「富士屋本店」を出て、お腹はいっぱいだったが、「兆楽」に行くことにした。かれこれもう5ヶ月ぶり。「光栄軒」よりもご無沙汰。お店は変わり映えしていないと思うが、久しぶりに行っておきたかった。
もう5か月か。
渋谷の仕事は1年に3冊、本を作ることになっている。4か月に1回。それにも関わらず、本の製作は頓挫していた。担当の方の仕事ぶりがどんどんとルーズになっていったのだ。予定を事前にアナウンスし、それに沿って仕事を進めても、ちっともそれにこたえてくれない。そればかりか、メールにすら返信が来なくなったのだ。まぁ、忙しいのだろうと、こっちも極力せっつかないようにはしてきた。でお、この会社だけで完結すればいいものを、自分が獲得してきた広告の企業に、「本の発刊が遅れています」と謝りにいかなければならないし、入稿を待っている印刷屋にも謝らなければならない。とても自分だけでは限界があった。返事が来ない担当者に「見通しを教えてください」とメールしても、なしのつぶて。連絡が来たのは、それから2週間後、「明日準備できます」というメールだった。いや、見通しを聞いたわけで、準備完了の前日にメールをもらっても、こっちの準備はさらに数日かかる。この人よほど仕事できないんじゃないか。そう思ったりした。今回はさらにもっとルーズになった。これはもう我慢の限界だった。だから、その会社の代表者に相談に行った。それがこのざまだった。
店内は空いており、カウンターに着座。
「ルースー春雨」単品と「紹興酒」をオーダーした。おもむろに厨房を見ると、やはりカーネル女史はいなかった。辞めてしまったのか。それともシフトが変わったのか。見たことのあるおっさんはいたが。
オーダーから僅か数分。「ルースー春雨」が到着。相変わらず早い。
見た目を確認。唐辛子はほぼない。
5ヶ月前の前回訪問時は、どういう訳か、ピリ辛の赤い「ルースー春雨」を出された。今までとは違ういでたちの。いや、ピリ辛もそれはそれで悪くはなかったが、ただ少しだけ驚いた。
今回の「ルースー春雨」は従来通りのものであり、味も同じで、ホッとした。お腹はいっぱいだったが、スルスルっと入っていった。うまいものは腹いっぱいでも食べられるもんだ。ただ、お酒はもう欲してなく、「紹興酒」は一本で、お会計をした。
「兆楽」に行けて、気持ちがなんだかすっきりした。
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