昨日24日は、永田町の憲政記念館に行ってきました。
憲政記念館で行われた「緊急鼎談 第二弾 『立憲主義の危機』はなぜ起きるのか」を聞くためです。
(上の写真は、憲政記念館の入り口から見た国会議事堂です)
緊急鼎談の登壇者は以下の通り。
樋口陽一(ひぐち よういち)氏 憲法学者 東京大学・東北大学名誉教授
小路田泰直(こじた やすなお)氏 歴史学者 奈良女子大学文学部教授
小沢一郎(おざわ いちろう)氏 政治家 衆議院議員
住友陽文(すみとも あきふみ)氏 歴史学者 大阪市立大学現代システム科学域教授(司会)
今回の緊急鼎談は、憲法や国家の基本原理というものを、歴史の視点から捉え直してみようというもので、少し違った視点から憲法と立憲主義を考えることができ、大変勉強になりました。
細かい議論は省きますが、印象に残った言葉を、以下に記しておきます。
小路田教授は、なぜ憲法が最高法規なのかということについて、「死者の輿論」、「先人たちが積み上げてきた道理」というキーワードをもって解説してくれました。
時の為政者の意向はもちろん、‘時の民意’ でさえそれがすべてではない、ということでしょう。ユニークな切り口ながら、大変説得力のある分析だったと思います。
小沢議員は、戦争へとひた走った戦前の状況について、軍部だけが悪かったのでなく、行政官僚も同罪であると断じていました。
時代をどう理解し、どうコントロールするかは、その時の政府、官僚を含めた行政の責任がいかに大きいか、ということだと思います。
また小沢議員は、憲法を無視して突き進む今の安倍政権下にあって、若い人たちをはじめ、さまざまな分野でたくさんの人たちが声を上げているのは大変心強い、とも話していました。
人権、民主主義など、憲法の原理をヨーロッパの近代史の観点から説いた樋口教授は、最後に、このように述べました。
わたしはこれまで、学者は象牙の塔に籠っているべきだと考えてきた(だから正論が言える)。しかし、この2、3年、その ‘わたし自身の憲法’ を変えることにした。学者も社会にとって今大切なことを、まさに今、発言することが必要なのだ考えたからだと・・・。
樋口教授は先日も、国会前での学生たちのデモの場に出て話をされたことがニュースになっていました。そのときのことに触れ、こうおっしゃいました。
・・・若い人たちが「憲法を壊すな。国を壊すな」と叫んでいた。自分が恵まれていないのは世の中が悪い、社会のせいだと言っているのでなく、「社会を壊すな」といっている。
これこそ「立憲主義」ではないか。・・・
これを聞いてわたしは、思わず目頭が熱くなってくるのを覚えました。
冷静な歴史分析をベースにした今回の鼎談でしたが、わたしにとっては大変感動的な鼎談でもありました。
昨日午後3時頃、国会周辺には、この日行われるデモに備えて(でしょう)、何十人という警官が動員され、柵を張り巡らしていました。