goo blog サービス終了のお知らせ 

余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

時代錯誤

2021-06-07 22:31:19 | 十五の詩
人が求める完璧さ
人が悩む孤独
人が人であるために
自身を育て 自身を信じ 自身を失くす
自身の存在のあやふやさに
エゴがポロリと吐きだされる
多数のなかの一人
信じあえるものの存在
そのつながりが自身を内から光らせる
相対する二つの心
ゆるぎのない美しさは
氷と微熱を含み
両極端は苦悩を引きだす
人は二面を左と右に
時代が瞳を濁らせていく
時の流れに人は乗り
時の移ろいに人は揺れる
過去に照らされた想いの面影
人が孤独であるために
人は出会い
人が涙を持つために
人は別れ
強く結ばれるトワが光りをあける

かしょ

2021-06-07 22:20:27 | 十五の詩
どこが気にいらないというのだろう
好きだったかしょかしょは
きらいになるに十分
でも好きだったかしょで
きらいだけど好きだったり
好きだけどきらいだったり
あいまいだけどはっきりしている
確実で明瞭なかしょ
かしょは僕のかしょであり
他人のかしょではない
どうしてたくさん好きになれないの
どっちかに決めたいけれど
決別なんてできない
僕のかしょ
君はこのかしょ好きですか?
僕はこのかしょが好きであり
嫌いなかしょでもあるのです

目を閉じる

2021-06-07 22:18:55 | 十五の詩
目を閉じる
君の声が好きだった
まぶたを開ける
君の鼻が好きだった
鼻と唇が好きだった
手と瞳が好きだった
髪と背中が好きだった
まぶたを閉じる
ふれられない距離
まぶたを閉じると囁く
まぶたを開ける
僕は探してしまう
すれ違う人に
後ろを振り返り
眠るとき
僕は君を探しながら眠る

2021-06-03 23:29:32 | 十五の詩
いにしえの景色
辿ってきた道を振り返れば
古人が残してきた
匂いや影が見えてくる
あいくるしく
朝焼け 夕焼け 月夜 夜更け
つくられた伝記や営みは
今も残像となって重なり
時空を越え 大地を育む
現世があり
そして未来がある
だが決して忘れずにある
僕らが歩んできた古き望郷を
その場所の匂いを
目を閉じれば浮かぶ
イメージの断片
魂のゆらめき