湯島で本を納品した帰り道。一つの仕事が終わった安堵感を胸に抱えながら、アメ横を歩いた。
「なんか飲むかな」。
ところが、「大統領」は言うまでもなく満席。「肉の大山」も何故か混雑。「たきおか」もそこそこ人が入っている。どこ行こうかな。目の前の「カドクラ」を見ると、なんだか妙に空いている。一時はものすごい人気だったが、今はもう昔。
ふと、「おとんば」を思い出した。半年前に行った際、店頭に立ち飲みスペースがあった。「おとんば」で立ち飲むか。出かけてみると、立ち飲みスペースには先客が一人いたが、もう一人分の空間は空いていた。ちなみに店内は満席状態で、店員さんに、「外で飲む」とゼスチュアで示した。
「おとんば」の本店は6年ぶり。半年前に来た際は、満席で入れなかったのだ。
まずは「ホッピー」セット白から。
メニューを眺めると、素晴らしいものを発見。それが、「れば三昧」で、パテやムース、刺しもののレバーを楽しめるらしい。早速、オーダーすると、「売り切れ」とのこと。おいおい、まだ17時前なのに。仕方なくオーダーしたのが、「たこチャンジャ」。さすが東上野に近いだけあると楽しみにしていたら、これがほぼキムチでがっかりした。
気を取り直して、「たん刺し」とレバーとかしらの焼き物をオーダー。しかし、串焼き一本90円はお値打ち。
実は天気が優れず、さっきから遠くで雷が鳴っている。店頭の立ち飲みスペースで雨でも降られたら大変なことになる。これはちょっと急いだ方がいいかも。そういう空気を察したのか、隣の御仁は早々と撤収した。
「おとんば」の串焼きは90円とは思えないクオリティである。ボリュームといい、炭火の焼き方といい、いずれも90円とは思えない。
「たん刺し」はにんにく、ゆず胡椒がついて、いろんな楽しみ方があるが、これはちょっといまいち。
やや急ぎ気味に「中」をお代わりし、自分も撤収。
上野駅の中央口に入って数分後、ものすごい雨が降り始めた。構内にいた人が一斉に天井を見上げる。豪雨が天井を叩きつけていて、その音が響き渡っているのだ。
いやはや危ないところだった。
「大統領」に入れなくても、アメ横には、「おとんば」がある。
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