興趣つきぬ日々

僅椒亭余白 (きんしょうてい よはく) の美酒・美味探訪 & 世相観察

理屈を超えた精神性

2017-12-29 | 時には芸術気分

三日ほど前、上野経由で新橋まで行ってきました。

上野では国立西洋美術館(上の写真)で絵葉書を買って、常設展をちょっと覘いてきました。

国立西洋美術館の常設展には、わたしは結構何回も来ています。なぜなら無料で入れるからです。(単なる年齢特典でしょ)

 

 

 


   

ここでは常設展の絵を絵葉書にしているのです。

世界的に名高い名画の数々が、美しい印刷による高い再現性で、しかもよい紙質の絵葉書として廉価に買うことができます(90円)。

ところで、常設展の絵の中で、わたしの好きな絵をあえて二つ挙げるとすれば、

「悲しみの聖母」(カルロ・ドルチ)
「果物籠のある静物」(コルネリス・ド・ヘーム)

ということになるでしょうか。

「悲しみの聖母」は聖母のその深い祈りの表情に、「果物籠のある静物」は ‘生(なま)もの’ のような果物の写実性に強く心ひかれるからです。

でも、ここの絵葉書がいくら再現性が高いといっても、あたりまえかもしれませんが、目の前で原画を直に見るのには敵いません。
原画からは言葉では容易に表現できない、理屈を超えた生きた精神性が伝わってくるからです。

とはいえここの絵葉書がわたしは大好きで、なくなると都心に出たついでに買いに来ます。

 

 

 

    

新橋です。

ここにある馴染みの酒亭が、地域再開発のため今年いっぱいで立退きをせざるをえなくなったとのことで(来年別な場所で再開予定)、一度顔を出しておこうと思ったのです。(とはいえ、二年ぶりの訪問)

 

本ブログ、今年はこれが最後の記事となります。

更新もまばらな小ブログに、いつも思いのほかたくさんの方々においでいただき、心からありがたく存じております。
年末のこの機会に、あつく御礼を申し上げる次第です。

来年も背伸びせず、自分の実感で日々の感動を綴ってまいりたく存じております。今後ともよろしくお願い申し上げます。


冬至の「幸せ小豆粥」

2017-12-22 | 季節の移ろい

きょう22日は冬至です。
唐突ながら、韓国では冬至には小豆粥(あずきがゆ)(팥죽)を食べるのだそうですね。
先週、韓国語の先生に聞きました。
ただ、その「小豆粥」は日本の「ぜんざい」のように甘いものでなく、むしろ塩味が効いたものとのことでした。

このことを一つの話題として、友人へのメールの最後に付け加えたら、しばらくしてその友人からこんな返信が来ました。

「『朝鮮歳時記』(許南麒著、同成社)という本を調べてみたら、韓国では小豆粥に白玉を入れて、歳の数だけ食べる風習がある(あった?)ようだよ」

小豆粥に白玉(団子)を入れる・・・なるほど、日本でもぜんざいに白玉を入れたりしますが、朝鮮にも同じようなものがあったのですね。日朝の文化交流の一例でしょうか。

ついでにNAVER(韓国の検索サイト)で팥죽(小豆粥)を調べてみると、동지팥죽(冬至小豆粥)という言葉があり、たくさんのサイトが見つかりました。
それらのサイトには小豆粥に白玉をのせたもののほかに、小豆とご飯(コメ)とをいっしょに炊いた粥もあって、それらの作り方に触れたものもありました。

あちこちのサイトをつまみ食いすると、朝鮮(韓国)の「冬至小豆粥」とは、以下のようなもののようです。

「小豆を冬至の日に粥として炊く赤い色の절식(節食―節気の食?のこと。豆と赤い色は역귀(疫鬼)を払うのによい。中国から伝わった風習だが、いつの時代に朝鮮に伝わってきたかは定かには分からない」

つまり小豆粥には、疫病神を払い、日々を健康に幸せに過ごせるように、という願いが込められているのですね。

 

 

 

      

日本では、冬至にはカボチャ(と小豆)を煮て食べたり、柚子湯に入ったりします。
わが家でも、冬至の日にかぎらずこの時季になると、時どきカボチャと小豆を煮て食べ、柚子湯にも入ります。

今日はしばらくぶりに、柚子湯に入ろうかな。


順調に漬かっています

2017-12-19 | 美酒・美味探訪

漬け始めて20日ほど経ったわが家のたくあん(沢庵)です。

まだ十分漬かっていませんが、「巧く漬かっているか気になって」と言って家内が樽から上げてきた一本をパチリ。

食べてみると、まだダイコンの辛みは残っているものの、旨味が出てきて、順調に発酵が進んでいるようです。

これで年末から年始にかけて、美味しい漬物を楽しむことができそうです。

 

 

 


   

漬物などの発酵食品には整腸作用があり、新陳代謝を促すなど、体の機能を内側から正常にする働きがあるといわれています。

去年の年末・年始は食べ過ぎで一気に2キロほど太り、この一年、ついにそれを減らすことができませんでした。

今年はその反省に立ち、食べ過ぎないようにし(飲み過ぎないようにもし)、たくあんなど発酵食品を上手くとりながら、体の新陳代謝を促して、出腹を引っ込めたいと思っています。(予定)


暗雲の上には希望の光が

2017-12-11 | 名言・佳言ピックアップ

今朝の東の空です。

黒雲の背後に朝日が当たって、輝いているのが分かります。

こんなことわざを思い出しました。

 どの雲にも銀の裏地が付いている

ことわざ辞典の決定版『故事俗信 ことわざ大辞典 第二版』(北村孝一・監修/小学館)には、

「地上から見て黒い雲も、その上面は太陽の光を受けて銀色に輝いている。不幸のむこうには必ず幸福があるから、希望を捨ててはならないことのたとえ。〔英〕Every cloud has a silver lining.」

とあります。

英語のことわざが本(もと)になっているようです。辞典の解説文も「不幸のむこうには必ず幸福がある」と言い切っているところがいい。
励ましを与えてくれることわざです。


サザンカの花絨毯

2017-12-01 | 季節の移ろい

サザンカ(山茶花)の花が咲いて、散って、地面に降り敷いています。

ピンク、というより ‘赤紫色’ の絨毯を敷いたよう。

「日本の伝統色」で探すと、躑躅色(つつじいろ)が近いかもしれません。

サザンカは見る人を、咲いて楽しませ、散ってまた楽しませてくれるのですね。
ホウキで掃いて、後片づけする人は大変でしょうが・・・。

 

 

 

   

「この花、ツバキ(椿)かな?」
花に詳しい家内に写真を見せて聞いてみると、
「サザンカでしょうが。常識、常識!」と、バカにされてしまいました。

ネットで調べると、サザンカは花びらが散るがツバキは花ごとボトンと落ちる、とのこと。
花絨毯は、サザンカだからこそできるのでしょう。