上の写真は、この夏を北海道で過ごした友人から、お土産にといただいたお酒。
6日の北海道地震で棚から落ちたのだが、ビンが割れなかった一本とのこと。
「ラッキーな酒だから、飲むと幸運が舞い込むよ」
と冗談めかして言う友人は、重いのにわざわざ持ってきてくれたのだ。
よく見ると、ビンのふたの角がへこんでいる。
察するに落ちたとき、硬い床に頭から落ちたのだろう。
腹から落ちていれば、ひとたまりもなく割れてしまったにちがいない。
ところで、この割れるのをまぬかれた酒を見て、わたしはある方に教えてもらった一つの言葉を思い出した。
「揺るるばってん、沈まんばい」
という言葉だ。「揺れるけど沈まないぞ」という意味である。
佐賀出身のその方は、ヨットにも乗るので、‘ヨット乗り’ の間でいわれている言葉かもしれない。
「人生にも大波・小波、大風・小風はあるけど、帆と舵を上手く操って(工夫をこらして)、決してあきらめずに乗り切っていけ」
という意味が込められているとのことだった。
わたしはこの割れなかった酒瓶を見て、こんなこじつけをしてみたくなった。
「落ちるばってん、割れんばい」(落ちても割れないぞ)と。
人生にはいうまでもなく、さまざまな避けがたい不運や不幸が訪れるものだ。不慮の事故だってある。それを前もって気に病んでいても始まらない。
イザというときにはこのビンのように、むしろ頭から飛び込んでいきたいものだ。
2018.9.22