まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

猫を愛した画家

2013年07月16日 | 日記

画家の藤田嗣治は無類の猫好きでした。
こんな本まで出しているぐらいですから相当なものだったようです。

私自身は特に猫好きでもないのですが
あれこれ番組の資料を読んでいるうちにこの本を見つけ
ちょっとハマってしまいました。(笑)

猫と一緒の自画像を数多く描いてます。
おかっぱ頭に丸眼鏡は藤田嗣治のトレードマークですが
それ以上に、画家は愛らしい猫を自分のトレードマークとして描き続けました。

可愛いですねえ!
面相筆を使った独特の線描で描かれた猫は
見るからに毛並みも柔らかく、思わず抱きしめたくなるほどです。

エコール・ド・パリを代表する画家として
藤田はフランスで大成功をおさめたほとんど唯一の日本人画家ですが
当然、日々のパンにも困るどん底の時代もありました。
そんな暮らしの中でも「猫を切らしたことはなかった」と言いますから凄いです!

画文集の中にこんな一節があります。

  盛り場から夜遅くパリの石だたみを歩いての帰りみち
  フト足にからみつく猫があって
  不憫に思って家に連れて来て飼ったのが1匹から2匹、3匹となり
  それをモデルの来ぬ暇々に眺め廻し描き始めたのがそもそものようです。

夜更けのパリの露地で猫を抱き上げる藤田の姿が浮かびます。
ちなみに・・・彼が猫につける名前はすべて「ミケ」だったと言います。(笑)

ご存じのように猫には従順と反抗の二つの面があります。
普段は愛らしく穏やかな反面、突然、猛々しく野性に戻る瞬間もあって
藤田はその二つの顔をとても面白く思っていたようです。

藤田嗣冶と言えば裸婦が有名ですね。
独特の「乳白色の肌」は大評判を呼びパリ画檀の寵児となりますが
その裸婦の傍らにも必ず猫を描き込みました。

藤田は「奇行の画家」でも知られました。
個性的な風貌とともに、その言動はパリの社交界で常に注目の的でした。
生涯に5度にわたる結婚をし、数々の浮名も流しました。
それはとりもなおさず画家の「孤独」の裏返しでもあった訳ですが
その深い孤独を癒してくれる唯一の存在が猫だったのかも知れませんね。

「世界のフジタ」と呼ばれるほどの名声を得たものの
戦中に描いた「戦争画」を理由に日本では理不尽とも言える迫害を受け
ほとんど認められることはありませんでした。

戦後、そんな日本に失望した彼は再びパリに渡りフランスの市民権を獲得。
二度と日本の土を踏むことはありませんでした。

誰にも媚びず迎合せず、自分の思う道をゆく・・・
そんな頑固な生き方もちょっと「猫」に似ているような気がするのです。

で、本の中で私が一番気に行った猫がコレ。
とくに理由はありませんが、無垢で真っすぐな視線がとにかくカワユイ!
ひょっとして猫好きになるかも・・・

 


よさこい祭り

2013年07月15日 | 日記

3連休中の公園は
今年もまた「よさこい」の熱気に沸き返りました。

このクソ暑い最中、まことにご苦労なことですが
皆さん、今日の晴れ舞台のために相当な練習を積んで来られたのでしょう。
その努力を思うとオジサンはドッと汗が出ます。

今年で7回目という新しいイベントですが
年々、出場チームも増えてすっかり定着した感があります。

基本的には東京周辺のチームが多いようですが
今年は東北や北海道のチームも参加して盛り上がっていました。
遠路はるばるご苦労さまです。

ついつい「バックシャン」を撮ってしまいます。



うーん、バックシャンの団体は迫力あります。
ひと踊り終えての反省会でしょうか、笑い声が弾けていました。

こちらも一応、バックシャンです。
露店も100軒以上が出て、大変な賑わいでした。

メインステージの他にも
公園内の並木道に二カ所ほど踊り場が設けてあって
そちらは「かぶりつき」状態で観客の声援が飛びかっていました。

悲鳴、絶叫、咆哮・・・
腹の底から大声を出す機会などめったにありませんから
気持ちいいだろうなあ!

