興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

基地と原発

2014-12-27 | 名言・佳言ピックアップ

共感した言葉、心に残った言葉を、本や雑誌などから引用する「名言・佳言ピックアップ」。
今回は、先日亡くなった菅原文太さんの言葉をとり上げます。

「日本がはっきりとドイツに劣るのは、ドイツは同じ第二次大戦の敗戦国でありながら米軍基地を激減させたこと、また、今度の福島原発の事故を受けて、きっぱりと脱原発に舵をきった。そのドイツ国民の決断力だ。この二つの点で日本はドイツにかなわない」

(雑誌「本の窓」<小学館>2011年8月号のなかの、菅原文太氏の「対談・外野の直言、在野の直観 第九回・野田正彰氏」から)

精神医学者でノンフィクション作家でもある野田正彰氏が、ドイツは戦後、戦争というものをきちんと清算し、戦争をくり返さないための教育を徹底して行っている、と話したのに対し菅原文太氏が述べた言葉です。


ほんとうにその通りと思います。なぜ日本は戦争の悲惨さを舐めた同じ敗戦国でありながら、ドイツのようにできないのでしょう。

ご存知のように菅原文太さんは、「日本は絶対、再び戦争をしてはならない」、「安全な無農薬有機農業を広めたい」と考え、みずから農業活動を実践するとともに、現在の日本の状況に対し積極的に発言してきた人です。

小学館のPR誌である「本の窓」を、わたしがこの三年ほど購読しているのは(有料です)、ここに載っている文太さんの連載対談「外野の直言、在野の直観」を読みたいがためでした。
わたしは、日本は今この時期、ほんとうに大切な人を亡くしたと思えてなりません。

菅原文太さんのご冥福を心よりお祈りいたします。

          

今回が拙ブログの今年の最終記事となります。
この一年も拙ブログにおいでいただいた皆さま、まことにありがとうございました。

来年は、実は少し考えるところもあり、もっと自分自身の身近な話題や、内面の思いを伝えることに記事の比重を移していきたいと考えております。

掲載頻度がさらに落ちるかもしれませんが、続けてまいります。どうか変わらぬご声援とご指導のほど、お願い申し上げる次第です。

皆さま、どうぞよいお年を!

*写真は飯田橋駅近辺から見た外堀。本記事と関係ありません。

http://blog.goo.ne.jp/kyusan2/e/21b72b91d0df08343f6f895e61eb80de


八重洲、居酒屋、美術館

2014-12-15 | 散歩、時々旅

東京駅八重洲口です。

近くで会合があったので、東京駅八重洲口に何年かぶりでやってきましたが、景観がすっかり変わってしまっていました。

八重洲口中央にあった大丸東京店がなくなって、周辺に高層ビルが増えました。
大丸は向かって右側のビルに入っているようです。(もうずいぶん前からだよ)

もっとも、電車で東京駅を通過しても(乗り換えても)、降りて地上に出なければ、この景観に触れることはできませんからね。

そういえば、創建当時のドーム型屋根に復元された「東京駅丸の内駅舎」も、まだ見ていません。
今度、いずれ、‘東京駅周辺散策’としゃれこもうかな。

もちろん散策の最後には、わたしの場合‘居酒屋訪問’ということになりますが、この界隈にある居酒屋など、まったく知りません。


実はむかし昔、八重洲北口を出てすぐに、「広(ひろ)」という居酒屋があって、何回か訪れたことがあります。
年配の(当時60は明らかに越えていた)ご夫婦でやっているお店でした。
刺身、煮魚をはじめ、気の利いたつまみに越乃寒梅の吟醸酒など、めったに手に入らない新潟のめずらしい酒を置いていました。

ポテトサラダがとても美味しかったので、「これ、美味しいですね」というと、奥さんが「実は生クリームを少し隠し味に入れているの」と話してくれたのを覚えています。
とても品のいい方でした。

ご主人はわたしよりかなり年上でしたが、あるとき話をしていて、わたしの郷里の高校の先輩であることが分かったのです。

ご主人はそのときから、わたしに対して‘タメ口’で話すようになりました。
わたしは客から後輩になったのです。
(もちろん親しみを感じてのこと。ちなみに、奥さんは東京生まれとのことでした)

もうその頃から20年の余も経ちます。


今回もちょっと、「広」のあった辺りを探したのですが、店はやはりありませんでした。

ご主人と奥さん、今もお元気なのでしょうか。

 

 

 



