緊急事態宣言後、何かとお世話になっている「幸楽」。またもや「ボール」が飲みたくて3週続けてお邪魔した。GW明け、少しずつ飲食店が開きはじめ、ここ千住の居酒屋も平日昼間からポツポツとオープンしつつある。
「幸楽」に入る前にぐるりと周囲を回ってみた。おや、立ち飲みの「日高屋」も開いているじゃないか。一瞬入ろうか、悩んだ。立ち飲みと聞いたら、黙ってはいられない。けれど、すぐ思い直して先に進んだ。今日は「ボール」を飲みにきたんだっけ。
「幸楽」に入った。
おや、若干混んでいる。長テーブルはお客さんでいっぱいだった。いや、満席という訳ではない。一席空けの満席だった。店員さんは、カウンター、テーブルどちらでも、と勧めてくれたが、一席空けに割って入る勇気はなかったし、逆の立場だったら、すこぶる迷惑だ。
仕方なくカウンターに座ることにした。しかし、そのカウンターがつまらなかった。目の前はカーテンのようなものでほぼ何も見えず、テレビを見ようとすれば180度体の向きを変えなければならない。あぁ酒場って周囲を見渡しながら、いろんなお客さんを観察しながら、酒を飲むのがいいんだろうな。
後ろの方で相撲の話をしている人がいる。
「霧島関は両国駅前でちゃんこ屋やってるよ」。
南海の黒豹、霧島は御徒町でジンギスカン屋もやってると言いたくなった。
「ボール」と「ポテトサラダ」、あと「あさりの酒蒸し」(500円)を矢継ぎ早なは頼んだ。やっぱ、つまみの選定には難渋する。「ポテサラ」は手作りなのだが、ちょっといまいち。粘り気が多いのが気になる。
「あさりの酒蒸し」はうまい。かなりおおぶりのあさりが、たくさん入っている。これで500円なら、むしろ安い。
カウンターにのせていた左の掌がこそばゆくなった。なんだろうと見てみると虫がいた。黒い羽虫である。ふっと息を吹いて、吹き飛ばしてやった。しばらくすると虫が目の前を飛んできた。さっきの羽虫と同じ種類の虫だった。小蝿ではないし、羽蟻でもない。だが、なんとなく見た虫である。手で払いのけたらどこかへいった。だが、またしばらくすると、その虫がどこともなく飛んでくる。なんか、不愉快になった。
2杯目の「ボール」をもらったが、なんとなく気分が乗ってこない。虫の件もあるし、そもそもカウンターがつまらないのだ。2杯でやめて、次へ行こうか。そう考えていると、目の前にあるカーテンがふと気になった。模様だと思っていたら、それは絵だった。更に目を凝らしてみると、その模様は、なんとバカ殿だった。なんだ、けんさんだったか。まさかここでお会いできるとは。
少し救われたような気がした。つまらないカウンターで腐って終わりではなかったのだ。良かった。これで気持ちを切り替えて次へ行ける。
いつか「幸楽」の「ボール」は緊急事態宣言下での思い出になるのだろう。週休3日も終わったし、自分は少しずつ日常を取り戻す。多分、しばらく「幸楽」には来ないと思う。てはまたいつの日か。「ボール」が飲みたくなったら、うかがおうと思う。
>酒場って周囲を見渡しながらいろんなお客さんを観察しながら・・・
そうそう、それありますね。
今、在来線が窓を開けて走っています。羽虫が飛んできたりしますよ。
でも永見もカウンターに座っちゃうと店を眺められないしなあ。店の作りで好き嫌いもかなり決まるよねえ~。
やっぱり周囲の風景を見ながら飲むのが楽しいです。隣の人らの会話に、「おいおい、そうじゃねぇだろう」とか、一人ツッコミを入れながら。羽虫は苦手ではありませんが、室内にいると困りますね。
怪鳥。
多分、飛沫防止だと思う。食器があるから。
そうそう、店の造りって重要だと思う。狭くても落ち着ける店もあれば、広くてもデッドスペースがあって、嫌だなって思うことも。コの字カウンターって機能的だと思う。
永見のカウンターってどうなってたっけ?かれこれ4年は行ってないし。永見は階段下のスペースが好きだなぁ。
自分はコの字よりも一人の世界に入れる普通の長いカウンターが好きです。で、出来れば後ろに席が無く、外が眺められて禁煙。そんな超高級ホテルのバーみたいな大衆酒場あったら教えてくれ~!
>出来れば後ろに席が無く、外が眺められて禁煙。そんな超高級ホテルのバーみたいな大衆酒場あったら教えてくれ~!
そんなんねえょ。
怪鳥の我が家が、それに一番近いのでは?
西小山のタイヨウ酒場のカウンターとか惜しいんだけどな~。
禁煙店が増えてるわけだからこの騒動が終わったら探すぜ、必ず!
次回、ゆっくりお話ししましょう。