「久々の『野島』だな」と、歩いて行ってみると、なんと定休日。これは、想定外だった。だが、秋津には、まだまだ立ち飲みがあるじゃないか。秋津駅と新秋津駅の間をうろうろした。
ピンクのテントに福助の絵。おにぎり屋さんの看板はそのままだが、着物の早苗さんはもういないようだった。また、輸入ビールを置く、スタンディングバーの「Tienda」も閉店。街の移り変わりは早い。
じゃあ仕方ない。「もつ家」に行くか。
何年ぶりだろう。ざっと、数えて5年ぶりか。この「もつ家 本店」に入るのは。
相変わらず店内は混雑していた。店の奥の方にスペースがあるというので、狭い空間を分け入って、狭い空間にポジショニングした。
けれど、店の様子がおかしい。周囲の人が言うには、店員さんが急に休んでしまい、ママさんが一人で切り盛りしているという。そのママさん、以前来たときの肝っ玉母さんとは、また違う人のようだ。
「今、非番の従業員を呼んだから、もうちょっと待っててね」。
カウンターに立つ3分の1の客はつまみが全く出ていない状況だった。。だが、誰一人文句を言うものはいない。それどころか、「ゆっくりやって、ママ」と温かい声をかけるおじさんもいる。
仕方ない。じっくり待つか。
ボクが注文したのは「ホッピー 白」。
飲み物を作るだけで、手いっぱいのママ。ボクのホッピーが来たのは約10分後だった。そのピンチの状況に終止符が打たれたのは、それから10分後。非番の従業員が到着し、いきなりサクサクと接客が円滑になった。
お客はやんややんやの大喝采。
ここぞとばかりに、「もつ家」の「煮込み」を注文した。やっぱり、ここに来たら、何はともあれ「煮込み」でしょ。大鍋で煮込まれた本物の煮込み。この馬鹿でかいお椀一杯が、たったの350円。持ち帰りで、訪れる客も後を絶たない。
一口食べる。
うんうん。十分に煮込まれている。やっぱうまいよ。たった350円だけど、これ相当な量だよ。極端なところ、これだけで十分。
隣のおじさんと話が弾んだ。個人タクシーをしているというおじさんは、今日非番だという。時折、おじさんはしゃっくりなのか、咳なのか、分からない音を口からだした。その度に会話が途切れるので、何を喋っているのか分からない。それでもおじさんは一生懸命に話すので、ボクはとにかく聞いてあげた。
串焼きも頼みたかったが、余りにも時間がかかりそうなのでやめた。3杯目の「ナカ」をおかわりして、店を出た。
うまい「煮込み」だけで、「もう満足」。そう自分に言い聞かせて、店を出た。
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