栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

フタタの選択をどう見るか(1)

2006-09-05 23:04:52 | 視点
 8月7日、AOKIホールディングス(以下AOKIと略)が突然とも見える形で紳士服販売のフタタに経営統合を提案した。フタタは当初AOKIから切られた期限の14日を18日まで延ばして検討した結果、嫁入り先をAOKIではなくコナカにした。その結果を受けてAOKIは株式公開買い付け(TOB)の実施を中止し、フタタを巡る争奪戦は一応終わりをみせた。

 このフタタを巡る争奪戦、例えてみれば婚期を逃し行き遅れた娘に婿2人という関係だ。
 昨今、娘の結婚相手は親が探すのが常識(?)らしく、今回の場合も娘がこのまま行き遅れ、生涯独身で過ごすことになりはしないかと心配した親が密かに見合い相手を探したところ、実は娘には心を寄せる相手がいたらしい。
 ただ、この相手が今一つ煮え切らない男だったので、親が持ってきた縁談話を機に娘が「グズグズしていると私は他の男の所にお嫁に行くわよ」と決断を迫ったところ、相手の男が慌てて正式に結婚を申し込んきたというわけだ。

 まあ、この程度の話を「新見合い時代」(九州にもM&A時代の本格的な到来)とか「経済力こそ重要」(バイイングパワーがものをいう時代)などと大仰に書き立てたり、バカの一つ覚えのように言う方がおかしく、「栗野的視点」では取り上げる気もなかったが、ちょっと角度を変えると意外に面白い点が見えるので少し触れてみることにしよう。

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