
三島駅の北口は南側と比べると非常に寂しい。お店がないし、高い建物があまりない。そんな疑問をタクシーの運転手さんにぶつけたら、まぁ喋ってくれた。三島駅北側は旧日本軍の施設が多かったこと。新幹線駅を誘致する際の状況と顛末。この辺りは昔、柿農家が多かったこと。へぇ、みかんが特産ではないのか。そして、運転手さんの大学時代のこと。いずれも貴重な話しばかりだった。
仕事が終わったのが15時半。それからまたタクシーで駅に戻ると16時になっていた。さて、何か飲むか。
実はタクシーに乗車中、怪鳥とショートメールでやりとりをしていた。怪鳥が夏に三島に泊まった時の飲食店情報を詳細に教えてくれた。自分としては立ち飲みに行きたかったが、ネット情報だと相変わらず伊豆高原鉄道の駅に隣接した屋台風の店しかないらしい。その店まではとてつもなく遠い。
駅の南口に出て、店を物色する。飲屋街の本格居酒屋が一軒開いていたが、仕事が終わってリラックスして飲みたいから、まずはパス。
怪鳥が教えてくれた「香香飯店」はまだ開店前。その斜向かいに「横濱 魚萬」という店が営っていたが、三島まで来て横濱はないだろうと思い素通りした。しばらく立ち飲みを探したが、立ち飲みどころか開店している店を探す方が困難で、また駅の方に戻ってきたのだった。
怪鳥のアドバイスによると、最後の手段は、駅に隣接した「福の軒」という店らしい。早い時間でも開いていて、リーズナブルらしい。歩き疲れたから、その店に向かった。
店に着くと、なるほど外観はチェーン店ぽい。怪鳥が言うには、「かぶら屋」系列のお店とのこと。串焼きもあるのか。
お店に入り、カウンターに座った。とりあえず一安心。
店内には女子高生が数人。そして老女が2人。それぞれボックスシートでラーメンを食べている。なるほど、酒場機能だけではなく、普通のラーメン屋使いもできるらしい。
メニューを眺めると、「ホッピー」はなし。ならばと「酎ハイ」(386円)からスタート。つまみには「ポテトサラダ」(308円)に「水餃子3個」(275円)をオーダーした。
普通にうまい。ポテサラはオーソドックスだったが、手作り感があっていい。近年の安価系立ち飲みは雑な盛り方をするところが多いが、盛りは丁寧だ。一方、「水餃子」も手早く出てきて驚いた。最新のキッチンシステムが目の前で見られて、それも納得。温かい料理が体に沁み渡る。
店員さんは2人だが、串焼きは持ち帰りのお客さんもいて、かなり忙しそうのだが、いい動きをしている。
はじめは空いていたカウンターだったが、やがてお客さんが増えてきて、自分の2つ隣に老女が座った。そしね「カルピスサワー」をオーダーした。老女は飲み客だった。すると今度はやや年配の男性が席に着き、ビールをオーダーしたところで、ケータイに電話が入ったとみえ、小声で話し始めた。
彼は電話の相手に「今、焼き鳥屋で一杯」と言った。
いや、ここは串焼きメインの「かぶら屋」ではなく、ラーメン酒場だからと突っ込みを入れたくなった。
このようにまさに老若男女が集う店で、雰囲気は悪くはなかった。自分的にはリラックス出来る店だったから大満足だ。怪鳥様々だったし、さすが怪鳥。
メニューは串焼きの他、串揚げもあったりする。だから、串揚げの「赤ウィンナー串」(121円)と、串焼きの「ねぎま」を2本(220円)、タレで追加した。
「ねぎま」が意外にもボリューミーだ。
「かぶら屋」はやきとんと串揚げ、そして黒おでんがメインメニューだが、「福の軒」は焼き鳥に串揚げ、静岡おでんにラーメンをはじめとした中華の機能がつく。「かぶら屋」とはかぶらないコンセプトだ。しかも、メニューの幅が広い。最後は豚骨ラーメンで〆られる。まさにワンストップ酒場だ。
ところで、この豚骨って、「かぶら屋」で仕入れる屠畜ルートだったら、それはまたすごい。
最後はラーメンで〆るべきだろうと思い、逡巡した。実はもう一軒行きたい店があったのだ。ラーメン酒場だから、ラーメンを食べずに店を去るのは心残りではあるが、会計して店を後にした。
「福の軒」、今度は東京で会おう。
関内店がここに近いようだね~。
東京だと埋もれてしまうかもだけど、三島だと人気店かもね~。
駅近なら、三島に限らず需要あると思うよ。
「かぶら屋」には行こうと思わないけど、「福の軒」なら可だね。
ただ、「ホッピー」がないのはマイナスかな。