居酒屋さすらい 1947 - 初ドラ - 「立ち飲み居酒屋 ドラム缶 渋谷店」（渋谷区道玄坂）

もう渋谷の立ち飲みは全て行き尽くしただろうと思っていた。そろそろ、次の原宿に向けて旅立とうかなと思っていたところ、この日訪問したW社のS藤さんに、「『ドラム缶』は行きましたか？」と尋ねられた。

え？　渋谷に「ドラム缶」？

ネット検索すると、確かにヒットした。全くノーマークだった。

そもそも、「ドラム缶」自体、行ったことがなかった。何年か前、町田の「ドラム缶」に行ったが、お店は営っていなかった。閉店したのか、休業中なのか。まだ、コロナ前のことである。店舗数が急増する、この立ち飲み屋だが、何故かこれまで縁がなかった。

スマホのマップを頼りに行ってみると、普段よく通っている場所に店があった。ただし、ビルの3階。路上には何のアイキャッチは出てないし、ビルにも目立つ看板はない。これは分かりにくい。

ビルの階段を昇る。怪しい雰囲気である。そういえば、町田のお店も怪しげな雑居ビルの階段を上がったっけ。

3階に辿りついた。入口はドアに閉ざされている。そのドアには、こぢんまりと「ドラム缶」と書かれていた。思い切ってドアを開けると、本当に小さな立ち飲み空間が現れた。20人入ったら、かなり密だろうか。

先客は一人。

入口前のドラム缶テーブルに陣取った。目の前のメニューが目にはいる。「チューハイ」が150円。やっす！一杯目は「チューハイ」でいってみるか。

さて、システムがよく分からないが、とりあえずオーダーを告げに店員さんがいるところまで行ってみる。

「チューハイ」と「カレールゥ」（100円）をオーダー。。おっ、と「アジフライ」（250円）も追加。しかし安い。

雰囲気、値段設定は千葉県下総地域の立ち飲み屋「づめかん」に似ている。また、壁には、地元警察の電話番号の貼り紙。これは、「たきおか」を源流とする「晩杯屋」の匂いを感じる。

「アジフライ」はしっかりうまい。何の因果か、今回の「ドラム缶」で、直近の居酒屋「さすらひ」で3軒続けて「アジフライ」をオーダーしたことになった。感想として、一番旨かったのは、意外だが、「もつ次郎」である。それはさておき、「ドラム缶」の「アジフライ」も素晴らしかった。途中で、「カレールゥ」をつけながら、アジの変化を楽しんだ。

先客がどうにも不思議な人だった。古典芸能のような服装をした長髪の男性である。ぶつぶつ一人言を言っている。

「赤羽行こうかなー」。

え？　自分に言ったのかと、思わずその男の方を見たが、そうではないらしい。だが、なんとも奇怪な御仁である。

「チューハイ」は、まずまず。甘くはないが、特においしくもない。これを飲み干して、「ホッピー」にチェンジ。セットは300円。「中」100円。安い。安すぎて怖い。

つまみは「ポテトサラダ」。ダブルの山でボリューミー。これで200円。一見すると業務用に見えるが、実際は分からない。ただ、急拡大する店舗網の「ドラム缶」だから、そのスケールメリットを活かしたやり方をしているのかも。

「アジフライ」もポテサラも、実は東十条の新店「ひらお」よりも上に感じてしまうのは何故か。それはコストと味のバランスなんだろうと思う。

「ドラム缶」は思っていたよりも良かった。ただ、レギュラーにはなれないと思う。困った時のピンチヒッターといったところか。しかも投手によつまては、代打の代打もあったりして。ただ、全国に展開しているようなので、その動向には注視しておきたい。