興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

2025 わたしの今年の漢字は「寛」

2025-01-14 | 随感・偶感・歳時感

「わたしの今年の漢字一字」2025年は、「寛」で行こうと思う。

寛容の寛、寛大の寛である。

辞書で寛を引くと、「ひろびろとしてゆとりがある。くつろぐ。ゆるす」などの意味がある。(岩波国語辞典)

音読みでは「かん」、訓読みでは「くつろぐ」と読む。

人は年を取ると、とかく頑なになりがちである。
人の話はよく聞かず、自分の話ばかりする。自分には甘く、人の過ちはすぐ咎め立てする。
正直なところ、わたしもそうなってきていると感じないでもない。

したがって他人には「寛」に、自分には「厳」に、と言いたいところだが、老いては自分にも「寛」でいいではないか、とも思う。

実際、自分にゆとりがないと、他人にも寛容になれないような気がする。

この一年、自分をゆるし、ゆとりを持って、大いに寛ぐ(くつろぐ)ことにしよう。

*上の写真はわが家の庭に咲いたムルチコーレ。(撮影2022年3月)


初詣2025

2025-01-05 | 季節の移ろい

  明けまして おめでとうございます
   本年も よろしくお願い申し上げます


2日の午前、近くの氏神様に初詣に行ってきた。わが家の年初恒例の行事である。

今年も家族皆の健康を祈願し、御札を買い、おみくじを引いてきた。

 

 


     

おみくじはめずらしく大吉であった。

去年は末吉だったので、大幅にランクアップである。

といっても末吉の去年はまずまずの一年であったし、今年もまずまずであればいいな、と思わないでもない。

でもそれを言っては身も蓋もないので、今年は縁起がいいことを信じて、明るい気持ちで過ごそう。(宝くじでも買おうかな)


この冬も美味しいハムができた

2024-12-24 | 美酒・美味探訪

今年も自家製のハムを作った。

上の写真は、庭で燻煙をしているところ。

ハム作りはたいへん手間がかかり、肉を買ってからこの燻煙にいたるまで、一週間を要する。

詳しい説明は省くが、豚肉をブロック(かたまり)で入手し、余分な脂身を落として形をととのえ、細部の微細な血まできれいに取りのぞく。

そこに塩、砂糖、胡椒などをすり込み、力を入れて揉みこむ。

それをチャック(ジッパー)付きのビニール袋に小分けして入れ、冷蔵庫で一週間寝かせる。熟成させるためだ。

熟成期間中は毎日一回、肉から水分のにじみ出てきた袋の ‘天地返し’ をし、肉に味がまんべんなく行きわたるようにする。
この熟成過程があってこそ、ハムは美味しくなる。

一週間後、冷蔵庫から出した肉を、3~4時間流水にさらし、余分な塩分を抜く。そして金網ザルにとり乾燥させる。

肉が乾燥したら、晒(麻布)に巻き、その上から軍手をはめた手で、タコ糸をキリリと巻き、しばる。

ここでようやく、冒頭の燻煙工程に入るというわけだ。

ハム作りは家内がやっているのだが、肉の揉みこみ、タコ糸の巻き締めは、わたしがやっている。(わたしも関与しているのだ!)

 


   

燻煙器の中をのぞいてみよう。

燻煙時間は約4時間。時間をかけ肉の奥にまで薫香がしみ込むほど、香り高いハムになる。

燻煙が終わると、大鍋の70度ほどの温度の湯で、2時間ボイルする。

湯を沸騰させてしまっては、燻煙の香りも風味も吹き飛んでしまうから、この間は鍋横に付きっきりで温度計とにらめっこ。

しかるのちに冷水で30分引き締め、軒先に吊るし、乾燥させてハムは出来上がり。

 



   

今年も美味しいハムになった。

出来たてのハムは香りも高く、味も良いが、そのままだと長もちしない。
そこで、薄切りにしたハムを5~6枚ずつビニールの袋に入れ、真空パック・冷凍保存する。
これで3~4か月、味は変わらない。

 



   

さっそく出来たてハムを、サンドイッチに。
パンも家内の手作り。レタスはわが家の菜園で育てた穫りたて。

燻香の濃い厚切りハムに、たっぷりのシャキシャキ新鮮レタス。
辛子バターとマヨネーズが効いた、手作りならではのフレッシュ & ワイルド美味サンドである。

えっ、ハムが見えないって?

