興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

オノマトペ食レポ・キュウリのまるかじり

2024-07-20 | 随感・偶感・歳時感

菜園から穫ってきたばかりのキュウリを、味噌をつけてまるかじりした。

シャキシャキとかじりながら、この ‘食レポ’ をブログでオノマトペ(擬声語、擬態語)を多用して書いてみようと思いついた。
以下の通りである。


畑から、もいできたばかりのキュウリを、洗って真ん中でパリッと折った。
新鮮なので、クニャッとしなったりはしない。いさぎよくパキッと折れる。

折れ口の表面に水分がにじみ出て、テカテカ光っている。みずみずしさの証明である。
折れたカドもキレッキレの鋭角。これも新鮮さの表れ。

ここに味噌をたっぷりつけ、ガブリとかぶりついた。

 パリパリシャキシャキムシャムシャ
 パリパリシャキシャキムシャムシャ(くり返し)

ゆっくりよく噛んでいると、しだいに甘みが感じられてくる。

キュウリはパリパリ感とシットリ感だけが取り柄なのではない。とくに有機肥料でじっくり育てたキュウリには甘みがある。
このキュウリ本来の甘みこそ、実はキュウリの主役なのだ。主役は遅れてやってくる。

キュウリまるかじりのもう一つの魅力は、キュウリのうるおいと味噌の旨みのデュエット(二重奏)であろう。

塩味の効いた味噌のコクとキュウリのシットリ感が、ぴったり息の合ったハーモニーを奏でる。
味噌がキュウリのみずみずしさを際立たせ、キュウリは味噌の旨みをジワジワと口中に広げる。

味噌とキュウリは、それぞれに個性を発揮しながら、きっちりと相手を引き立てている。人と人との関係もこうありたいものだ。


以上が「味噌付きフレッシュキュウリ」のオノマトペ食レポである。(下線部がオノマトペ)


なぜ「オノマトペ食レポ」を書いてみたかというと、最近テレビで聞く食レポは、「めちゃめちゃ旨い」「めっちゃ美味しい」という ‘めっちゃ表現’ が全盛で、わたしはそれにちょっと反発したかったからだ。

 

 

 

   

わが家の菜園では、さまざまな野菜が大きく育ってきている。

上の写真はタケノコイモ(サトイモの一種)。背丈はもうわたしの肩のあたりまでになっている。

タケノコイモの足元にあるのはショウガ。直射日光の嫌いなショウガは、タケノコイモの葉がいい日除けになっている。(いわゆるコンパニオンプランツ)

 

 

 

   

韓国トウガラシ。穫り頃を迎えた。

 

 

 

   

手前はキュウリ、奥はナス。これもほぼわたしの背丈。

今、順次収穫中。


老舗居酒屋の流儀

2024-07-13 | 随感・偶感・歳時感

先日所用で板橋方面に行った帰り、池袋の居酒屋、「千登利」に寄ってきた。

ここはわたしが行き始めて、少なくとも30年の余は経つ店だ。といってもさほど頻繁に通っていたわけではないので、真正の馴染み客とはいいがたい。

店内は入口から奥へ15~6人がすわれる長いカウンター席があって、これがメイン。あとテーブル席が少々。

居酒屋としては大きすぎず小さすぎず、「一人飲み」の好きなわたしには、カウンターにすわれば居心地のよい店である。

上の写真はこの店の看板メニュー、牛肉豆腐 650円。

お店を入ってすぐのカウンター内にある大鍋で、いつも大ぶりの豆腐と肉を追加しつつ、ぐつぐつと煮込んでいる。
注文があると牛肉豆腐専用の楕円形の皿に盛って、その上に刻みネギをたっぷり載せ、間をおかず出してくれる。

これがあればビール1本は飲める。あと、やきとん2~3本に日本酒2合もあれば、その夕、わたしには十分である。

 

 

 

    


実は昨年、何年かぶりで訪れて驚いたのだが、ずっと長くこの店を経営してきたマスターとママさんが亡くなっていたのだ。

カウンター内の壁際に、遺影風のママさんの小さな写真がおいてあったので、店の人に聞いてみると、そう教えてくれた。
ママさんは2年ほど前に、ご主人のマスターはそのまた2年ほど前に・・。

