日本の南部にあるとされる「ちぇるちぇるランド」は実は吉川市にあった。
吉川ってどこ?
と恐らく多くの人が尋ねるだろう。
都心から1時間程度のところなのに、知名度は低い。
「ほら、鯰で有名な…」
と言われたところで、更に混乱する。
埼玉県越谷市の東側、武蔵野線沿線の小さな市である。
1年前に入社したもの、未だに新人扱いのH常。
平成生まれのチャラ男は見てくれもりゅうちぇるそっくり。そこで、会社では密かにりゅうちぇると呼ばれているのだが、彼が入社時の面接で語った「趣味は風呂です」は今もって語り草だ。
自宅の近所にあるスーパー銭湯の年間チケットを購入し、毎日19時から90分ほど風呂に入るのを日課としていることを面接で滔々と語ってくれた。そのスーパー銭湯にみんなで入りに行こうという計画が持ちあがった。
ゆうちぇるを虜にするというその風呂とはどんだけいいのか。
我々はつくばエキスプレスと武蔵野線を乗り継いで行ってみた。
驚くことにそのスーパー銭湯「ゆあみ」は銭湯ではなく、温泉だった。
しかも意外にもその歴史は古いらしい。だが、地下1,500mからくみ上げるという天然温泉に伝統も何もあったものではないような気がする。
入浴料900円。
大小のタオルを借りて150円。
露天風呂も含め、7つの湯船とサウナがついた設備で計1,050円。
まぁ、妥当なところであろう。
設備はやや古いような気もしたが、及第点のお風呂である。
お湯は若干、茶に濁っているような気もする。
ぬめり感はなく、さらりとしたお湯感覚。
平日の夜にお邪魔したが、人はそこそこ入っている。
ただ、露天温泉は隔絶された雰囲気でそれほど風情はない。
それほど語るべきところがない「ゆあみ」だが、ひとつだけ特徴を挙げよと言われたら「智光薬湯」を紹介したい。
生薬を配合した独特の湯船だが、強烈な香りを醸し出している。いかにも濃いぞ!というやや緑がかった風呂に一歩足を踏み入れるとちょっとした刺激が肌を刺す。
とにかく、生薬が濃いのである。
幾つもの成分を混合したという生薬の中のひとつに唐辛子があるようで、これがどうやら強烈らしい。
「ここ、数分入っただけですごいことになりますよ」と言って去っていったりゅうちぇるの言葉はその後にわかに現実化した。
5分ほど入っていると、突如股間の先端に痺れるような痛みが走る。
いや、先端だけでなく、睾丸も熱を帯びてくるような感じがした。
はじめはその違和感に戸惑い、気のせいかとも思ったりもしたが、やがてその痛みに似た感覚は少しずつ悪化した。
場所が場所だけにボクは少し怖くなった。
股間の痛みは恐怖である。
ボクは湯船から出て急いで、カランへと向かい、シャワーで股間を流した。
すると、少しずつその痺れは収束していった。
何故、股間だけがこうなるのだろうか。
もしかすると、この風呂、股間を鍛える効能があるのかもしれない。
まさに生薬。
その後、少しずつその感覚が病み付きになった。
サウナと「智光薬湯」を何度か往復した。
何度入っても股間にだけ、痺れがくる。
毎日、このお湯に浸かると、もしかしたら、強力に元気になるのかもしれない。
ちぇるちぇるランド、恐るべしである。
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