栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

日本最速のリフターを開発した第一施設工業

2006-08-03 12:04:37 | 視点
「これで業界に革命を起こせる」

 いつものように実験を繰り返していたある日、突然社員が叫んだ。
「社長、浮きました。浮いています」
 ワークはわずかに浮上していた。
 浮上を確認した篠原は大きく頷いた。
「よし、これで半導体業界に革命を起こせる」
 半導体の大見忠弘でさえ「あれはダメだ」と言った非接触搬送装置を、九州の名も知られてない中小企業が開発した瞬間である。

「人間一人ぐらいは浮きますよ」
 どれぐらいの重さのものまでなら浮上させられるかとの問いに、笑いながら平川はこう答えた。
 搬送速度は分速50m。従来のローラー搬送の速度が分速20mだから、一気に2.5倍にスピードアップしたことになる。うれしい副産物だった。

屈辱をバネに脱下請けを決意
メーカーに転身を図る。


 第一施設工業はもともとリフター(昇降機)のメーカーである。といっても会社設立から20年あまりはエレベーターの据え付け保守工事の下請け仕事に甘んじていた。それがいまでは世界のクリーンルーム内で稼働するリフターのシェア90%を誇る企業にまで成長したが、その陰にはメーカーへの脱皮を強く決意させたある出来事があった。

       続きは「九州の技術」で



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