昔観て、面白いと記録してあった映画を、2本続けて見直してみました。
「サイレント・ムービー」と「ダウンタウン物語」です。
まず最初に見た「サイレント・ムービー」、これが、全然面白くない。(笑)
何で、これに高い評価を与えていたのか、当時の空気に釣られたんで
しょうかね、全く理解出来ません(1年前、「ヤング・フランケンシュタイン」
を見直した時も、それ程、面白くなかった前科アリ)。
そして、もう1本が。
「ダウンタウン物語」(原題「Bagsy Malone」 1976年・英)
監督アラン・パーカー 出演スコット・バイオ、フローリー・ダガー、ジ
ョディ・フォスター 音楽ポール・ウィリアムス、ロジャー・ケラウェイ
こちらは、今、見ても断然面白いと言うか、昔、観た時よりも面白かった。
1920年代の禁酒法の時代、ニューヨークの暗黒街を舞台にファット・
サム一派と新興のダンディ・ダン一派が縄張りを争い、それに巻き込まれ
たチンピラ男とハリウッド女優を夢見る女。
まるでJ・キャグニーかH・ボカートが出てくるような雰囲気なんですが、
そんな雰囲気の中、出てくるのは平均年齢13歳位の子供ばかり(※)、お
まけにミュージカル仕立て。
今回、昔、観た時より良く感じた原因の一つは、このミュージカル・ナン
バーにあると思います。
ジャズ系の曲なんですが、どれもハズレが無く完成度が高い。
1.バグジー・マローン
「Bagsy Malone」
2.太っちょサムの満塁亭(もぐり酒場)
「Fat Sam‘s Grand Slam」(「Speak Easy」)
3.明日を夢見て
「Tomorrow」
4.悪人ども
「Bad Gays」
5.アイム・フィーリング・ファイン
「I‘m Feeling Fine」
6.私の名前はタルーラ
「My Name Is Tallulah」
7.未来のチャンピオン・ボクサー
「So You Wanna Be a Boxer?」
8.愚かな私
「Ordinary Fool」
9.貧民救済所の新米ギャング
「Dawn And Out」
10.友情はいいもんだ(「Bad Gays」と同じメロディ)
「You Give a Little Love」
「Ordinary Fool」はスタンダードにまでなってるようですが、僕は今の
所、「Fat Sam‘s Grand Slam」、「Tomorrow」、「My Name Is
Tallulah」がお気に入り。
僕、1970年代はミュージカル不毛の時代だと思ってたのですが、良い
作品を発見した気分です。
この映画が子供達の「学芸会」にならなかったのは、キャスト・スタッフ
全員が真面目に正攻法で作ってるからだと思います。
子供達は真剣に大人のフリをして演じてるし、スタッフも役者が「子供」
という感じを微塵も感じさせない。
立派なセットは子供達の背丈に合わせて作ってあるし、服は勿論、帽
子も子供に合うように作ってる、そこに素晴らしい音楽、達者な演技、決
して奇をてらわない演出(ネタで充分、奇をてらってますけど)、そこが一
級の作品と呼べる原因になってるんだと思います。
初見の時、率直に感じた「向こうの子役達はトンデモナク達者だ」とい
うのは、今回も再認識しました。
バック・ダンサー達のチャールストン風の踊り、一部振りがズレたりラ
インが乱れたりしますけど、凄い出来です。
「Tomorrow」で女の子がソロで踊るシーンも、流れるような滑らかさ
が本当に秀逸。
この映画の子供達って、殆んど皆、無名なんですよね。
そんな、無名の子供達に混じって、一人だけビッグ・ネームが居ます。
ジョディ・フォスター。
彼女が「タクシー・ドライバー」の次に選んだ仕事が、この作品。役は暗
黒街のボス「ファット・サム(太っちょサム)」の愛人で、酒場の歌姫。
クランク・インした時は、まだ13歳だったとか・・・。
でもジョディ、ビック・ネームなのに、この作品のクレジットは3番目、主
役じゃありません。
主役じゃないんだけど、ジョディが出てくると他を圧倒してしまう存在感
(笑)。
特に彼女の一番の見せ場、「My Name Is Tallulah」を歌う(吹き
替え)シーンの妖艶さと貫禄は圧巻で、一見の価値有りです。
そう言えば、クライマックスのシーンで「決め台詞」を言ったのも彼女で