毎年のことながら女性が輝いて見えます。
昔から「踊る阿呆に見る阿呆・・・」などと言いますが
人間が阿呆になって無心に何かに打ちこむ姿は美しいと思います。

見事にポーズが決まったところで撮影終了!
わずか30分ほどの「よさこい」見学でしたがTシャツは汗ビッショリ!
オジサンはほうほうの体で帰宅し
シャワーを浴びると、冷たい缶ビールでひと息ついたのでした。

これから本格的な夏祭りのシーズンですね。

 


新宿ゴールデン街

2013年07月14日 | 日記

昨日は新宿で所用を済ませた後
三丁目の伊勢丹前からJR新宿駅までブラブラと歩きました。

途中、あまりに暑いので涼を求めて花園神社の境内へ。
残念ながら思ったほどの樹木はなく、涼どころか暑さ倍増でした。(笑)

境内は閑散としていました。
1960年代、花園神社は熱気渦巻く演劇空間でした。
状況劇場を主宰する唐十郎が境内に紅テントを建てて野外公演を挙行。
伝説の名作「腰巻お仙」で一気に演劇界の風雲児となりました。
寺山修司の「天井桟敷」、鈴木忠志の「早稲田小劇場」、佐藤信の「黒テント」・・・
アングラ演劇が若者の心を激しくとらえた時代でした。

当時、名古屋のハナタレ高校生だった私は
友人と二人、アルバイトで貯めたお金を手に勇躍、新幹線で上京。
唐十郎の「目撃者」になろうと押しかけたのですが
すでに「紅テント」は花園神社から去り、境内にはからっ風が吹いていました。

花園神社のすぐ横が有名な「新宿ゴールデン街」です。
住所表示は歌舞伎町1丁目、今なお戦後の「混沌」を色濃く残す一画です。
多くの作家や映画人に愛されて来た飲み屋街ですね。



何度か友人に連れられて来たことがありますが、真昼間に歩くのは初めてです。
うーん、連れて来てもらった店ももう忘れてしまいました。

深夜の露地で喧嘩をしている「中上健次」を見かけたことがあります。
女の子を両手に抱えて上機嫌の「大島渚」に出くわしたこともあります。
あの頃も中上はやはり中上で、大島も依然として大島で、ともに輝いていました。
二人とももう亡くなってしまいましたが・・・

文壇バーというのが多いですね。
プチとはいかなる意味か、売れない作家とか作家の卵が
夜な夜な月に向かって咆哮しているとか・・・

歌手の渚ゆう子さんの店とか。
学生時代が京都だったので「京都の恋」とか「京都慕情」とか、懐かしいです。

フラメンコの店もあります。
床を激しく踏み鳴らして歌うアレですね。(笑)

ゴールデン街の超有名店でしょうか。
コメディアン内藤陳さんが経営しておられた伝説のバーで
多くのハードボイルド小説ファンに愛されましたね。
日本冒険小説協会の公認酒場にもなっているそうですが
私は入ったことありません。

年季の入ったドアです。
その内藤さんも確か2年前に亡くなられました。

いい名前のバーだなあ・・・
ゴールデン街をさまよう人たちは
よるべなき現代の「流民」たちかも知れませんね。

死んでいるのかと思って近づくと
迷惑そうに薄眼をあけ、やがてまた深い眠りに・・・

   ゴールデン街 猫も昼寝の 風の道  (杉作)

汗ビッショリの散歩でしたが、一陣の風が気持ちよかったです。


 


炎天読書

2013年07月13日 | 日記

照りつける陽射しの中
公園では夏草がたくましく生い茂っています。

懐かしい日向の匂いがします。
懐かしいけれど、汗がドッと吹き出して来ます。

    夏草や 兵どもが 夢の跡  (芭蕉)

芭蕉が「奥の細道」の途上、奥州・平泉で詠んだ句を思い出します。
源義経や藤原三代の栄華も儚き夢のまた夢・・・
生い茂る夏草にはそんな「無常感」が漂っていますね。




その夏草の中ではバッタが活動を始めていました。
子供の頃は、すぐに昆虫網を持って追いかけ回したものですが
さすがにこの歳になるとそんな無体なことはせず
「おお、元気でやってるか!」と声をかけるだけです。(笑)

