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居酒屋さすらい 0873 - 空港に角打ち。絶品の地産地消 - 「角打 鍋島」(宇部市沖宇部八王子)

2015-06-05 14:07:54 | 居酒屋さすらい ◆立ち飲み屋

角打とは挑戦的な屋号である。

山口宇部空港の出発ロビー。いつのころだったか、この店が出来たのは。

角打といっても、酒屋ではないし、ましてや居酒屋といった風情でもない。強いていえば、うどん屋。

ただ、山口県が誇る日本酒「獺祭」ののぼりがあって、唯一それが角打らしさをかろうじて演出する。だが、もしかするとこの「鍋島」の経営は「獺祭」の旭酒造なのではないかとの疑問もわく。もしそうだとすれならば、角打と名乗っても不思議ではない。

その角打だが、基本的には、これから宇部を離れる、つまり飛行機に搭乗する人が客である。見送りに来た人のほとんどがクルマを運転する人だから、ここでわざわざ酒を飲むことはないだろう。中には、複数の人で見送りに来て、運転者を除いて、酒を飲むという人もいるだろうが、それでもそう多くはないはずだ。東京に向かう者だけがこの角打を利用するのである。

わたしも長らく、この角打を利用したかった。だが、それはそう簡単なことではなかった。

義母、あるいは義父が見送りにきてくれるのだ。その義父母をさておいて、酒を飲むことなどできない。

そうやって、何年もこの小さな屋台のような店をスルーしてきた。

 

だが、ようやくその願望をかなえる時がきた。

義母がちょっとした用事で帰宅したのだ。

その隙を狙って、わたしは神楽の山車にも似た、店舗に向かった。家族に「ちょっとビール、飲んでくる」といい残して。

 

「獺祭」を飲む勇気はない。これから飛行機に乗るというのに。

生ビールは山口萩の「ちょんまげビール」。

まさに「花燃ゆ」。これがジョッキで600円だ。

 

つまみも豊富。

「蒲さし」が150円。宇部のかまぼこは他とはちょっとちがう。歯応えがあって、この食感がたまらないのだ。

そして、ふぐ。山口らしい。

「燻製」も「酢の物」も150円。

山口では、ふぐをふくと言う。恐らく、福とかけた縁起を担いだ言葉なのだろう。

そして、「ビーフジャーキー」(150円)は見島産無角牛というもの。

まさに、山口をぎゅっと凝縮したような店舗といえる。


その「ちょんまげビール」はピルスナーとペールエールの2種類。

とりあえず、前者をいただいたのだが、これがうまかった。

実に正統派のピルスナーだった。最近のクラフトビールは、ホップをやたらきかせているのが多いが、ホップに惑わされずに、すっきりと飲める代物だった。

 

何故、空港に立ち飲みが?

いや、ANAフェスタのようにスナック的店は空港に必ずあるが、本格的立ち飲みは珍しい。

しかも、一日10往復の地方空港で。

 

ともあれ、山口が誇る日本酒と今最もホットな街、萩のクラフトビール。そして、おいしい珍味たち。まさに地産地消の立ち飲みなのである。

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