ふわふわ気分で

舞台、シネマ、藤原竜也くん、長谷川博己くん、成河くんのことなど気ままに・・・

「わたしを離さないで」キレイな舞台

2014-05-11 | 演劇
「農業少女」以来大好きな多部ちゃん出演舞台。
大期待してるとガッカリが多いけど・・・大丈夫でした。
ネタバレ大胆にしてます。よろしく~

「わたしを離さないで」

原作:カズオ・イシグロ
脚本:倉持裕
演出:蜷川幸雄
美術:中越司
衣装:前田文子
出演:多部未華子、三浦涼介、木村文乃、山本道子、床嶋佳子、銀粉蝶ほか
彩の国さいたま芸術劇場 5月9日マチネ観劇

海の近くの寄宿学校「へ―ルシャム」外界から遮断された生徒たちには、ある使命があった。

英国の作家カズオ・イシグロの作品の舞台化。
イシグロさんって、今まで読んだことなかったけど有名らしい。
劇場で原作本売ってたので、さっそくゲット。
まだ読んでる途中だけど、原作もおもしろい。
ショッキングな話なのに・・・静かで知的で、不思議な雰囲気。

蜷川さん、出演者多くてカラフルでやたら派手で盛りだくさんなキタナイ系舞台と、
シンプルで切なくてキレイ系舞台があるけど、
今回はキレイ系。
わたしはもちろん、キレイ系がお気に入りね。

ラジコンヘリが舞台上を旋回する最初の場面で、
意味も無くうるっときちゃったりして・・・ナゼだ。
涙もろすぎるだろう、わたし。

教室のカーテンが風で揺れるのがキレイ。
何か意味ありげに揺れます。
今回は上下2段のカーテンでした。

白いカーテンが揺れるっての、蜷川さんの舞台では何度も出てくるけど、
揺れ具合の難易度がだんだん高くなってるような気が・・・

2幕のススキみたいな植物に囲まれた場面、
室内にススキって、何の意味があるんだろうと思ったら、
農場の中ということらしい。
ちょっと、わずらわしい気がした。

3人の主要キャストが、ジャストフィットでした。
多部ちゃん静かで深くて声がよく通って、すっかり舞台女優さんですね。
木村さん、初舞台だそうだけどよかったです。
これからも舞台で観たいですね。
三浦くんも役柄にぴったりナイスでした。

ネクストシアターの方も以前観た時は固かったのに、今回は伸び伸びと。
サッカーのシーン舞台であれだけやれるなんて、ちょっとびっくり。
スローモーションの明るい表情もよかったです。

前の方だったので、ラストの多部ちゃんのはらはら落ちる涙も、
三浦くんの泣き顔もよく観えました。

臓器移植のために産まれたクローン人間たち。
運命を呪うことも、身の不遇を嘆くこともなく、逃げ出すこともない。
淡々と残酷な運命を受け入れる。
・・・ようにみせて、ラストに大逆襲とかどんでん返しがあるのかと思ったら・・・
ナシでした。

う~ん、なんか、もやもやスルじゃん。
正義の味方なんてのはいないんかい。

だったけど、これって今の世の中みたいなもんかな。
理不尽なことが多いけど、表立ってはストライキもクーデターも起こらない。
粛々と万事が進んで行き、
気がついたら、戦争にかりだされて、臓器どころか命まで危うい・・・とかね。
いやいや、冗談ではないかも・・・

キレイで切ないけど、帰り道にいろいろ考えちゃう舞台でした。

オススメ~
15日までさいたま芸術劇場で。
名古屋、大阪でも。

写真はチラシとパンフ、原作本。