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余白のメモ

詩と短歌と好きな本
指の上で四季はほほえむ

夜の公園

2020-09-04 07:25:05 | マイブック(か)
「夜の公園」
      川上弘美 著

リリ、ふれたくなりふれられない。

執念がただよう空気のなかを歩きながら、
自身の知る欠けらを、
からだのあちこちに入れる。
頬をつたう抑揚のないなみだの
静かな呼吸のほほえみの
顔はいくつもの孤独と体内の季節は、
巡っていく。