外飲みが出来ず、今後しばらく「居酒屋さすらひ」は未収録のエピソードを掲載する。
今回は船橋の「一平」。時は、まだコロナ禍前。
2018年の「居酒屋アワード」店舗。大衆居酒屋の完成形。様々な人が訪れ、それぞれの飲み方で飲む。リーマンはあまり見かけない。近所のオヤジたちが集っている。この日、あまり見かけない人種を見た。世間的には死語に近いが、いわゆる美魔女。40代中頃か、お店の入口近くで飲んでいる。自分が入店すると、既にその二人組はいて、その人の横に腰掛けた。
美魔女の一人は手慣れたもんで、「一平」の空気に馴染んでいるが、もう一人の女性は明らかに浮き足だっていた。飲んでいる酒は「ボール」。なかなかのチャレンジャーだなと思った。
多分、この二人の女性はかなり親密なのだろう。いつしか、大衆酒場で昼飲みしようとなったはいいが、恐らくその度合いに温度差が生じたといったところだろうか。
だが、手慣れた方は、その空気を読んだのか、「そろそろ出ましょうか」となった。会計をすると1,200円。多分、一杯ずつしか飲んでないのだろう。美魔女が金を支払い、店を出た行った瞬間、自分が座っていた向かいの爺さんが、急に鋭い目つきになり、小さく呟いた。
「馬鹿じゃねーの」。
この常連と思しき爺さん。単なる冷やかしみたいに飲んだ美魔女らをそう罵った。
いいじゃん、別に。
何が面白くなかったのか。どうにも了見が、狭い爺さんだ。
なんだか、こっちまで気分が悪くなった。多様なお客さんが入り乱れるのが、この店の特徴ではなかったのか。お店を荒らされた気持ちになるのかね〜。いいんじゃないかな、おやつ飲みでもさ。
自分は「ボール」に、いつも通りのこんなメニューをいただき、心静かにいただいた。
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