な「カサブランカ」のシーンとか、「ある愛の詩」に辟易してたR・オニール
の自虐ネタとか(でも、あの台詞は当時の人間なら誰でも知ってた超臭
い台詞だけど、今の人は知らないだろうな)。
僕、コメディは脇を固める人達が上手いのが必須条件だと思ってるの
ですが、「ファール・プレイ」にダドリー・ムーアが居るように、この作品も
脇を固めるマデリン・カーン他、皆が達者、そのアンサンブルが見事で申
し分ない、そのお蔭で作品を上質なものにしています。
淀川長治さんが「スラプスティック・コメディはサイレントだから成立する
もので、音が入るトーキーの時代では無理」と仰って、この「おかしな~」
も余り評価していないんですね、確かに純粋なスラプスティックは淀川さ
んの仰るようにトーキーでは成立しないのかなとも思います、が、僕は、こ
の作品、充分、健闘してると思っています。
※バーブラ演じるジュディの性格が凄まじいのは、元ネタの一つ、1938年
の「赤ちゃん教育」のスーザン(K・へップバーン)と同じにしたからなん
ですね、最近、やっと「赤ちゃん教育」を見て納得しました。(汗)
こちらこそ、コメントありがとうございます。
ララビー邸に全員が揃ってから海に突っ込むまで、怒涛の爆笑シーンが続きますよね、素晴らしいアイデアの連続でした。
痕跡を永遠に保存>へえ、そうなんだ!スターの手形みたい。(笑)
タイムボカンというか「ヤッターマン」の原型「グレート・レース」と一緒に借りてきたのですが、笑いのスピードが全然違う。
「グレート・レース」→「おかしなおかしな大追跡」の順に見れば両方笑えるんだけど、逆だと、多分、駄目ですね。(「グレート・レース」も好きですよ)
僕は高1の時、「ベン・ハー」を見に行きました。
あんな長い映画(洋画を原語で観るのも)初めてで、おまけに館内が暑くて、終わりの方で気持ち悪くなりました。
旧テアトル東京は一番好きだった映画館なんですけど、暫くの間、鬼門に感じてしまったくらいです。
「ベン・ハー」も6年後、見直す時は緊張しました。(笑)
いつもコメントありがとうございます。
以前のブログでこの映画の思い出なんかも描いているので、お暇な時にでも見に行って下さい。
この映画のカーチェイスで公園の階段を下りて行くシーンで、石の怪談に付けられた傷跡は今もあって、永遠に保存して行くそうです。
http://rockaria.blog71.fc2.com/blog-entry-650.html
機会があれば、そちらも見てみるのも良いと思います。
と書きながら、僕も見たのは今年なんですが。(笑)
マデリン・カーンが演じたユーニスが凄いと思います。(デビュー作なんですよね)
バーブラ>「ファニー・ガール」は僕も好きです、でも「追憶」は・・・。
何か、不公平じゃないかと思うくらいの才能の持ち主ですよね、その点は、僕も非常に尊敬しています。
DVDの特典に、パロディ部分の解説が付いてます。
僕が借りたのは、何故かバーブラの解説に日本語が付いてなかった。
ボグダノビッチの方は、興醒めするほど長々と解説してくれてました。(長いんで途中で止めた)
当時はきっと映画ネタなんて全然気付けなかっただろうし、再見したい作品です。
バーブラって「ファニー・ガール」の人ですよね?
わたしはけっこう好きですよ(G・ホーンも好きですけど)。コンプレックスを抱えつつも、頑張って成功して。多くの”普通の女性たち”の共感を得たのも頷けます。
>黒澤組でバイト>そんな恐ろしい事、してません!(笑)
あはは、早とちりしてしまいましたね。すみません。でも、黒澤組の何人かでも、知り合って話を聞けたというだけでも凄いです。
その思い出を大事にしてくださいね~。