栗野的視点(Kurino's viewpoint)

中小企業の活性化をテーマに講演・取材・執筆を続けている栗野 良の経営・流通・社会・ベンチャー評論。

売り場がイオン化してきたダイエー

2007-09-04 11:49:40 | 視点
1週間程前久し振りにダイエー笹丘店(福岡市)に行った。
買い物が目的ではなく、車で前を通ったので久し振りだからちょっと寄ってみるかという、ついで寄りである。

 食品売り場に行くと、なんとなく様子が違うので「売り場が少し変わったね」と言うと、「改装したんですよ。改装前の方がよかった。改装してから売り上げはガタ減りだ」とテナントの店主がこぼした。

 そうか、改装したんだ。
売り場がすっきりしている。
通路も広くなった。
先のテナント(弁当屋)の前は以前、パンや総菜のワゴンがあったが、それらの類はほとんど姿を消していた。
その分、前に人だまりができなくなり、人の足が止まらなくなっている。
なるほどこれではテナントが嘆くはずだ。

 それにしても、食品売り場のこの光景、どこかで見たことがあると思っていたらイオンの売り場とそっくりだった。
ダイエーの再建にイオンが入り、はやイオン仕様にしたというわけだ。
 でも、これでは売れないだろうなと思い、サービスカウンターで尋ねてみると
「改装直後は売り上げが伸びました。でも、いまは元に戻っています」
 との返答。

 ダイエーは再建に入ってから利益確保優先で動いているから、価格競争力は落ちている。
私も以前はダイエーでよく買い物をしていたが、最近はとんと足を運ばない。
理由は他店に比べて食品売り場の商品が高いからだ。

 売り場が中途半端にスッキリし、価格競争力もないとくれば、客が離れるのは必至。
ダイエーの売り上げ浮上はますます難しいかも。

 もう一つ驚いたのはポイントの有効期限が3か月に変更されていたことだ。
顧客になんの通知もなく。
「私はポイントが全部パーになっていた」
 知人の女性は腹立たしそうにそう言う。
通知なしはひどいが、ダメになるときは皆こんなものだ。


大丸