
♪かっぱっぱぁ、るんぱっぱぁ、かっぱキザクラかっぱっぱぁ、こんぴりぴん、呑んじゃった、ちょっといい気持ちぃ、Year!
のぉめる、のぉめる、のぉめる、のぉめる、いぃけるけるけるけろっく♪
頭の中であの懐かしのカッパ黄桜ソングが何度もこだましている。
店の奥には小麦色に焼けた素肌を露わにしている全裸女性のヌードポスター(等身大)。
そして、酔ったおっさんたちの阿鼻叫喚。決してお店の雰囲気は悪くないのだが、何も頼んでいないのに、次々と料理が運ばれてくるのは何故だろう。
卓につくとまず丼いっぱいのポテトサラダが運ばれてきた。これは多分つきだしだろう。相当な量だ。600gはある。きっと。ぬらぬらと湿り気を帯びたポテトサラダは恐らく手作りだ。口に頬張ると市販品の それとは違って甘すぎず辛すぎず、自然の素材を活かした味。こりゃあ、いける!
注文した生ビールが運ばれてきて乾杯すると、今度は筍の煮付けが運ばれてきた。「えっ頼んでないぞ、これ」。と我がホッピー研究会の会長が吠える。「ここは勝手に料理が出てくる居酒屋だよ」となだめた。ボクは以前、東京神田の古きよき居酒屋「寿々屋」には一度来ていて、一応の事情は知っていた。次から次へ勝手に料理がどんどん出てくるのである。思わずウチの会社の社長は「何で勝手に出てくるんだ」と憤慨していたっけ。
筍は多分そこらのスーパーで買ったもんじゃない。どこか知り合いの農家から仕入れたもんだろう。だって、この量、普通に買ったら相当値が張る。しかも、新鮮でうまいし。筍独特のエグみもないから昨夜一晩水に浸けてしっかり仕込んできたナ。
と、思っていると今度はハマチの刺身が出てきた。これにはすりおろされたニンニクが添えられている。よくみるとそれは青い。ボクらが不思議がっていると寿々屋の親父、「にんにくの芽は青いだろ。だから青いんだよ」などという。一応笑っておいたが、実はなんのことかさっぱり分からなかった。ともあれ、そのニンニクをたっぷり浸けてガブリと食す。青いニンニクは少し辛味が効いて実にうまい。言い忘れたが寿々屋の親父は立川談志風のおやっさんである。いかにも神田生まれといった風情で、神田明神の大祭を控え(飲みにいった日はまだGW前である)そわそわした体なのだ。そんな捻り鉢巻の談志が微妙に残る東京弁で青いニンニクを説明すれば上野広小路で小噺聞いているようにそれは聞こえてくる。
生ビールを2杯いったあたりから、あの楠トシエさんの歌声が頭の中でかかり始めるのである。♪ウィック、ハック、ヒック♪と始まるカッパの歌。小島功さん画による裸の美人カッパがおじさんカッパにお酌して、メロメロに酔わせてしまうあの懐かCMだ。
別に寿々屋に黄桜が置いているわけではない。ここのお酒は吉野川のようである。だが、カッパの歌がかかる理由はこの店が70年代の風情だから。風情といえば語弊がある。ここは70年代から時間が止まっているようだ。
と、そうこうするうちに運ばれてきたのが鯵フライ。しかも、またもや勝手に。
筍もハマチも相当な量があった。ここで既にお腹いっぱいになりそうなものである。だが、既に我々は談志のペースにはまっている。恐怖の勝手にスパイラルはこうして徐々に我々の心を蝕んでいくのであった。
しかし、お腹はいっぱいになっていても揚げたてアツアツの鯵フライはうまいものだ。酎ハイにもよくあうあう。
さて、腹も落ち着いたし、そろそろ帰るか、といった段で談志は次の料理を運ぼうとしている。おっ、とその前に帰らねば、席を立つと「もう帰るんかい?」と談志。何とか恐怖の勝手にスパイラルを断ち切るべく、勇気を振り絞ってのお勘定。実はまだまだ続きの料理が用意されていたのかも。実は噂によるとデザートの果物が出るとの情報もどこかで聞いたことがある。
「ありがとね」、談志の声が響いた。目が笑っていない・・・かも。
♪古い暖簾のモダンなあ~じ。かっぱっぱぁ、るんぱっぱぁ、キ~ィザクラ~ァ ウィック、ハック、ヒック♪
あ~ぁ、すっかり酔っ払ってしまった。
のぉめる、のぉめる、のぉめる、のぉめる、いぃけるけるけるけろっく♪
頭の中であの懐かしのカッパ黄桜ソングが何度もこだましている。
店の奥には小麦色に焼けた素肌を露わにしている全裸女性のヌードポスター(等身大)。
そして、酔ったおっさんたちの阿鼻叫喚。決してお店の雰囲気は悪くないのだが、何も頼んでいないのに、次々と料理が運ばれてくるのは何故だろう。
卓につくとまず丼いっぱいのポテトサラダが運ばれてきた。これは多分つきだしだろう。相当な量だ。600gはある。きっと。ぬらぬらと湿り気を帯びたポテトサラダは恐らく手作りだ。口に頬張ると市販品の それとは違って甘すぎず辛すぎず、自然の素材を活かした味。こりゃあ、いける!
