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居酒屋さすらい 0842 - 299円/30min 飲み放題の衝撃 - 「やきとり ○金(まるきん)」(台東区上野)

2015-03-25 23:41:55 | 居酒屋さすらい ◆東京都内

社長に呼ばれ、会社を出た。例によって、居酒屋「村役場」での打ち合わせである。

JRの高架沿いを社長と並びながら、無言で歩く。

いよいよ「村役場」に近づき、左折するであろう交差点に差し掛かったとき、社長の足はそこをすり抜けた。

意外だった。一時期、「村役場」以外の店を新規開拓しようという気概があったが、ここ最近は落ち着いていた。「村役場」以外にいいお店を見つけたのだろうか。

 

御徒町駅南口に出ると右折し、高架をくぐった。すぐさま、左折し再び高架沿いを行く。

「すし屋銀蔵」にでも行くつもりなのだろうか。

左折して1分あまり、「ここに行くか」と指をさすのは「○金」という店だった。

一体どこで、この店の情報を掴んだのだろうか。

 地下1階にあるこの店のシステムは一風変わっていた。

30分299円の飲み放題。これだけでも驚きなのだが、更にたまげたのは、酒がドリンクバーシステムになっている点である。

つまり、セルフなのだ。

酒は70種類との触れ込みだが、カクテルやハイボール、そして梅酒がぐだぐだとメニューに書かれている。理解できないのが、ハイボールの欄である。「いちご」や「りんご」、「みかん」といったフルーツ名が書かれているのだが、これがよく分からない。フルーツ味のハイボールがあるのだろうか。

ビールはスーパードライ。本格焼酎も6~7種類程度用意されており、へぼへぼ感はない。この他、「ウーロンハイ」「緑茶ハイ」といった定番メニューが続く。だが、それにつけても30分で299円の飲み放題とは恐れ入る。

我々は30分で4杯の生ビールを飲んだのだが、単純に計算しても1杯75円弱で飲んだことになる。ジョッキは小ぶりなのだが、それでもお得感は高い。

どうやって利益を出しているのだろうか。

 

気になったのは、酒肴の価格である。それほど安くないのだ。

「生ブロッコリーの塩茹で」が499円。「ポテトサラダ」が439円。「チョレギサラダ」499円。

飲み物の値段に対してアンバランスともいえる価格設定である。

主肴である焼き鳥が60円~、となっていたが、これもよく分からなかった。酔いに麻痺して、何が安くて、何が適正でないという感覚も段々と鈍ってきたのだった。

焼き鳥を数本頼み、テーブルに備え付けられている壺のタレをつけようと試みたのだが、このタレがすさまじかった。まず、壺のふたを開けた途端、目がしばしばした。

強烈なにんにく臭なのである。こってり度抜群のにんにくタレは超強烈な代物だったのである。

 

後日、社長に聞いてみた。

「○金は安かったですか?」と。

すると、こんな答えが返ってきた。

「なんだかんだいって高かった」。

この日以来、社長は二度と「○金」の暖簾をくぐっていない。

飲み物は信じられないくらいに安価だが、その分、料理にオンされているような気配がありありなのだ。

世の中にうまい話などない。だが、面白いビジネスモデルだと思う。

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