深夜、何気なくテレビをザッピングをしていたら・・・
ちあきなおみさんが出ていた。
うーん、もう、それならそうと言ってくれよ!
文句を言いつつ、例によって思わず見入ってしまった。
番組は一時間の「ちあきなおみ」特集で
もう終わりがけだったが、食い入るように何曲かに聴き惚れた。
ああ、いいなあ、うまいなあ、沁みるなあ・・・
ブツブツ独り言を言いながら、深い歌声にあらためて陶然となってしまった。
この人は単に歌がうまいとかヘタとかいうレベルではなく
歌の神様からまったく次元の違う特別な「何か」を授かったのではないだろうか。
芸能界から忽然と姿を消してすでに20年以上が経つのに
今なお「復帰待望論」が絶えない。
署名活動でもあれば私もぜひ一筆をと思うのだが
ご本人は依然として沈黙を守ったまま、ドンドン伝説になって行ってしまう。
ああ、もったいない、もう一度、生ちあきなおみを見たい!
復帰待望論ならこの人も負けていない。
輝くばかりの美しさのまま、27歳の若さで逝ってもう30年である。
テレビや映画関係者の間では未だに「夏目雅子がいたらなあ・・」という声は聞かれるし
没後10年を記念した100冊限定の写真集プレゼントの企画には
全国から実に25万人以上の応募があったと言う。
永遠に色あせぬ笑顔と美貌、みずみずしい感性、凄まじいばかりの女優根性。
ああ、もう一度、夏目雅子を見たい!
鶴田浩二さんは数少ない「男が惚れる」俳優だった。
東映任侠路線のカッコよさもさることながら
山田太一のテレビドラマ「男たちの旅路」の中で見せた
特攻隊生き残りの頑固なガードマン役・吉岡司令補の演技は秀逸だった。
いま、本当の意味で「色気」を感じさせる俳優がいるだろうか。
世の中、右を見ても左を見ても、真っ暗闇じゃこざんせんか・・
よこやまやすしは天才である。
人間としてはすべてにおいて「どうしようもない男」であったが
人を笑わす才能においてはまさに天才的であった。
下らないギャグと楽屋話だらけの最近のどうしようもないお笑い界を見ていると
ああ、ここに「やっさん」がいれば・・と思ってしまう。
酔眼朦朧の開高健である。
勝手に「人生の師」と仰いでからもう20年が経つ。
その豊饒なる言葉の世界と、アイロニー精神、そして群を抜く行動力。
もし、開高健が生きていたら・・・
大震災後の日本を、安倍政権を、再び戦争へと向かっていく日本を
どう看破するのかを見てみたいと思う。
ああ、もう一度逢いたい人が多いなあ・・・