共感した言葉、心に残った言葉を、本や雑誌などから引用する「名言・佳言ピックアップ」。
今回は、先日亡くなった菅原文太さんの言葉をとり上げます。
「日本がはっきりとドイツに劣るのは、ドイツは同じ第二次大戦の敗戦国でありながら米軍基地を激減させたこと、また、今度の福島原発の事故を受けて、きっぱりと脱原発に舵をきった。そのドイツ国民の決断力だ。この二つの点で日本はドイツにかなわない」
(雑誌「本の窓」<小学館>2011年8月号のなかの、菅原文太氏の「対談・外野の直言、在野の直観 第九回・野田正彰氏」から)
精神医学者でノンフィクション作家でもある野田正彰氏が、ドイツは戦後、戦争というものをきちんと清算し、戦争をくり返さないための教育を徹底して行っている、と話したのに対し菅原文太氏が述べた言葉です。
ほんとうにその通りと思います。なぜ日本は戦争の悲惨さを舐めた同じ敗戦国でありながら、ドイツのようにできないのでしょう。
ご存知のように菅原文太さんは、「日本は絶対、再び戦争をしてはならない」、「安全な無農薬有機農業を広めたい」と考え、みずから農業活動を実践するとともに、現在の日本の状況に対し積極的に発言してきた人です。
小学館のPR誌である「本の窓」を、わたしがこの三年ほど購読しているのは(有料です)、ここに載っている文太さんの連載対談「外野の直言、在野の直観」を読みたいがためでした。
わたしは、日本は今この時期、ほんとうに大切な人を亡くしたと思えてなりません。
菅原文太さんのご冥福を心よりお祈りいたします。
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今回が拙ブログの今年の最終記事となります。
この一年も拙ブログにおいでいただいた皆さま、まことにありがとうございました。
来年は、実は少し考えるところもあり、もっと自分自身の身近な話題や、内面の思いを伝えることに記事の比重を移していきたいと考えております。
掲載頻度がさらに落ちるかもしれませんが、続けてまいります。どうか変わらぬご声援とご指導のほど、お願い申し上げる次第です。
皆さま、どうぞよいお年を!
*写真は飯田橋駅近辺から見た外堀。本記事と関係ありません。
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