興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

冬の荒海を越えて

2011-01-30 | 季節の移ろい

わが家の庭のえさ台にやってきたヒヨドリです。

スズメやメジロをけちらしてえさ台に下りてくる、ガキ大将のような鳥なので、あまり好きではなかったのですが、1月9日のNHKテレビ「ダーウィンがきた」を見て、考え方を変えました。

「ダーウィンがきた」のその回は、「大追跡! ヒヨドリ津軽海峡越え」でした。
冬に向かって北海道から本州に、二千羽以上の群れを組み、津軽海峡の荒波を渡ってくるヒヨドリたちの姿を追っていました。

それは、仲間と力を合わせ、知恵を働かせ、天敵ハヤブサの攻撃をかわしながらの命がけの旅だったのです。
ヒヨドリに対するわたしの印象はガラリと変わりました。

津軽海峡越えのヒヨドリの中には、長野県辺りにまで行くのもいるということですから、埼玉のわが家に来たこのヒヨドリも、そのうちの一羽かもしれません。

「ヒヨドリさま、ようこそここへ・・・」


北海道の冬の漬け物

2011-01-23 | 美酒・美味探訪

北海道から、今年も美味しい漬物が届きました。

義姉手作りの 「大根の玄米漬け」(上) 「にしん漬け」(下)


大根の玄米漬けは、大根にシットリしたうるおいがあり、ポリポリかじるとジュワッと甘みが広がります。

にしん漬けは、大根、キャベツ、ニンジンなどの野菜がたっぷり。 麹の醗酵した酸味とニシンの旨みがこたえられません。


真冬の北海道に生まれる極上漬け物二品。 温めた酒とともに味わっています。




アクセントが違うのでは?

2011-01-15 | 言葉ウォッチング

                                                     (写真は神保町「ランチョン」の生ビール。 本記事と関係ありません)

テレビでニュースを聞いていると、時々、アナウンサーのアクセントが 「ちょっと違うのでは?」 と思うことがあります。
アナウンサーといえば話し方のプロですから 「間違い」 ではないのでしょうが、わたしには少し違和感のあるものです。

例えば、 「政治資金規正法違反の罪」 を 「政治資金規正法、 違反の罪」  と言うのがそれです。
これは 「‘政治資金規正法違反’ の罪」  と言うべきなのではないでしょうか。

つまり、が 「政治資金規正法違反」 という言葉の後に 「の罪」 を付け加えているのに対して、は 「政治資金規正法」 という単語と 「違反の罪」 という単語を単に並列させているだけです。

少しわかりにくいかもしれませんが、具体的なアクセントとしていうと、 「違反」 という単語に違いが出ます。
は、 「はん」 の 「」 にアクセントがあるのに対して、は 「いはん」 の 「はん」 にアクセントがあます。

これは民放のアナウンサーだけでなく、NHKのアナウンサーも含めて、おしなべて で発音しているように思います。


そういう問題意識でニュースを聞いていると、このような例が次々と耳に入ってきます。

「‘大手デパート’ では~」 を
「大手、 デパートでは~」 と、

「‘好評発売中’ です」 を
「好評、 発売中です」 と、

「‘南北対話’ を目指す」② を
「南北、 対話を目指す」① と・・・。
(この例でいうと、①は南北、つまり韓国と北朝鮮が対話を目指しているという意味になりますが、②ではこの両国だけでなく、ほかのどの国が主語に来てもいいし、誰が主語に来てもいいわけです)

昨日のニュースでは、
胡錦濤主席の ‘アメリカ訪問’ では~」 を、
胡錦濤主席のアメリカ、 訪問では~」 と、
どこかの局のアナウンサーが言っていました。

胡錦濤主席のアメリカ”  とはいったい何だ? アメリカは胡錦濤主席の所有物か? とツッコミを入れたくなります。


以上のわたしの主張が的を射たものであるかどうか、アナウンス法やアクセントに詳しい専門家の方にでも一度お聞きしてみたいもの、と思っています。


「オレ、ほら、オレだよ」

2011-01-09 | チラッと世相観察

「よう、しばらくだねえ」
昨日昼ごろ、池袋駅東武百貨店側の地下通路で、前から歩いて来た男に声をかけられました。
知らない人です。
50は超えていると思われる年恰好の、サラリーマン風の男でした。

「ほら、オレ、佐藤だよ」
「・・・・・?」
わたしはどうしても思い出せません。

男 「オレ、痩せたからなあ、大腸患って・・・。 佐藤だよ、電気関係の」
私 「・・・・? わたしに似た誰かとお間違えではないでしょうか?」
男 「あ~あ、忘れたんだな」
男は一瞬がっかりした表情を浮かべましたが、あきらめずに続けました。
男 「ホラ、みんな居ただろ? 鈴木さんとかサ・・・。 スーさんよ」
男は親しげに ‘タメ口’ で話しかけてきます。
私 「どこか飲み屋で会ったんでしょうか」
男 「そう、いろいろ」