した。
顔をクリームだらけにしながら、カメラを見下ろし一言、
「So、This is show business」
そんなジョディに、かろうじて対抗できてたのはサム役のJ・カッシージ
くらいかもしれません。
ヒロイン、ブラウジー・ブラウンを演じたF・ダガーは、ジョディのコーラス
という設定上の不利も有って、二人並ぶと、どっちが主役か解らない、少
し可哀そうでした。
でも、F・ダガー、決して下手な演技はしてません、上手いですよ、只、目
立つ順番が2番か3番目になっちゃっただけなんです。
そんなF・ダガーより、尚、影が薄かったのが主役バグジー・マローン役
のS・バイオ、C・ゲーブルの線を狙ったのかもしれませんが、ちょっと線
が細い感じが否めませんでした。(後半は良くなってます)
歌あり、恋あり、笑いあり、おまけにドンパチまで有ってサービス精神に
満ち溢れてる作品、一級の娯楽作品です。
A・ヘップバーンの「ローマの休日」と同じく、誰が見ても楽しめると思い
ます。
(※)この作品の子供達の年齢については、幾つかの説があります。
・平均年齢12歳説
・平均年齢13歳説
・最高年齢13歳説(ジョディは撮影期間中に14歳を迎えた)、等々。
僕が見た印象では「平均年齢13歳」説を採ります。
・子供時代の男は、女に絶対勝てませんね。
「女の子」は化粧と衣装で5才は上へ行くんだけど、男は、どう足掻いて
も、ていのイイ「七五三」ですもん。
☆ミュージカル・ナンバーを幾つか。
・「Fat Sam‘s Grand Slam」(「Speak Easy」)
http://www.youtube.com/watch?v=hNfB58oBjA0
・「Tomorrow」
http://www.youtube.com/watch?v=tc8JnQjSCjQ&feature=related
・「My Name Is Tallulah」
(♪天国に居るより気持ちよくしてあげる ノース・カロライナで磨いたテクよ♪だと)
http://www.youtube.com/watch?v=_tKdAu7Fnao&feature=related
「サイレント・ムービー」と「ダウンタウン物語」です。
まず最初に見た「サイレント・ムービー」、これが、全然面白くない。(笑)
何で、これに高い評価を与えていたのか、当時の空気に釣られたんで
しょうかね、全く理解出来ません(1年前、「ヤング・フランケンシュタイン」
を見直した時も、それ程、面白くなかった前科アリ)。
そして、もう1本が。
「ダウンタウン物語」(原題「Bagsy Malone」 1976年・英)
監督アラン・パーカー 出演スコット・バイオ、フローリー・ダガー、ジ
ョディ・フォスター 音楽ポール・ウィリアムス、ロジャー・ケラウェイ
こちらは、今、見ても断然面白いと言うか、昔、観た時よりも面白かった。
1920年代の禁酒法の時代、ニューヨークの暗黒街を舞台にファット・
サム一派と新興のダンディ・ダン一派が縄張りを争い、それに巻き込まれ
たチンピラ男とハリウッド女優を夢見る女。
まるでJ・キャグニーかH・ボカートが出てくるような雰囲気なんですが、
そんな雰囲気の中、出てくるのは平均年齢13歳位の子供ばかり(※)、お
まけにミュージカル仕立て。
今回、昔、観た時より良く感じた原因の一つは、このミュージカル・ナン
バーにあると思います。
ジャズ系の曲なんですが、どれもハズレが無く完成度が高い。
1.バグジー・マローン
「Bagsy Malone」
2.太っちょサムの満塁亭(もぐり酒場)
「Fat Sam‘s Grand Slam」(「Speak Easy」)
3.明日を夢見て
「Tomorrow」
4.悪人ども
「Bad Gays」
5.アイム・フィーリング・ファイン
「I‘m Feeling Fine」
6.私の名前はタルーラ
「My Name Is Tallulah」
7.未来のチャンピオン・ボクサー
「So You Wanna Be a Boxer?」
8.愚かな私
「Ordinary Fool」
9.貧民救済所の新米ギャング
「Dawn And Out」
10.友情はいいもんだ(「Bad Gays」と同じメロディ)