注文した生ビールが運ばれてきて乾杯すると、今度は筍の煮付けが運ばれてきた。「えっ頼んでないぞ、これ」。と我がホッピー研究会の会長が吠える。「ここは勝手に料理が出てくる居酒屋だよ」となだめた。ボクは以前、東京神田の古きよき居酒屋「寿々屋」には一度来ていて、一応の事情は知っていた。次から次へ勝手に料理がどんどん出てくるのである。思わずウチの会社の社長は「何で勝手に出てくるんだ」と憤慨していたっけ。
筍は多分そこらのスーパーで買ったもんじゃない。どこか知り合いの農家から仕入れたもんだろう。だって、この量、普通に買ったら相当値が張る。しかも、新鮮でうまいし。筍独特のエグみもないから昨夜一晩水に浸けてしっかり仕込んできたナ。
と、思っていると今度はハマチの刺身が出てきた。これにはすりおろされたニンニクが添えられている。よくみるとそれは青い。ボクらが不思議がっていると寿々屋の親父、「にんにくの芽は青いだろ。だから青いんだよ」などという。一応笑っておいたが、実はなんのことかさっぱり分からなかった。ともあれ、そのニンニクをたっぷり浸けてガブリと食す。青いニンニクは少し辛味が効いて実にうまい。言い忘れたが寿々屋の親父は立川談志風のおやっさんである。いかにも神田生まれといった風情で、神田明神の大祭を控え(飲みにいった日はまだGW前である)そわそわした体なのだ。そんな捻り鉢巻の談志が微妙に残る東京弁で青いニンニクを説明すれば上野広小路で小噺聞いているようにそれは聞こえてくる。
生ビールを2杯いったあたりから、あの楠トシエさんの歌声が頭の中でかかり始めるのである。♪ウィック、ハック、ヒック♪と始まるカッパの歌。小島功さん画による裸の美人カッパがおじさんカッパにお酌して、メロメロに酔わせてしまうあの懐かCMだ。
別に寿々屋に黄桜が置いているわけではない。ここのお酒は吉野川のようである。だが、カッパの歌がかかる理由はこの店が70年代の風情だから。風情といえば語弊がある。ここは70年代から時間が止まっているようだ。
と、そうこうするうちに運ばれてきたのが鯵フライ。しかも、またもや勝手に。
筍もハマチも相当な量があった。ここで既にお腹いっぱいになりそうなものである。だが、既に我々は談志のペースにはまっている。恐怖の勝手にスパイラルはこうして徐々に我々の心を蝕んでいくのであった。
しかし、お腹はいっぱいになっていても揚げたてアツアツの鯵フライはうまいものだ。酎ハイにもよくあうあう。
さて、腹も落ち着いたし、そろそろ帰るか、といった段で談志は次の料理を運ぼうとしている。おっ、とその前に帰らねば、席を立つと「もう帰るんかい?」と談志。何とか恐怖の勝手にスパイラルを断ち切るべく、勇気を振り絞ってのお勘定。実はまだまだ続きの料理が用意されていたのかも。実は噂によるとデザートの果物が出るとの情報もどこかで聞いたことがある。
「ありがとね」、談志の声が響いた。目が笑っていない・・・かも。
♪古い暖簾のモダンなあ~じ。かっぱっぱぁ、るんぱっぱぁ、キ~ィザクラ~ァ ウィック、ハック、ヒック♪
あ~ぁ、すっかり酔っ払ってしまった。
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