
取引先に行く道すがら、いつもと違う道を通って歩いていたところ、カレー屋さんを見つけた。
「へぇ、こんなところにカレー屋さんが。明日にでも行ってみるか」。
そう思い、翌日カレー屋に向かった。お店まであと50mというところに差し掛かったところで、右手の道から若い女性が現れ、自分が進んでいる方角に曲がった。自分より1m先くらいを歩く格好になったのだが、他に歩行者がなく、僅か1mくらいの間隔で歩く自分は、なんか傍から見たら、不自然だろうなと思わせる距離だった。けれど、自分はまっすぐの道を歩いてきたわけだし、曲がって自分の目の前にわざわざポジションした方が感じ悪い。あと40mほどで自分は店に入るから関係ないし。などと思って歩を進めていくと、その女性は自分の行こうとしているカレー屋の建物に入り、階段を上がっていった。なんと彼女もカレー屋に向かっていたのである。彼女の後ろ姿を見ながら、茫然自失で自分は立ち尽くしてしまった。ここで店に入れば、まるでストーカーみたいじゃないか。ぼくは、店に入るのをやめた。会社から徒歩10分。あと少しで目的地だったのに。こんなこともあるのだなとボクは苦笑いしながら会社の方に戻った。
翌日、またそのカレー屋に向かった。
今度は横槍する人は現れず、店に入ることができた。
人通りの少ない路地。その道の建物の2階。こんな悪条件が重なった立地に「カレーCLOVER」がある。
カウンターと僅かなテーブル席がある小さな店。恐らくご夫婦と思われるお二人できりもりされている。テーブル席は女性客数名、自分の座るカウンターには女性客一名。女性ばかりの店内。
20種類のスパイスを独自にブレンド。しかも無化調という徹底ぶり。メニューは「くろーばーカレー」、「バターチキンカレー」、「ココナッツカレー」という布陣。ごはんの量が200gから100g単位で選べ、辛さもチョイスできるシステム。こりゃ、女性に人気が出るわけだ。
プレーンと思われる「くろーばーカレー」を、ごはん300g、辛さ「普通」にてオーダー。
興味深いのは、夜の営業の告知。カレーをつまみにしながら酒が飲めるらしい。酒は週変わりとのことだが、そこにラインナップされていたのが、チャイのリキュールだった。一体どんな酒なのか。興味は尽きない。
さて、「くろーばーカレー」がお出ましだ。
ごはんとカレーソースがセパレートで出てきた。陶器で出てきたがをすくってみると、なるほどうまい。インド系のスパイスカレーだ。
若干、清涼感があるのは、「デリー」の「カシミール」に似ている。ただし、「カシミール」ほど、清涼感は後をひかない。なるほど、これが女性に人気の秘密か。
副菜はたまねぎのアチャール。「デリー」、「ベンガル」のアチャールによく似ている。
あっという間に完食してしまった。
うまい。久々に感動するインドカレーだった。また一軒、通わなくてはならない店が増えたのだった。
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