 

 

 

   

安心してください。はいってます。


料理にもお風呂にも・・柚子の恵み

2024-12-12 | 美酒・美味探訪

庭の柚子を収穫。

わが家の柚子は本柚子ではなく、やや小さめのハナユ(花柚)
本柚子より香りと酸味はやや控えめだが、香りが上品で料理の香り付けにはいい。

水で洗うときれいな黄色に。今年は虫も病気もない、きれいな柚子に育った。

 

 

 

   

今年は木が大きくなり過ぎないように、昨秋木の上部を伐ったので、多くは穫れなかったが、それでも100個は優に生った。

毎年楽しみにしている人もいて、すぐになくなってしまう。

 

 

   

銀むつのムニエルにも、たっぷりしぼるとさらに美味しくなる。

しぼった残りはお風呂に入れる。きょうのように冷えた日にはこれがいちばん。

冬至を待たずとも、温かい柚子湯にゆっくりつかろう。
体を芯から温める習慣は、免疫力を高め、健康を作るという。


ぬめり感よりホクホク感

2024-12-04 | 菜園の四季

畝からの収穫後、菜園わきに埋めて保存しておいたタケノコイモ(サトイモの一種)を、一部引き上げてきた。

埋めて3週間ほどになるので、適度に収穫後の熟成をしたのではと思う。

 

 


      

   
1~2本切ってみると、少し黒い筋が入っていた。

その原因は分からないが、今年は根腐れしていたものもあったので、収穫するのが少し遅すぎたのかもしれない。

でも今年のタケノコイモは、夏から秋にかけて、畝で大きく大きく育ってきた。

茎や葉が去年と比較にならないほど大きくなったし、穫れた芋もずっと大きい。

 

 

 

   

タケノコイモの煮物。
飛魚(あご)出汁を入れて煮てみた。

黒い筋も味にはとくに影響がなかったようで、たいへん美味しい。

タケノコイモは普通のサトイモよりさっぱりしていて、ぬめり感よりホクホク感が強い。
鶏肉やほかの野菜など、どんな具材とも相性がいいと思う。

「天高く馬肥ゆる秋」である。


皇帝の名を冠した花

2024-11-25 | 季節の移ろい

本ブログで一年前に記事としてアップした皇帝ダリアを、今年も見に行ってきた。

今年も去年に劣らず見事に咲いていた。大きいものは、高さが5メートルは優にありそうである。







    

デジタル大辞泉によると、「皇帝」とは「天子または国王の尊称」とある。
また「『皇』は美しくて大であること、『帝』は徳が天に合する」という説明もあった。

「合する(がっする)」という言葉は初めて知ったが、徳が天に合するとは「天に恥じないすぐれた品性と風格を持つ」というくらいの意味であろう。

なるほどこの花にふさわしい名前である。

わたしなどさしずめ「後亭(こうてい)(尻に敷かれて目立たない亭主<わたしの造語>といったところであろうか。


デカ白菜がやってきた

2024-11-24 | 菜園の四季

菜園に5日ぶりに行くと、白菜がこんなに大きくなっていた。
まるまると太って、結構、結構。

重さはなんと5・7キロ。
重さを計るため、抱えて体重計に乗るのもたいへんだった。(あとでわたしだけの体重を引く)

写真の野菜は白菜から時計回りに、チンゲン菜、ホウレンソウ、キャベツ(虫食い部分をカットしています)、ブロッコリー、九条ネギ。

これから鍋と漬物が増えそうだ。


タケノコイモを収穫

2024-11-16 | 菜園の四季

わが家の菜園に、タケノコイモの収穫に行ってきた。

先日試しにひと株だけを掘ってみたら、親芋と子芋のいくつかが根腐れしていたので、気になりながら・・。

まず茎と葉を切り取り(上の写真)、根のわきの左右の土を深く掘っていく。
根がグラつくまで掘り進んだら、シャベルを根の下に突っ込み、テコの原理を使って、親芋、子芋ともども、根全体をグイと持ち上げる。

プチプチプチと、地中に残っていた細い根が切れる音がする。

こうして根こそぎ収穫。

 

 

 

   

収獲したタケノコイモ。
見ると、この日収穫したものには、ほぼ根腐れは無いようだった。よかった、よかった。

親芋の大きいのは長さが40センチほどもある。今年は去年より全体に大きく、たくさん育った。成功である。

親芋、子芋それぞれに、根と茎の一部をつけたまま収穫。

 

 

   

先日掘った穴に、根の付いたほうを上に、茎の付いたほうを下にして埋める。
生っていたときと上下逆にする。どうしてこうするのか分からないが・・。

このほうが収穫後の熟成が進むのかもしれない。

オレンジ色の袋に入っているのは、小さい子芋。来年用の種イモにする。


わが家の菜園、今年のタケノコイモは?

