興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

シュークリーム

2015-09-26 | 言葉ウォッチング

靴墨を買いに、池袋西武に行ってきました。

ここ池袋西武は、靴墨の色のバリエーションが豊富だからです。

行ってみて初めて知ったのですが、靴墨は

 シュークリーム

とも言うようですね。

「こちらのお客さま、シュークリームをお探しです」
という店員さん同士の会話で知りました。

シューズクリームでなく、シュークリーム。わたしの聞きまちがいではないと思います。

(なるほど。黒以外の色もあるから、そのほうがいいのかもしれない)
と思いました。
墨には、黒色という意味がありますから。

 

 


 

現に、買ってきた靴墨のビンのフタに SHOE CREAM とあります。

 





 



でも、その文字の上を見ると、なんと Boot Black とあるではありませんか。
これこそ文字通りの意味は、「靴墨」です。

(そうか、英語も日本語も同じ「靴墨」なんだな。これはおもしろい)
と思い、念のため辞書で調べてみると、わたしの見た辞書には Boot Black はありませんでした。

SHOE CREAM も出ていませんでした。(「ジーニアス英和大辞典」「オックスフォード現代英英辞典」)

靴墨の意味では、 shoe polish という単語が「ジーニアス英和大辞典」にありました。
 

SHOE CREAM も Boot Black も和製英語なのかもしれません。

 

 




 

こちらもシュークリームと、日本ではいわれています。


*以下2015.9.27追記*
長年翻訳を手がけている友人に聞いてみると、shoe cream は英米の本や雑誌に靴墨の意味で実際に出てくる言葉だそうです。
またネットで見ると、Boot Black は株式会社コロンブスの靴墨のブランド名のようです。


彼岸花

2015-09-23 | 季節の移ろい

お彼岸です。

今日は墓参りに行ってきました。


上の写真は川の向こうがわの彼岸花。
彼岸花は、ぴったりお彼岸に咲くのですね。

 

 



これは川のこちらがわの彼岸花。

だから何だってぇーの、と言われても困るのですが・・・。

 

 



 

これはわが家の金木犀。

これも花が咲きました。
辺りにいい香りを放っています。


秋たけなわです。


分断、遮蔽、囲い込み

2015-09-19 | チラッと世相観察

昨日18日、夕方、国会前に行ってきました。

「戦争法案」反対の意思表示を、具体的な行動で示したかったのと、このたびの国会前デモの現場を、一度、自分の目で見ておきたかったからです。

上は国会正門前の道路。

デモ参加の人々であふれる歩道と、右手の車道の間には、護送車風大型警察車両の車列が、見えるだけで10台以上、すき間なく停められています。

そしてその前には、おびただしい数の警官。これも左右にすき間なく延々と並び、デモ参加者(こちら)を見ています。

物々しい警備態勢です。

 

 

 

 

ここは前の道路を、左に50メートルほど行くと国会の正門があるところです。

たくさんの人が集まっていて、近くのスピーカーから流れてくる女声のコールに合わせ、法案反対のシュプレヒコールの声を上げていました。

年配の人たちから会社員風の若い人たち、女性もたくさんいます。子連れの人もいました。なぜか外国人の方々までいます。

 

 


女声のコールが一段落すると、スピーカーからは法案に反対する著名人の方々のスピーチの声が聞こえてきました。

鎌田慧さん、金子勝さん、佐高信さんなどのほか、学者や弁護士・・・。
ちょうど衆院で内閣不信任案が審議中の時間のため、何人かの参議院議員も駆けつけているようでした。

「ようでした」と言うのは、スピーカーからは声は聞こえるのですが、どこでしゃべっているのか分からないからです。

すぐ上の写真の、左側の壁は何なのでしょう。前からあったのでしょうか。これがあって議事堂が見えません。

前方は高さのある警察車両と幾重にも重なった警官たち。この場所のデモ参加者たちにとっては、左と前方の視界が遮断されています。

したがって、ここにいても今日のデモ全体の ‘規模感’ が分かりません。いったいどれだけの人がこの国会の周辺で声を上げているのか・・・。

デモの参加者は、国会周辺各所で、こうやって分断され、囲い込まれているのでしょう。


上空には先ほどから、赤い光を点滅させたヘリコプターが2機、飛んでいます。国会前デモの様子を取材するマスコミのヘリコプターでしょう。
おそらくヘリコプターからも、全体の規模感が捉えにくいのではないでしょうか。

国民の真剣な怒りの声の広がりが、官憲の物理的な力によって分断され、分散させられ、薄められ、その願いが国会のみならず日本全体に、そして世界にも伝わりにくくなるのではないか、という心配を胸に家に帰ってきた次第です。


そして深夜、違憲の法案は、参院本会議で可決、成立してしまいました。 


雑念をすべて超越した表情

2015-09-13 | 散歩、時々旅

きのうは鎌倉に行ってきました。

上の写真は国宝・鎌倉大仏。

鎌倉には何度か来ているのに、ここ高徳院に実際に入って大仏様と直接対面したのは、よく考え てみると、中学の修学旅行以来かもしれません。

修学旅行のとき以外、ここに来た記憶がないからです。

社会人になってから一度くらい来たようにも思うのですが、来たとしても、次の用事を気にして セカセカと慌ただしい気持ちで通り過ぎ、思い出に残らなかった可能性があります。
 

修学旅行のとき印象的だったのは、大仏様の首が前に傾いていて、前方落下を防ぐため、補強を しなければならない、という話を聞いたことです。(バスガイドさんの話かな?)

