昨日は涼しくて秋を思わせるような日でした。
酷暑続きでしたから、たまにはこんな日があってもいいですね。
見上げると空にはきれいな鱗雲。
ぼんやり眺めながら「こりゃ風立ちぬだな・・・」などと呟きました。
宮崎駿監督の新作「風立ちぬ」が封切られました。
連日のようにテレビで流れるCMの映像の美しさについ目を奪われて
ユーミンの主題歌「ひこうき雲」の懐かしいメロディーが耳に残って
ずっと気になっていました。
日経新聞の映画評でも絶賛されていました。
掘辰雄の名作「風立ちぬ」に零戦の設計技師・堀越二郎の人生を重ね合わせた
SFでもファンタジーでも童話でもない、宮崎駿監督の新しいリアリズム映画とありました。
宮崎アニメの転換点となる一作かも知れませんね。
掘辰雄の「風立ちぬ」を読んだのは確か中学一年の夏でした。
読書感想文の課題図書に指定されていて、仕方なく読んだ記憶があります。
「風立ちぬ、いざ生きめやも」
そんなポール・ヴァレリーの訳詩の一節が
ボンクラ中学生の心にも鮮烈に心に刻まれました。
ただ、ボンクラでしたから「風立ちぬ」が肯定形なのか否定形なのか
風が立つのか立たないのか、とっちやねん!
「いざ生きめやも」は生きるのか生きないのか、どっちやねん!
などと、情けない中学生でした。(笑)
高原のサナトリウムを舞台にした小説でした。
結核に冒された婚約者に付き添う主人公が彼女の死の影に怯えながら
残された時間を精一杯生きようとする悲恋物語で
生意気盛りの中学生も読み終わった後は涙、涙でどうしようもありませんでした。(笑)
そんな「風立ちぬ」を宮崎監督がどう新しい物語に料理したのか・・・
ぜひぜひ映画館に行きたいと思います。
それからやっぱりユーミンですよね!
ジブリ最新作「風立ちぬ」ひこうき雲 松任谷由実 The Wind Is Rising Theme Song
この「ひこうき雲」にもいろいろと青春の思い出がありますが
それはまた別の機会に・・・と言うことで。(笑)
空いっぱいの鱗雲を見上げていると
気持ちいいほどの涼風が吹きぬけて行きました。
まあ、いろいろあるけれど・・・
「いざ生きめやも!」