息子さんもいるらしいが、ほかの仕事についているのか直接店には出てこない。「わたしは ‘雇われ店主’ ですよ」とその人は言っていた。


ママさんはいつもシャキッと姿勢がよく、凛とした雰囲気をただよわせていた方だった。

一度、客のおじさんが、「勘定がおかしい」とクレームをつけていたのを目撃したことがある。

この店は、出した酒の徳利もビール瓶も、牛肉豆腐の皿も、その席の客が飲み終わって帰るまで、そのままにして片付けない。

やきとんを食べたあとの串は、自分用の小さい串入れコップに入れるルールになっている。
つまり飲んだあと食べたあと(跡)が、そのまま ‘目に見える請求書’ になっているのだ。

ママさんは客のおじさんにそれをていねいに説明し、毅然として後に引かなかった。そのときのクレームおじさんは、納得するしかなかったのである。


この店の日々のルーティンとしては、ママさんは4時半の開店から7時過ぎまでいて、後に来るマスターと替わるという形だった。
店員は ‘焼き’(やきとん)担当の人と、アルバイトの学生など3名ほど。

以前、マスターに聞いたところによると、店の始まりは終戦直後だと言っていたから、今年でもう創業80年近くになる。

形は若干変わったかもしれないが、やきとんと牛肉豆腐を軸に、メニューをいたずらに増やすことなく、同じような形をずっと続けてきたのであろう。

酒の燗も ‘チン’ などせず、むかしからきちんとお湯でつけていた。このほうが酒は旨いし冷めにくい。ここもわたしの気に入っていたところ。

店員が替わっても、客を大事にする心と店の流儀は変えない。これが池袋の老舗居酒屋としての千登利の評価を固めてきたのだと思う。

いまの ‘雇われ店主’ の人も、人柄が良さそうなので、また覗いてみようと思う。

この千登利については、このブログでも何度かとり上げている。ご高覧いただければ幸いである。
Breeze in IZAKAYA - 興趣つきぬ日々 (goo.ne.jp)


できるだけ背伸びせずに

2024-07-05 | 季節の移ろい

今朝、庭のカサブランカが咲いた。わが家で毎年咲くカサブランカは、大きな白ユリだ。

美しい見栄えのする花だが、心持ち下を向いて咲くので、控えめな雰囲気をただよわせている。
背伸びしたりかっこつけたりしない、わたしの好きな花の一つだ。

白いカサブランカの花言葉は「無垢」。

「無垢」をデジタル大辞泉で引くと、「煩悩のけがれを離れて、清浄であること」という仏語の意味があった。

煩悩のかたまりであるわたしではあるが、カサブランカを見習って、せめてできるだけ背伸びせずに日々過ごしたいものだ。

 

 

 

   

南東の窓の外に鉢植したゴーヤ。

つい先日植えたばかりなのに、どんどんツルが伸びて、二階のベランダ下まで届いた。
なんというたくましい生命力。

緑のカーテンとして、この夏の強い日差しを、少しはやわらげてくれることだろう。


梅干しの干し初め

2024-06-27 | 美酒・美味探訪

先日、梅雨の晴れ間に、わが家では梅干しを干した。今年の ‘干し初め’ である。

梅干しを干すには、時季がまだ早いんじゃない? 
と思われるかもしれないが、梅雨のうちに一度干しておくとカビにくくなる、というのが家内の持論。
毎年梅雨のさなか、天気予報を注意深く見ながら、晴れて暑くなりそうな日をねらって、干してきた。

家内は梅一つ一つを漬け樽から取り出し、ザルに並べていく。やわらかい皮が破れないようにゆっくり、ていねいに扱わねばならない。

この日は幸い強い日照りの日だった。5時間ほど太陽にあて、また樽の梅酢のなかに一つ一つ慎重にもどした。

 

 

 

     

わが家でも梅干しを本格的に干すのは、梅雨が明けてからである。

わたしが自分でやるわけではないが、梅干し作りは気を遣い、手間のかかる作業だと思う。

おかげさまで、わが家では今年も美味しい梅干しに恵まれそうだ。


小玉スイカの収穫

2024-06-19 | 季節の移ろい

おととい、わが家の菜園から小玉(こだま)スイカを1個、収穫してきた。

この時季、小玉スイカの生長は早い。三日ほど見ないとぐんと大きくなっている。

とくに雨の日のあとは、生長が早いようだ。

 

 

   

おととい穫ってきたものは、長いほうの直径が19センチ。先日スーパーで見たものよりは大きい。

わが家の小玉スイカ第1号は、「一郎(いちろう)」と名付けようか。
菜園の小玉スイカの畝には、二郎、三郎、四郎・・が控えているから。

今の時代、名付けるなら一子(いちこ)、二子、三子・・がいいかな。(でも「〇〇子」は、今の時代っぽくない気もする)

