
6時を過ぎて、夏の日射しはいくらか翳りを見せていた。
東大の広大な敷地をでたらめに歩き、不忍池のほとりの門をくぐると、木立が鬱蒼とした小道に出た。
下り坂のその小道は、森鴎外の小説「雁」を思い起こさせた。
書生が毎日の散歩の道中でとある家に住む女性に心惹かれていく物語である。
下り坂にさしかかるその家を過ぎると、不忍池へと出る。
その風景を思い浮かべながら、ボクは歩いた。
蝉の声がボクの足音と交錯する。聞こえてくるのは、この音だけ。
街のざわめきなど聞こえてこない。
やがて、不忍池が見えてくるだろう。
だが、そこで物思いに耽る時間はおしまい。
街の喧騒がボクの思考に侵入してくる。
どこかでビールを飲みなおそうか。
だが、適当な店が見つからない。
谷根千の根津エリアは一体どこなのだろうか。
どこまでもコンクリートの街である。
「養老乃瀧」。
地下に続くビールへのいざない。
静かなお店だった。
「養老乃瀧」はチェーン店でありながら、オーナーの自由度が高いお店である。
だから、お店の雰囲気はオーナー色に染まる。
この落ち着き感はきっとオーナーの人柄にあるのだろうと思う。
おじさんがオーダーを取りに来た。
もしかしたら、もしかしたら、このお父さんがオーナーだったりして。
生ビール(420円)と「鳥もも唐揚」(473円)。
ビールには唐揚げが一番よく合う。
斎藤和義さんの気持ち、よく分かる。
東海林さだおさんはビールに最も合うつまみを「ケンタッキー」と言った。
ケンタッキーはたしかにおいしい。でも、脂とスパイスがくどい。
やっぱり鳥ももの唐揚げが抜群。
唐揚げはチューハイ(347円)とも相性は悪くない。
唐揚げの脂分をチューハイの炭酸がきれいに洗い流してくれる。
「養老乃瀧」のチューハイは甘くない。
だからね。
飽きないんだろね。
唐揚げのきつね色はまるで暮れなずむ不忍池の景色に似ている。
ビールのような色の月が水面に映ったとしたら。
きっと寂しさもきれいすっきりと洗い流してくれるのかもしれない。
チューハイのように。
東大の広大な敷地をでたらめに歩き、不忍池のほとりの門をくぐると、木立が鬱蒼とした小道に出た。
下り坂のその小道は、森鴎外の小説「雁」を思い起こさせた。
書生が毎日の散歩の道中でとある家に住む女性に心惹かれていく物語である。
下り坂にさしかかるその家を過ぎると、不忍池へと出る。
その風景を思い浮かべながら、ボクは歩いた。
蝉の声がボクの足音と交錯する。聞こえてくるのは、この音だけ。
街のざわめきなど聞こえてこない。
やがて、不忍池が見えてくるだろう。
だが、そこで物思いに耽る時間はおしまい。
街の喧騒がボクの思考に侵入してくる。
どこかでビールを飲みなおそうか。
だが、適当な店が見つからない。
谷根千の根津エリアは一体どこなのだろうか。
どこまでもコンクリートの街である。
「養老乃瀧」。
地下に続くビールへのいざない。
静かなお店だった。
「養老乃瀧」はチェーン店でありながら、オーナーの自由度が高いお店である。
だから、お店の雰囲気はオーナー色に染まる。
この落ち着き感はきっとオーナーの人柄にあるのだろうと思う。
おじさんがオーダーを取りに来た。
もしかしたら、もしかしたら、このお父さんがオーナーだったりして。
生ビール(420円)と「鳥もも唐揚」(473円)。
ビールには唐揚げが一番よく合う。
斎藤和義さんの気持ち、よく分かる。
東海林さだおさんはビールに最も合うつまみを「ケンタッキー」と言った。
ケンタッキーはたしかにおいしい。でも、脂とスパイスがくどい。
やっぱり鳥ももの唐揚げが抜群。
唐揚げはチューハイ(347円)とも相性は悪くない。
唐揚げの脂分をチューハイの炭酸がきれいに洗い流してくれる。
「養老乃瀧」のチューハイは甘くない。
だからね。
飽きないんだろね。
唐揚げのきつね色はまるで暮れなずむ不忍池の景色に似ている。
ビールのような色の月が水面に映ったとしたら。
きっと寂しさもきれいすっきりと洗い流してくれるのかもしれない。
チューハイのように。
毎年夏はオーストラリヤで過ごすという人の気持ち解るな~
軽井沢や小諸辺りでも好いですね~~
根津の養老の瀧は20年程前、新開店した頃数回行きました…
あの店の裏にはいろいろと面白い酒場が沢山あり今はそっちに足が向きます・笑
暑いのは好きですが、今年は耐えられませんね。
でも、ビールがおいしいです。
こんな時の夕方は「ヒューガルデンホワイト」の樽生が最高です。
今年も東大農学部のビール祭りに行かれますか?