「アンナ・カレーニナ(下)」
トルストイ 著
とうとう読了。
読み終えて感じたこと。
ひとは感情に突き動かされるものだと。
感情は止められず理性によって留めたとしても、
喜怒哀楽はさまざまな悲喜こもごもを生んでいく。
とめどなく流されていく、どうしようない、
素肌の露わ。
愛にして、恋にして。
自然にして、名を冠して。
心の声を他聞にはばかり、勢いよく語る。
言葉の余白は他者との関係。
その余白は心地よい奏でを抱きしめさせてくれる。
「某」
川上弘美 著
へんないきものが跋扈する。
姿を変えるいきもの。
そのいきものはけれど人に似ている。
様々な人に変化する。
性差、老若男女、いろいろと。
変化を通して考える。
なぜやどうして。
人と違う生き物だからこそ人を考える。
マスクをとった素顔にそれをみる。
口を閉ざすのは優しさ
あなたの幸せのために
僕はあなたの幻を見る
見詰めたのは
只一つの美しさ
僕が大切にしている
たった一つの優しい光
押していく開く戸は
あなたへと続いていく回廊
抱きしめあった階段が
ピンクの花びらで敷き詰められる
フィルターは呼吸をなくす
四つ葉のクローバーが
肩にかかる
凭れかかった後ろを見れば
朝焼けの色が見える
思わず零れたあなたの名前
名前を零すと
手を伸ばしてしまう
何かをつかむように
光によって色を与えられた
赤い花が咲いていた
おとぎの国が呼んでいる
魔法で飛べる
幻想の
歩く姿に羽をおとし
紅すぎる唇が余韻を残す
愛する人
愛している人
愛した人
3つのシルエットが前を上を下を
狂喜乱舞に後ろで翼がくねり
赤みを帯びたジュウタンが方向を示す
エレベーターが上へ
ふわりと揺れる空気の詩
光の粒子がぶつかり弾け
悲しみの跡が微笑み返す
あなたはとても美しかった
あなたの微笑みはとけ
瞳にうつる世界が幕をあける