まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

石巻からⅢ 防潮堤

2016年03月12日 | 日記

石巻の日和山公園は桜の名所である。
私が訪れた時はもう桜の季節は終わっていて
山頂からは新緑の彼方に見渡す限りの更地が広がっていた。



世界有数の漁場であるこの海を
津波が襲って来たこの忌まわしい海岸線を
巨額の復興予算を投じた「防潮堤」で封印する計画が進んでいる。
防潮堤は最大で15メートル、総延長400キロという
まさに途方もない計画である。
それで本当に津波から命を守れるのだろうか・・



すでに一部で工事は始まっていて
天を突くような巨大なコンクリートの壁が海と集落を隔てる。
壁に遮られて海は全く見えなくなる。
今のところ津波を防ぐにはこの方法しかないように思われるが
本当に防ぐことが出来るのだろうか。
自然の脅威は必ず人智を超えたかたちで牙を剥く。
いつどこで地震や津波が発生するかなど誰にもわからないし
人間の知恵など自然の前では全く無力である。



自然環境や生態系への影響も器具される。
それより何よりコンクリートに守られた「海の見えない」大地で
漁師たちは何を心のよすが生きて行くのだろうか。
安倍首相は「豊かさが実感できる復興」を再三口にするが
ここに豊かさはあるのだろうか。
大統領候補のトランプ野郎は移民流入対策を聞かれ
アメリカとメキシコの国境に「巨大な壁を建設する」と答えたそうだが
それに似たバカバカしさを感じてしまう。

では、どうすればいいのか・・・
素人にはわからないが「高台移転」は有効かも知れない。
避難訓練や避難ルートの確保を徹底することの大切さも教訓として学んだ。
しかし、結局、人間は自然と共生するしかなく
自然の「怖ろしさ」を肝に命じながら生きて行くしかないのである。
コンクリートに囲まれた「ふるさと」など笑止である。