2024-11-10 | 菜園の四季

菜園のわきに穴を掘ってきた。

近ぢか収穫予定のタケノコイモ(里芋の一種)を、収穫後に埋めておくための穴だ。

去年も同じように穴を掘り、収穫したタケノコイモを三週間ほど埋(い)けておいた。
こうすることにより、タケノコイモを地中でさらに追熟させる意味もあり、保存の意味もある。(一度に食べられないので)

 

 

 

   

これが今年のタケノコイモ。

背丈も葉も大きくなり、去年より順調に育ってきた。

 

 

 

   

さぞ大きなイモができているだろうと、菜園管理者の家内は待ちきれず、一株掘ってみた。
すると、なんと、残念なことに親芋と子芋の一部が、根腐れしているではないか。

楽しみに育ててきたのに、がっかりである。

これから収穫するほかの株は、はたしてどうなのか。12月初めに収穫する予定だったが、来週にも残りを収穫してしまうようだ。

 

 

   

菜園から収穫してきたキャベツ、チンゲン菜、水菜。

こちらはきれいに育っている。


美酒と美堂:福島の旅2024後編

2024-11-01 | 散歩、時々旅

男性4人での福島・一泊車旅。今回はいわき市、小野町、平田村の辺りを旅した。

前編に続き、この後編では宿泊した小野町「小町温泉 太田屋旅館」からご紹介したい。

上の写真は到着日の太田屋旅館夕食。

料理のメインは、豚肉、野菜、豆腐などがたっぷり入ったチゲ鍋。

写真には写ってないが、手元の料理にプラスして、作り立てのカレイの煮つけとカボチャの煮物が、あとで運ばれてきた。温かいうちに食べてほしいという配慮なのであろう。

ケースに入ったビールの左にあるのは、女将からのプレゼントの酒。
昨年に続き、再び訪れてくれたお礼に、とのことだった。

 

 

 

     

それは福島県天栄村・松崎酒造の「純米吟醸 廣戸川 銀牡丹」。

酒に詳しい同行者によると、松崎酒造は美酒 “廣戸川(ひろとがわ)” で全国に名をはせた蔵だという。

呑兵衛で酒には詳しいと自負しているわたしではあるが、廣戸川は寡聞にして知らなかった。

その廣戸川のなかでもいちばん高価な「銀牡丹」を、女将はさりげなく準備してくれていたのだ。

飲んでみると、素直でやわらかく、クセのないたいへん美味しい酒であった。

 

 

 

   

翌日の朝食。

玉子と納豆に塩鮭、漬物。定番の朝ご飯である。

前夜飲み過ぎ、食べ過ぎたのに意外に空腹感があり、ご飯もおかわりして美味しくいただいた。




 

 

   
  

宿をゆっくり発ち、一泊旅の二日目、最初に行ったのは夏井川渓谷。

夏井川は福島県の南東部を流れる二級河川。
中流部に上の写真のような岩場の渓谷が長く続いている。紅葉時期など山と川の織りなす美しい景観を求めて、たくさんの人が訪れるという。

今回のわれわれの旅では、紅葉の盛りにはまだ少し早かった。

 

 

 

   

このあと訪れたのはいわき市小川町の、草野心平記念文学館と草野心平生家。
上の写真は草野心平生家。

文学館では、心平の詩の代表作いくつかをパネル展示するとともに、心平の作品世界と85年の生涯、文学者たちとの幅広い交遊関係などが表現されていた。

心平みずからが経営していた居酒屋の復元などもあり、興味深い展示内容であった。






 

 

   

昼食は同じく小川町の「蕎麦 たじま」。

手打ち・出来たての新そばは、コシがあって香りがあって、とても美味しかった。

そばは食べやすいようにという客への配慮からか、あらかじめ短めに切ってあった。
そばは長いのをズルズルズルと、音を立ててすするのが旨いのだ(旨えんだ)、と ‘江戸っ子’ には言われそうだが・・。




 

 

   

次に寄ったのはいわき市の「吉野谷(よしのや)鉱泉」。

古い大きな木造家屋の奥に湯船があって(上の写真)、湯は鉱泉を沸かしていた。
主人と思しき男性がいて、一人でやっているようだった

宿泊もできるということで(素泊まり)、リュウマチや神経痛などによく効くと、遠くから来る常連客もいるとのことだった。

普通の温泉宿とは一味も二味も違う、ユニークな湯場である。





 

 

   

最後に行ったのは、「願成寺(がんじょうじ) 国宝 白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)」。
平安時代後期の代表的な阿弥陀堂建築で、福島県唯一の国宝建造物である。

国宝という先入観があったからかもしれないが、何よりも建物全体のフォルムがシンプルで、非常に美しいと感じた。

屋根がゆるやかで優美な曲線を描いていること以外に、余計な飾りが一切ない。簡素な美そのものである。

   

ただ、この簡素な美、それ自体がこの白水阿弥陀堂の国宝指定の理由かどうかは、わたしには分からない。


今回も充実した福島旅であった。


写真協力:Y.T.氏

郷土への愛と誇り:福島の旅2024前編 - 興趣つきぬ日々