まろの公園ライフ

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入場料返せ!

2015年10月21日 | 日記

練馬区立美術館設立30周年記念
アルフレッド・シスレー展に行って来ました。



地元・練馬区が運営する「おらが村の美術館」です。(笑)
普段は入場料500円、企画によっては無料の時もある良心的な美術館です。
最近はやたら高額な入場料をとる美術館が多い中
格安な料金と意欲的な企画で頑張っている数少ない美術館ですね。



シスレーは印象派を代表するイギリスの画家です。
モネやルノワール、ピサロとともに一時代を画した画家です。
設立30周年記念だけにネームバリューのある画家を呼びたかったのでしょう
入場料は普段の倍の1000円でしたが、期待して出かけました。
ところが・・・(笑)

展覧会のポスターにもなっている作品です。
いかにも印象派らしい明るくやさしい色彩表現でホッとしますね。
私はシスレーの描く空と雲の表現がが好きで
ヘタなスケッチより本格的に油絵をやりたいと思っているのですが・・



残念ながら見るべき作品はそれぐらいでした。
と言うより、作品数があまりに少なすぎて、拍子抜けでした。
展覧会には必ず「目玉」と呼ばれる作品があって
そのインパクトで人寄せをするものですが、それもなくて淋しい限りでした。
シスレーにはもっといい作品がいっぱいあるのに・・・
私は大いに不満でしたが、それもその筈、ほとんどが国内美術館からの借り物で
海外から招請した作品は一点もありませんでした。
まさか手を抜いた訳でもないでしょうが、これでは看板倒れです。
そこまでの予算がなかったのか、それなら展覧会そのものをやるべきではありません。



主催者もさすがに困ったのか
シスレーが描いたセーヌ川の河川模型などをわざわざつくって
川の歴史などを紹介していましたが、そんなこと絵となんの関係もないだろ!(笑)
挙句の果ては「シスレーを訪ねた日本人画家」というコーナーを設けて
聞いたこともないような画家の絵をズラリと並べていました。
そうじゃなくて、シスレーを観に来たんだ!
オジサンはだんだん腹が立って思わず「入場料返せ!」と叫んでいました。



何をやっても満員になる都会の大手美術館に比べて
地方自治体が運営する美術館が苦境に立っているのはご存じの通です。
バブル時代に次々に建った美術館もハコもの行政の典型で
つねに限られた予算の中で結果(入場者数)を求められるだけに大変です。
だからこそ時流を追いかけるのではなく
個性と企画力、美術を愛する心が勝負になって来ると思うのですが・・