考えてみれば・・・
ひと夏の短い命を生きる彼らもまた儚い存在です。
オジサンは深く頭を垂れました。

こちらでも夏草が天に向かって・・・
ではなく、これは子供たちが植えた田圃の稲です。

もうこんなに成長しました。
ただ、日照り続きで田圃が干上がっているのが気になりました。
とりあえずドッと一雨欲しいところです。

定番のトンボもいましたが
やはり暑さのせいで羽を休めることが多いようです。

ジョギング終了後は公園に残って読書をしました。
とにかく家の中は暑くて息苦しくて、どうしようもありません。
その点、公園は開放感があって、木陰をわたる涼風がなんとも気持ちがいいです。
晴耕雨読ならぬ「炎天読書」で、大いに能率があがりました。

番組の資料読みで借りた本ですが予想外に面白くて・・・

藤田嗣冶は、北斎や歌麿の浮世絵を除けば
芸術の都・パリで大成功をおさめた、ほとんど唯一の日本人画家ですが
その藤田がなぜ愛する日本に決別し、フランスに帰化したのか?
日本という国の「精神風土」を知る出色のドキュメントになっています。

本を読んでいると、思わぬ珍客がやって来ました!
これ、確か「カメムシ」ですが・・・
カメムシは種類が多いから、名前はよくわかりません。

どなたか昆虫博士、ヘルプ・ミー!(笑)


  「オイオイ、どこへ行くの?」
  「どこへ行くんか、どこへ行きたいんか、自分でもようわからん」
  「関西弁やね。ひょっとして西から飛んで来たん?」
  「どこで生まれたんか、どこの出身なんか、自分ではようわからん」
  「あ、そう。とりあえず暑いから気ィつけてね」
  「あんたもこの暑さの中で読書とは、ご苦労なこっちゃなあ」

呆れながら、カメムシ君はいずこへか飛び去りました。
つかの間の邂逅でした。

 


真夏のバーベキュー

2013年07月12日 | 日記

昨日も頑張って走りました!
灼熱地獄の中、大汗をかきながら走りました。
今年の夏は「10キロ減量」という無謀な計画を立てています。(笑)

通称「カエル池」では少年が魚を捕獲中。
しばらく見ていましたが、獲物はなかったようです。

池の中には今年も「ガマの穂」が成育中。
ソーセージのような形状で、秋には穂先が割れて白い綿毛が飛びます。

池の中を見るとカメが激しく威嚇し合っています。
これは悪名高い「ミシシッピアカミミガメ」ではありませんか!
小さい頃は「ミドリガメ」などと呼ばれて、子供たちの可愛いペットですが
大きくなって扱いに困って捨てたのでしょうか。
雑食性で何でも食べてしまうため、生態系への影響が深刻です。

お、赤トンボだ!

いや、正確には「赤トンボ」という名のトンボはいません。
これは「ナツアカネ」という種類で、秋に飛ぶ「アキアカネ」ではありません。
ちょっと遠すぎるなあ、と思ってカメラをしまいかけたら・・・

なんとすぐ近くに来てくれました!
うーん、サービス精神旺盛と言うか、出来たトンボです。
全身真っ赤でキレイです!池の欄干で一分近く羽根を休めていました。
ちょっと夏バテ気味なのかも・・・

バーベキュー広場のベンチで休憩。
ジュージューと肉の焼ける匂いが食欲を誘います。
向こう側はファツション関係らしいにぎやかな女性グループ。
手前の彼女、最初は一人かと思いましたが、傍らで彼氏がせっせと焼いています。



はい、アーンして・・・
うーん、見ているこっちが焼けました。(笑)

こっちもカップルバーベキューです。
最初は彼氏が一人でショボショボと焼いていて哀れを誘いました。
「オイオイ、男一人でバーベキューかよ」と思わず笑ってしまったのですが
そこにようやく彼女が到着、男は泣きそうな声で・・・

  「遅いよう!このまま一人バーベキューかと思ったぜ・・・」

その後、男は涙ぐましいぐらいに甲斐甲斐しく肉を焼いていましたが
女性の方はなぜか憮然とした表情でだるそうでした。

真夏のバーベキューもいろいろ大変です!(笑)

こちらは真夏の「ひとりキャッチボール」です。
ひとりジョギングのオジサンは心の中でエールを送りながら
10キロ減量に向かって走り続けました。