会合まで時間があったので、近くにあるブリヂストン美術館をのぞいてきました。

初めて入りましたが、ほど良い広さで、気軽に入れる、とてもいい美術館だと思いました。
ルノアール、セザンヌ、ゴッホなどの名画を、常設で見ることができます。

上の写真、美術館入口右脇に大きく引き伸ばされて飾られているのは、ルノアールの
《すわるジョルジェット・パンティエ嬢》
という絵だそうです。

名前は知らないけど、よく見る絵、そんな絵がここには多かったように思います。
館内で売っている絵はがきを、何枚か買ってきました。


黄身の味噌漬け

2014-12-11 | 美酒・美味探訪

     卵の黄身の味噌漬けです。

新鮮な生卵の ♪黄身だけを~ 味噌に漬け、冷蔵庫で2~3日保存すると、出来上がります。

黄身が直接味噌に触れないように清潔なガーゼにはさみ、こわれないようにそっと優しく味噌に埋めこむのがコツです。
(できれば生の黄身を箸でつまんでもこわれないような卵がよい)

2~3日してとり出した黄身は、トロリとした液体であったのが、クリームチーズのような軟らかさの、それでいてコシのある固体状に変わっています。
それを箸の先で少しずつ削り取り、口に含むのです。

口じゅうに広がる黄身と味噌の濃厚な香り。ねっとりとした歯ざわり、舌ざわり。控えめな塩味・・・。

そこにグイッと、お酒を流し込みます。

 

 

 

        

        この日の酒は、奄美の黒糖焼酎、「龍宮」のお湯割り。

黄身の味噌漬けは、焼酎だけでなく、日本酒にもウイスキーにも合うと思います。


庶民が意思表示できる唯一・最大のチャンス

2014-12-07 | チラッと世相観察

公孫樹の葉が黄葉し、落葉して、今年の紅葉・黄葉もいよいよ終わりです。

季節は巡り、心なしか歳末の慌ただしさが漂ってきました。

そんな中、一週間後の14日、衆議院議員選挙が行われます。
今回の選挙は、いわゆるアベノミクスの成否を問う選挙であるといわれています。

そうでしょうか。

‘アベノミクス’とは何かを、広い視野から冷静に分析し、評価を下せる人が、国民の中にいったいどれだけいるでしょう。
わたしはそういう選挙ではないと思います。

・株価高、円安が進み、だからといってそれがいったい自分にどれだけプラスになったのか。
・物価がじわじわと上がっている現状を是認するのか。
・消費税をこの上にさらに上げて(増税して)いいのか。
・所得格差の拡大をこのまま放置していいのか。
・原発の再稼働をどんどん進め、もし事故が起こったら誰が責任を負うのか。
・集団的自衛権の名のもとに、当事国でもないのに、外国の紛争地に自衛隊を送っていいのか。

が今問われている選挙です。

テレビ、新聞などのマスコミが、つねに正しいとはかぎらない。なによりもまず、自分の実感を大切にしたいものと思います。

どうせ何も変わらないから投票に行かない、忙しいから投票に行かないというのは、社会に物申すことのできる唯一・最大の権利を、みずから捨ててしまうことです。
権利を行使せず、義務と負担だけを負わされるのでは、たまったものではありません。

また、投票をしないということは、現状をそのまま肯定してしまうことを意味します。


今回は、今後の日本の方向が決まる、きわめて大切な選挙だと思います。
多くの人にぜひ投票に行ってほしい! と切に願っています。


バッハ、ガヴォット、パールマン

2014-12-06 | 時には芸術気分

バッハ、ガヴォット、パールマン・・・これはいわば、わたしにとっての“巨人、大鵬、卵焼き”(古いなあ)です。

といっても興味のない方には、何のことか分かりませんね。

念のため説明しますと、「ガヴォット」とここでいうは、バッハの作曲したヴァイオリン独奏曲。
「パールマン」とは、ヴァイオリニストのイツァーク・パールマンのことです。

上の写真のCDは、そのパールマンの演奏する「J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ(全曲)」。
ガヴォット(Gavotte en Rondo)はこの中の一曲です。

パールマンの卓越した演奏技術と自然なリズム感覚、豊麗な音色(録音も良い)は、今年わたしが買ったCDの中でも、わたしにとってのベストワンです。

音量をしぼって聞くと手元の作業のじゃまにならないので、ガヴォットだけでなく、今、BGMのように全曲をかけ流して聞いています。