(・・・いろいろ? いろいろって何だろう)
一瞬疑問が頭をよぎりましたが、男は畳み掛けるように話しかけてきます。
男 「田中さんとかもいたじゃない?」
私 「・・・・・?」

わたしに一生懸命思い出させようとしているこの男に対して、わたしはなにか次第に申し訳ないような気持ちになってきました。
最近、たいへん忘れっぽくなってきているのです。

男 「ヤマちゃんもいただろ?」
私 「えっ、ヤマちゃん?」
ヤマちゃんといえば、わたしには山本という知り合いがいます。 みんなに 「ヤマちゃん」 と呼ばれています。
私 「山本さんのこと? 白兎商会の」 (名前、社名とも仮名です)
男 「そ、そ、そ、そ、そっ」
男は、やっと分かってくれたの? と言わんばかりです。

(でも、山本氏とはいろんなところによく飲みに行ったけど、そのどこかに、この男いたかなあ?)
新たな疑念もわきましたが、基本的にはその時点でわたしは、 「この男とわたしは旧知の間柄で、わたしがたまたま十分思い出していないだけだ」 という “空気” にハマッテしまったのでした。
「今日はどこに行くの?」
と聞く男に、1時に大塚で用事があり、それまで一時間ほどブラブラしている、ということまで話してしまったのです。


結論を急ぎましょう。
要するにこの男は、競馬で大当たりして、大金を得たのだそうです。
(近寄ってきて見せてくれた小ぶりのカバンの中には、二つ折にした分厚い札束が、折り山を上にして四つ、きれいに並んでいました。 万札です)

当たったのは 「競馬の先生」 に教えてもらったからで、その先生にこれから会うから、よかったらいっしょに来ないかということだったのです。

ここまでくるとさすがに、いくら ‘お人好し’ のわたしでも胡散臭さを感じないわけにはいきません。
「オレはいいよ。 春から縁起のいいことがあってよかったじゃない。 これからもがんばってネ」
とわたしもタメ口で言い残して、その場を去ったのでした。

考えてみれば、男はわたしのことを名前で呼んだわけではありません。 山本という名前もわたしのほうから言ったのです。
それに、 「佐藤」 「鈴木」 「ヤマちゃん」 といえば、誰にも思い当たる人の一人や二人はいるのではないでしょうか。
まさに新手のオレオレ詐欺と言っていいかもしれません。 しかも目の前に現れる  “対面オレオレ詐欺”。

もし欲に駆られて、わたしがその男について行ったら、どうなったのでしょう。
高い馬券を売りつけられたか、人気の無いところに連れていかれ、男の仲間も加わって脅され、ゆすられたか・・・。
怖いなあ。 (((( ;゜Д゜))))ブルブル

ともあれ男はわたしを見て、騙しやすそうな ‘ぼんやりマン’ であると思ったから近づいてきたのでしょう。 腹立つなあ・・・。

 



その後に行ったJRの大塚駅です(南口を望む)。

(この記事の文字部分だけコピーしたものを持ち、近いうち池袋駅東武側の交番に、この出来事のことを届け出ようと思っています。 広く注意を喚起してほしい


形を決めて

2011-01-04 | 季節の移ろい

武蔵野の古刹、平林寺の総門です。





 

総門前に掲げられている、平林寺の正月の教えは、

 元旦や 家庭ながらも 客言葉

やはり人は、日々流されて過ごしているだけでなく、節目節目には威儀を正し、形を決めていかなければならないのですね。

そうでなければ、新年を迎えても気持ちも改まりません。


わが家では、年末に神棚、仏壇をきれいに拭き、掃い、しめ縄を替え、榊を替えて (これらはわたしの仕事)、お正月には蝋燭、御神酒、線香等を上げ、御参りしてからお屠蘇(酒)をいただきます。

正装したり客言葉を使ったりはしませんが・・・。


初詣2011

2011-01-02 | 季節の移ろい

 明けまして おめでとうございます

 本年もよろしくお願い申し上げます。


元日のお昼ごろ、近くの氏神様に初詣に行ってきました。(写真)

手前の列は御札や御守を求める人たちの列です。

窓口にいたのは、この神社わきに住んでいるいつもの年配の宮司さんとその奥さんではなく、白装束も初々しい若い男の人と女の人でした。

ここも跡継ぎができたのかもしれません。

きっとお嬢さんがお婿さんを貰ったのでしょう。 何故って、お顔を拝見しての感想です。

まあ、ともあれ、めでたいことです。