
翌朝、つまり仕事当日、空はどんよりしていたが台風の影響はなかった。空模様と同様、自分もどよーん。昨夜はだいぶ飲み過ぎた。特に「長浜家」の焼酎が効いた。あれは余計だったなと思う。よりによって大切な仕事の日だというのに。
とりあえず、朝食はしっかりとろう。
時刻は7時前。ホテルを出て喫茶店を探す。実は朝早く営っている喫茶店て少ない。9時前から営業するのは大抵チェーン店だ。ただ、なんかあるだろうと赤坂駅近くに行くと、すぐに喫茶店が見つかった。店内は電気が点いていて、営ってるみたいだ。
ところが店内に入ると人はいない。テレビは点いているから、すぐに戻ってくるだろうと席に着いて待ってみた。
10分くらいすると、「買い物行っててさ」とお父さんが戻ってきた。
いいなぁ。
福岡は店をもぬけの殻にしても平気な世の中なんだ。
お父さんにモーニングをお願いすると、ものの5分ほどですぐ運ばれてきた。
トースト、ジュース、ゆで卵、そしてコーヒー。これで450円。
柑橘系の酸っぱいジュースは、アルコールっぽい口の中がビリビリした。もしかしたらまだ、アルコールが結構残ってるのかしら。
テレビはNHK BSで、「あまちゃん」を放映している。たかだかまだ10年前のドラマなのに、なんだかもう古臭い。やはり10年てひと昔なんだなと思う。それでもまだ、自分の中ではNHK朝ドラの中では「あまちゃん」が今も一番だ。
7:30を過ぎる頃、お客さんが一人二人入ってきた。店のマスターには何も告げず、新聞を手にとり、煙草を吸い始めた。マスターは彼らの朝食を作り、それぞれのテーブルの前に置いた。この人らは毎朝、こうしてこの店に来て、朝を過ごすのだろうか。
コーヒーがやたらとおいしいのはまだ酒が抜けてないというのもあるが、それよりも豆の仕入れとマスターの淹れ方がいいのだろう。
喫茶店に入れば、ファーストインプレッションで、お店とマスターの人となりが分かる、と言ったら生意気だろうか。
長年、お店を毎朝早くから開けて営業されてきたのだろう。こじんまりとしながらも清潔でいいお店である。派手さはなく、主張もない。でもそれがマスターの人柄を表している。一日を大切に生きてきたマスターの営みをお店に垣間見ることができる。明日を信じて。
自分にとって、二日酔い気味の明日はきつかった。
大切な仕事の日なのに、未だにこんな馬鹿なことをしてるなんて。マスターの爪の垢を煎じて飲まなければ。
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