興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

酒徒の品格・居酒屋編

2008-01-30 | チラッと世相観察
『女性の品格』という本が今売れている。(坂東眞理子著、PHP研究所刊)
「約束をきちんと守る」「人に擦り寄らない」のほか、「礼状が書ける」「贅肉をつけない」「姿勢を正しく保つ」など、具体的でなかなかおもしろい。

 そこでフト、『酒徒の品格』という本があったら、これもおもしろいのではないかと思った。
 酒場での「きれいな飲み方」「酒品」を説く本である。

「酒飲みは、そんなお説教がましい本、読まないよ」
といわれそうだが、本にならなくても飲兵衛の一人としてちょっと興味があったので、以下内容の一端を考えてみた。

 説くためでなく、自戒のためである。
(大衆的な居酒屋に、仲間と、または一人で行くことを想定)

1 今日の仕事を済ませてから飲む
2 ほがらかな気分で飲む
3 悔しさ、悲しみを噛みしめて飲むのも、ときにはいい
4 自棄酒、またよし
5 うれしいときの酒、これが最高
6 酒席は理解を深め合うチャンス
7 一緒に飲んでくれる人に感謝する
8 相手の話は、よく聴く
9 笑顔とタイミングのよいほめ言葉が肝心
10 酒は注いでもらうだけでなく、自分も注ぐ
11 目上の人からの酌には片手を添える
12 大声でしゃべらない
13 噂話、愚痴は聞き手にまわる
14 第三者の批判はしない
15 酒席でお説教をしない
16 媚びながら、バカにされながら飲むな
17 我を張らない
18 下品な話題は避ける
19 自慢話をしない
20 知ったかぶりをしない
21 気取らない(カッコつけない)
22 話を独占しない
23 議論はほどほどに
24 常連面(づら)をしない
25 一人酒は、独りで飲む
26 知らない客に話しかけない
27 店の人にむやみに話しかけない。酒をすすめない
28 だらだらと長時間飲まない
29 深酒をしない

2007.6.16
(2008.1.30 写真追加)

臈たける<ろうたける>  (好きな言葉)

2008-01-26 | 言葉ウォッチング
「臈たける」とは、「①年功を積む。経験を重ねる。②洗練される。上品である」という意味である。(広辞苑)

 とくに若い女性が歳に応じてしっかりしてきた様(さま)を表すときに使われることが多いように思う。
 しばらくぶりで会った女性など、その立ち居ふるまいや顔の表情にふと、かつてなかった “大人っぽさ” を感じることがある。
 いくばくかの人生経験を経、自立した女性としての覚悟を得た美しさとでもいえようか。

 男でも、年代を問わずその成長を感じさせる瞬間はたしかにある。しかし、男には「臈たけた」とはあまり言わないようである。

「臈」とは仏教からきた言葉で、僧が修行して功を積むことだそうだ。 「ろうたける」 と聞いて、わたしは長く 「老たける」 と思っていた。

2008.1.26