 

 

   
   

つぎの日、‘一郎’ を冷やして切ってみた。

熟れているかどうか心配だったが、杞憂であった。甘くて、味もとても良い。

わが家の菜園での小玉スイカ初栽培は、大成功。「案ずるより産むが易し」デスネ。


菜園は夏収穫スタート。2024・6月

2024-06-15 | 季節の移ろい

わが家の菜園の小玉スイカが大きくなってきた。

上の写真に写っているのは、この小玉スイカの畝でいちばん大きく、直径18センチ。

そのほか大小とりまぜて、この畝に15個ほど育っている。
そろそろ食べ始めることができそうだ。

 

 


    

トマト。

これは苗屋さんで買った「こいあじ」というネーミングのトマト。
4月に苗で植えて、こんなに大きくなった。

赤くなったものを先日一つ食べたが、実際に味が濃く、美味しかった。

 

 

 

    

ナス、「筑陽」。

これも食べ始めている。タテ半分に切って、油炒めにすると最高に旨い。皮はやわらかい。

 

 


    

ピーマン、「京鈴」。
これもやわらかい。焼いても煮てもいい。


これからトマト、ナス、キュウリなど、夏野菜がどんどん穫れてくる。

 

 

 

    

今朝の収穫。

ブロッコリー、インゲンはもう終盤である。

 

 

 

     

これは二日ほど前に収穫したキャベツ。うーむ、デカい。

家に持ち帰って計ったら、3キロもあった。「初秋」と呼ばれる人気品種で、ふつうは1・3キロほどといわれているのに。
自家製のボカシ肥料(有機肥料)で育てたので、そのせいもあるのだろうか。

食べてみると、柔らかくやさしい味であった。この味は、ほぼまちがいなくボカシ肥料のおかげである。

わが家の菜園では、キャベツは春、夏、秋と、できるだけ一年を通して食べられるよう、時季をずらして植えている。


楽し嬉し懐かしの新潟旅

2024-06-05 | 散歩、時々旅

新潟に一泊で行ってきた。同窓会出席のためである。

上の写真は新潟市のシンボル、萬代橋(ばんだいばし)
ここ新潟市は、幼少期と若い頃に過ごした、わたしにとっては、特別な町、愛着のこもった町だ。

つぎの予定まで時間があったので、ひさしぶりに萬代橋を見ておこうと、新潟駅から歩いてやってきた。

石造りの風格のある橋である。






  

ゆるやかなアーチ型橋脚がつらなっていて、デザインとしても美しい。

萬代橋は、昔はもっぱら「万代橋」と書かれていたように記憶しているが、今は橋近くの案内板を見ても、すっかり「萬代橋」表記に変わってしまったようだ。
(町名や近くの施設は「万代」のまま)

新潟市としては橋の風格を旧字体に込めたい、という意図もあったのであろうか。しかしわたしの個人的な感覚としては、万代橋のほうが好きだ。

万代橋という文字の字面(じづら)自体に、わたしのさまざまな思い出も愛着もこもっているからだ。

 

 

 

   

近くの新潟日報本社ビル(メディアシップ)20階の展望台から見た萬代橋。
日本一の長江、信濃川の最下流は、たっぷりの水をたたえ、ゆったりと流れていた。

橋のむこう側の繁華街をこえた先には、日本海が見える。

雲がなければ佐渡が見えるのだが、この日は残念ながら佐渡方向の雲がとれなかった。

 

 

 

   

こちらは展望台から北側を見た景観。信濃川の河口が望める。

手前の橋は20年ほど前にできた新しい橋、柳都大橋(りゅうとおおはし)
この橋も、わたしの若い頃にはなかった。

その先、右側に立つ高層ビルは、朱鷺メッセ(見本市や会議を行うコンベンションセンター。ホテルなども入った複合施設)

 

 

 

   

ここは万代シテイバスセンター内にある立ち食いそば、うどんの店。

ここのカレーライスが美味しいことは、市外から来る観光客にも、つとに知られたところ。
わたしも食してみんとて、実は昼時をねらってやってきたのだ。

 

 

 

       