以来何十年も、大仏様の写真や映像を見るたびに、 ‘首の落下’ の心配がよみがえったもので す。

 

 

 

     

ひさしぶりに拝顔した大仏様の表情は、とても美しいと思いました。

与謝野晶子は大仏様のことを、「美男におわす」と歌に詠んでいます。
美男と評価する基準は人によって違うでしょうから、美男かどうかはわたしには分かりませんが、 静かに瞑想する表情が美しい。

やましいところのいっさい無い、雑念をすべて超越した表情です。

わたしも、こういった心境と表情で、日々を生きたいものと思います。

 

 

 

 

    

きのうは、ここ鎌倉文学館で会合がありました。

鎌倉文学館は、旧前田侯爵家の別邸だったところです。それを鎌倉市が寄贈を受け、文学館とし て活用しています。

 

 

 



   

鎌倉文学館は深い緑に囲まれ、格調と気品に満ちた美しい建物でした。窓から広い庭園の向こうに湘南の海が 見えます。

国の登録有形文化財に指定されているとのことでした。


今、平和も 「存立危機事態」 でないかい!?

2015-09-11 | チラッと世相観察

「平和も立憲主義も『存立危機事態』でないかい!?」

上の写真は先月16日、北海道新聞小樽・後志版に載った、現在審議中の「安全保障関連法案」に反対する意見広告です。

先月、猛暑の東京を逃れ小樽に行っていた友人が、土産話に教えてくれました。

見ると、サブタイトルに「子や孫がおいしく酒を呑めるように『戦争法案』に反対」とあります。

なんと分かりやすい、肩の力の抜けた意見広告でしょう。

憲法違反の不当な「戦争法案」に対する異議を、むずかしい言葉でそのまま言うのでなく、存立危機事態にあるのは平和そのものではないのかと皮肉を効かせ、北海道弁を使い(「~でないかい!?」)、「子や孫がおいしく酒を呑めるように」とやわらかく訴えています。

しかしながらここからは、この法案によって子や孫を戦地に送ることになるかもしれないという不安と、憲法違反の法案をしゃにむに成立させようとする安倍首相に対する怒りが、 強く伝わってきます。

 

 

 

 

    

広告主は「居酒屋『樽』の仲間たち」。
小樽の居酒屋「樽」の常連を中心にした小樽商大OBの方々とのことです。

上の写真は北海道新聞全道版に載った、この意見広告に関する記事です。


おもしろいのは、この意見広告には、「いま、あなたが直ぐにできる7つのこと」として、具体的な訴えがあることです。

いくつかを拾って、要点をここに記しておきます

・与党の衆参議員事務所、地方議員に電話、FAXをして、「戦争法案」に反対という意見を伝える。
・親や子どもとこの法案について話す。手紙やメールで「法案反対である」ことを伝える。
・知人、友人にも同じことを行う。
・飲み屋でこの問題を話し、周囲に聞かせる。ただし、口論やトラブルはなしに。
・集会やデモに参加する。人を誘う。カンパをする。
・この意見広告のように自分たちのことば、スタイルで「戦争法案」反対の意思表示を行う。


黙っていることは、法案に賛成することにつながります。
わたしも、このブログではもちろん、あらゆる機会を見つけて、自分のできる範囲で、法案に「反対」する意思表示をしていこうと思っています。


めし処

2015-09-07 | チラッと世相観察

先日、信濃町で「めし処(どころ)」の看板を掲げた店を見つけました。

「食堂」でも、「定食の店」でもなく、「めし処」。
長い歴史を感じさせます。戦後にできたのでなく、もっと前からあるのかもしれません。

店構えも木造の板張りを活かしていて、鉄筋コンクリートに建て替えたとき、それまでの店の雰囲気を残そうとしたのでしょう。
 ‘庶民の店’ であることを強調したかったのでしょうか。

 

 

 

      

でも、入り口わきのメニュー看板を見ると、小洒落ていて、昔ながらの大衆食堂の感じではありません。
さすが東京都心部の店だなあと思いました。


昔、西東京市の、とある小さな「定食の店」に入ったときのこと、煮魚(何だったか忘れました)定食を注文し、燗酒も一本たのむと、

「ご飯もいっしょにつけますか? 後にしますか」

と聞かれました。

まず煮魚で一杯やって、そのあと味噌汁とお新香でご飯を食べる形にするか、ということなのですね。
そのほうが、温かい味噌汁に温かいご飯を食べることができます。 

周りを見ると、そんなスタイルで飲っているおじさんが何人かいました。
店の主人や奥さんと親しく話している人や、新聞を広げている人もいて、常連が多いようでした。

独り暮らしの人にとっては、きっと家庭に帰ったような気持ちになれる店なのでしょう。


この信濃町のめし処も、そんな ‘ご飯後出し’ サービスをやってくれるのでしょうか。