「You Give a Little Love」
「Ordinary Fool」はスタンダードにまでなってるようですが、僕は今の
所、「Fat Sam‘s Grand Slam」、「Tomorrow」、「My Name Is
Tallulah」がお気に入り。
僕、1970年代はミュージカル不毛の時代だと思ってたのですが、良い
作品を発見した気分です。
この映画が子供達の「学芸会」にならなかったのは、キャスト・スタッフ
全員が真面目に正攻法で作ってるからだと思います。
子供達は真剣に大人のフリをして演じてるし、スタッフも役者が「子供」
という感じを微塵も感じさせない。
立派なセットは子供達の背丈に合わせて作ってあるし、服は勿論、帽
子も子供に合うように作ってる、そこに素晴らしい音楽、達者な演技、決
して奇をてらわない演出(ネタで充分、奇をてらってますけど)、そこが一
級の作品と呼べる原因になってるんだと思います。
初見の時、率直に感じた「向こうの子役達はトンデモナク達者だ」とい
うのは、今回も再認識しました。
バック・ダンサー達のチャールストン風の踊り、一部振りがズレたりラ
インが乱れたりしますけど、凄い出来です。
「Tomorrow」で女の子がソロで踊るシーンも、流れるような滑らかさ
が本当に秀逸。
この映画の子供達って、殆んど皆、無名なんですよね。
そんな、無名の子供達に混じって、一人だけビッグ・ネームが居ます。
ジョディ・フォスター。
彼女が「タクシー・ドライバー」の次に選んだ仕事が、この作品。役は暗
黒街のボス「ファット・サム(太っちょサム)」の愛人で、酒場の歌姫。
クランク・インした時は、まだ13歳だったとか・・・。
でもジョディ、ビック・ネームなのに、この作品のクレジットは3番目、主
役じゃありません。
主役じゃないんだけど、ジョディが出てくると他を圧倒してしまう存在感
(笑)。
特に彼女の一番の見せ場、「My Name Is Tallulah」を歌う(吹き
替え)シーンの妖艶さと貫禄は圧巻で、一見の価値有りです。
そう言えば、クライマックスのシーンで「決め台詞」を言ったのも彼女で
した。
顔をクリームだらけにしながら、カメラを見下ろし一言、
「So、This is show business」
そんなジョディに、かろうじて対抗できてたのはサム役のJ・カッシージ
くらいかもしれません。
ヒロイン、ブラウジー・ブラウンを演じたF・ダガーは、ジョディのコーラス
という設定上の不利も有って、二人並ぶと、どっちが主役か解らない、少
し可哀そうでした。
でも、F・ダガー、決して下手な演技はしてません、上手いですよ、只、目
立つ順番が2番か3番目になっちゃっただけなんです。
そんなF・ダガーより、尚、影が薄かったのが主役バグジー・マローン役
のS・バイオ、C・ゲーブルの線を狙ったのかもしれませんが、ちょっと線
が細い感じが否めませんでした。(後半は良くなってます)
歌あり、恋あり、笑いあり、おまけにドンパチまで有ってサービス精神に
満ち溢れてる作品、一級の娯楽作品です。
A・ヘップバーンの「ローマの休日」と同じく、誰が見ても楽しめると思い
ます。
(※)この作品の子供達の年齢については、幾つかの説があります。
・平均年齢12歳説
・平均年齢13歳説
・最高年齢13歳説(ジョディは撮影期間中に14歳を迎えた)、等々。
僕が見た印象では「平均年齢13歳」説を採ります。
・子供時代の男は、女に絶対勝てませんね。
「女の子」は化粧と衣装で5才は上へ行くんだけど、男は、どう足掻いて
も、ていのイイ「七五三」ですもん。
☆ミュージカル・ナンバーを幾つか。
・「Fat Sam‘s Grand Slam」(「Speak Easy」)
http://www.youtube.com/watch?v=hNfB58oBjA0
・「Tomorrow」
http://www.youtube.com/watch?v=tc8JnQjSCjQ&feature=related
・「My Name Is Tallulah」
(♪天国に居るより気持ちよくしてあげる ノース・カロライナで磨いたテクよ♪だと)
http://www.youtube.com/watch?v=_tKdAu7Fnao&feature=related