写真はミニカレー430円。

ミニカレーのほかに、中550円、大670円もあったが、食べ過ぎて夜の同期会の宴会に障ってもいけないので、ミニカレーにした。

写真のカレーのわきの黒いものは、わたしの定期券入れ。これで大きさが分かってもらえるだろうか。これでも十分食べ応えがあった。

味はかなり辛(から)いというのが第一印象。タマネギがスライスしたり刻んだりしないままたくさん入っていて、三枚肉も入っていて、甘みと旨みも広がってきた。

評判通りの美味しいカレーであった。・・満足。


同期会は新潟市から車で30分ほどの、月岡温泉のホテルで行われた。
15人ほど集まった会であったが、学生時代には話したことのなかった人とも今回ゆっくり話すことができ、楽しい、うれしい会となった。

 

 


    

翌日帰り際に、新潟駅南口の酒店、ぽんしゅ館で買った鶴の友の4合瓶。
鶴の友は昔飲んで、美味しかったという記憶がある。関東圏では手に入らない。

新潟旅の思い出を反芻しながら、味わって飲もう。


季節の便り・・初夏編

2024-06-02 | 季節の移ろい

梅干し用の梅が紀州から届いた。
毎年お願いしている梅農家さんからの南高梅だ。

この梅農家さんによると、今年は雹に打たれたりなどして、「たいへんな不作」とのこと。
わが家の分は今年の1月にお願いしていたので、なんとか送ってもらうことができた。ラッキ~!

箱を開けると、熟した梅の香りが部屋いっぱいに広がった。
今年も美味しい梅干しにありつけそう。

 

 

 

   

これはわが家の菜園から、先週収穫してきたニンニク。

晴れた日に網の籠に入れて、干しているところ。

 

 

   

このあとザルでも干して、梅雨前にヒモに吊るして家の中で干す。

ニンニクは乾燥すると保存がきくので、何か月ももつ。
しかしわが家ではさまざまな料理によく使うので、3、4か月でなくなってしまう。

 

 


   

これはわが家の庭に咲いたフリージアというバラ。

一輪、先日模様替えしたばかりのわたしの書斎に、やってきた。

わが家のフリージアは、秋にも初冬にも咲くが、初夏に咲くのがいちばん元気できれいだ。


腹肉と ‘芋肉’ と

2024-05-27 | 美酒・美味探訪

わが家の菜園では、ジャガイモの収穫が始まった。

ニンニク、キャベツなどとともに、主要野菜がこれからどんどん穫れてくる。

今年はどの野菜も概して豊作である。

ボカシという自家製の有機肥料を、今年から畑に入れているので、そのせいかもしれない。

上の写真のジャガイモは、アンデスレッドという品種。皮が赤いのが特徴で、ほくほくして甘みがある。

 

 

 


   

昨夕、さっそくポテトサラダに。ポテサラはわたしの大好物。

中に入っているニンジンもグリンピースも、わが家の菜園で穫れたもの。
ハムも自家製。

旨いのなんのって、ほかにもおかずがあったのに、しこたま食べてしまった。

 

 

 

    

今朝、体重を量ると、1日で1.1キロの増。
日頃ダイエットを心がけ、食べ過ぎないように気をつけているのに、台無しである。

きょうの夕飯は肉じゃがとのこと。芋食には抗しがたい誘惑がある。
たまにならいいが、毎日続くと確実に腹肉に ‘芋肉’ が加わる。

 

 

 

   

菜園では、小玉スイカが着実に大きくなっている。今、直径 6~7センチ。


雨の朝

2024-05-20 | 季節の移ろい

きょうも雨の朝となった。
このところ雨の日が多い。これを走り梅雨というのだろうか。

きょうは二十四節気の一つ、「小満(しょうまん)」だそうだ。

角川の「俳句歳時記 第四版」によると、小満とは「万物しだいに長じて満つるの意」とある。

なるほど、わが家の菜園の野菜たちも今、しだいに「長じ」つつあり、「満つる」日も間近である。(もう満ちているのもある)

雨はうっとうしいが、水は野菜たちの成長にはなくてはならないものなのだ。

上の写真はわが家のアジサイ(アナベル)
咲き切ると花の色は白くなりキレイだが、薄緑色の小さい花も葉もなかなかいい。しっとり雨に濡れているところがアジサイらしい。

 

 

 

     

サボテンの花も今朝咲いた。こちらも薄いピンク色がとてもキレイである。

せっかく咲いたのに、雨の日は蜂も蝶もこないかもしれない。
サボテンの花は一日でしぼんでしまうのに・・。