goo blog サービス終了のお知らせ 

余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

ディキンスン詩集

2020-09-10 23:08:54 | マイブック(た)
「ディキンスン詩集」
      エミリー・ディキンスン 著
      新倉俊一 訳編

内的精神の抱擁が、
外的な導きをうながしていく。
孤高の美しい調べに酔わせられ、
自然を感じる隙間ができていく。
詩を読むときはぱらぱらとめくりながら、
含んでいく。
本にふれる。
最近出逢ったことばと共に。
すべてを読むのではなくても、
一部分だけにふれていたとしても、
染み込んだものはたしかにある。
一期一会のように。
こもる中の木漏れ日を浴びる。

隣が恋

2020-09-10 00:56:08 | バラ色の獣の詩
たとえば隣に座っている
人を恋とする
パレットにはオレンジ色をだしたりする
そして色褪せていく
特異体質な憂鬱室よ
ノックする音が聞こえるな
あの人かななのは
同化していくカメレオン体質の獣さ
たとえば全てが素質を持っていたなら
あの人さえ見失う
かもしれない

原罪意識

2020-09-10 00:51:48 | バラ色の獣の詩
殺してくれよ頼むから
罪で汚れたこの俺を
優しきや信じること
つながれるとさえ遠き愚息
有罪、無罪
手首を切ってみる
汚れているか この赤い血は
そばにくるのは
似た人であってくれ
以外は災いとなる
罪から罪が生まれ
罪からさらに罪となり
縛られた所から
痣と不様な業
饒舌なのは残骸の舌
揺り動かされるサタンの酔い
深遠なる緑から
贈り得た指使いに
目は赤く燃えたぎらせて
火走りたたせ
斬らなくては
さらに首を醒まさせるため
リピートするこのさめざめ
こりゃあへどの花だよ
どうしてこうも他者となるか
同じベッドで寝ていれば
少しくは逃れていたか
それこそがさらなる罪となる
俺の罪はもう咽喉か
死ぬのは餓死が一番か

2020-09-10 00:47:41 | バラ色の獣の詩
過ぎていった時代の色
憧れた時代の色
青の時代、白の時代、
繰り返されていたのかと
疑いたくもなるような
交錯する出来事に
百まで数えたがまだ幾らも増え続ける
この匂いは?と
周りを見渡すけれど見当たらない
くわえていたものは傷だらけの春の花
奇をてらす風のなで方
染み入る儚げな露の粒々
獣なんかになりたくはなかった
ただ言葉を優しく色にして
ふれてほしかっただけ
さみしいだけの色なんかいらない
澄み切った広がる指の音色
昂ぶる魔力
そっと隣にすわる君
君は美しい人
猫がそばへきて
日の香りに誘われたのかい
指の数だけ色があるかな
音色もあったなら
そういや僕は日本人か