ふわふわ気分で

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「ガラスの葉」辛口でおもしろかった

2010-10-02 | 演劇

「ガラスの葉」観てきました。
シリアスなストレートプレイ。
兄弟とその母親、妊娠した兄の妻の4人が登場人物。
緊迫したラストがドキドキしました。
ネタバレあります。お気をつけてね。


「ガラスの葉」
作:フィリップ・リドリー
翻訳:小宮山智津子
演出:白井晃
美術:松井るみ
出演:萩原聖人、田中圭、平岩紙、銀粉蝶
世田谷パブリックシアター 9月30日ソワレ観劇


最初に、兄(萩原)のモノローグ。
突然の強い風が吹いて、父に手を握られる子どもたち。
痛いほどの力で・・・
ほのぼのとしているイメージが、どことなく不吉な感じ。

ラストシーンでも、このモノローグが繰り返され、
背景に大きな3人のシルエットが映し出されて、印象的な幕切れでした。

舞台装置は奥にキッチンがあって、手前にソファ、その間にダイニングセット。
真ん中の奥にはドア。
左端にデスク、その前方にテーブルと椅子。
どれも無機的なイメージの家具。

後ろ半分が途中で床ごと移動したけど、
すべての場面がこれらのセットの一部で進行します。

前の方で兄が上着を脱いだりしている間も、
奥の方で他の出演者が動いていたり。
なんか重層的というのかな、ちょっとおもしろい設定でした。

自殺した父親の話が出てきたり、
何でもない台詞が伏線だったりして、
最後にパズルのピースがはまるように、話が繋がっていきます。

ラストの地下室のシーン。
ライターのかすかな灯りの中で、兄と弟の会話。
過去が明らかになり、緊迫してきて・・・
精神を病んでる兄と、普通の弟だったはずが・・・
ドキドキしました。
あ、そうだったのか。
・・・って、観客も気づくのね。
ここすごく、おもしろかったです。

舞台を通して、無駄なセリフがいっさい無いって感じ。
戯曲を読んでみたくなりました。

この日は、出演者と演出の白井晃さんも出席するアフタートーク。
白井さんの話が興味深かったです。

自殺した父親は母に暴力を振るった時に、
幼い兄弟はどういう態度を取ったのだろうか。
弟は「やめて~」と父親に向かって行ったのかもしれない。

戯曲の表に出てこない事柄をいろいろ想像するということが、
おもしろかったです。

出演者の皆さん、実力のある方ばかり。
萩原さんの舞台初めて拝見したけど、自然でうまいんですね。
圭くんはわたしが見込んだ通りナイス。
パーマヘアはおばさんっぽくて、イマイチだけど・・・

平岩さんはいつもと違うキャラだったけど、ステキでした。
本人も役作りに苦労されたようです。
チラシの写真は舞台の役が、まだ入ってなくて、おぼこいです。
にちょっと笑ってしまいました。

白井さん、毎日舞台が終わったらダメ出しするそう。
この日もトークの直前に、舞台袖で圭くんに出してたって。
あらら・・・

銀粉さんのセリフでガラスの葉が、どうしてタイトルになったのかわかりました。
ちょっとぞぞ~っとするセリフ。
最後のピースだったのね。

「ガラスの葉」題名のイメージとは違って、辛口でおもしろかったです。
オススメ~です。
10日まで、世田谷パブリックシアターで公演です





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