「待つのには慣れたけど、だけど得意にはなれない」
と歌ったのは誰だったか。
17歳の時分からこの歌詞がボクの頭にちらついている。
八重洲の地下街でビールを飲もうと「キリンシティ」を探したのだが、どうしても見つからない。
そんなことってきっと誰にでもあるんじゃないかと思う。
「確かこの辺にあったよな」と全く違う場所を探しているんだが、人の記憶なんてとても曖昧なのだと思う。
ボクはその時、「キリンシティ」は移転してしまったんだなと思い、喫茶店の「PRONT」が経営する「IL BAR」に入った。
ここならしばらく本を読みながら時間を潰せそうだと思った。
オアゾにある「IL BAR」は立ち飲みだが、ここは座りである。
カウンターに腰掛け、「ハイボール」を頼んだ。
そしておもむろに本を開きハイボールと一緒に読み始める。
「プラハのシュタイナー学校」という本のタイトルは今し方、恵比寿の有隣堂で購入してきたものだ。
ボクにとっては本が最大のおつまみ。
ハイボールにはミントの葉。
梅雨明けが待ち遠しい東京駅地下の風にこの清涼感は心地よい。
「ウィスキーはお好きでしょ」。
一抹の爽やかな風が吹いてくるように。
アイスピックで丹念に作られた氷がグラスに転がる、チリチリと強い炭酸が口元ではじける音が気持ちいい。
ボクだけの時間。
ページをめくる。
グラスの中の琥珀がカウンターの木目に溶けて、ハードカバーの風景を美しく彩る。
「ハイボール」をおかわりした。
暗がりでハイボールのグラスがキラリと光った。
ボクは本を閉じて、ドキドキする気持ちを抑えた。
そして、ハイボールのグラスを口に運びながら、こう呟く。
待つ時間も悪くないなって。
と歌ったのは誰だったか。
17歳の時分からこの歌詞がボクの頭にちらついている。
八重洲の地下街でビールを飲もうと「キリンシティ」を探したのだが、どうしても見つからない。
そんなことってきっと誰にでもあるんじゃないかと思う。
「確かこの辺にあったよな」と全く違う場所を探しているんだが、人の記憶なんてとても曖昧なのだと思う。
ボクはその時、「キリンシティ」は移転してしまったんだなと思い、喫茶店の「PRONT」が経営する「IL BAR」に入った。
ここならしばらく本を読みながら時間を潰せそうだと思った。
オアゾにある「IL BAR」は立ち飲みだが、ここは座りである。
カウンターに腰掛け、「ハイボール」を頼んだ。
そしておもむろに本を開きハイボールと一緒に読み始める。
「プラハのシュタイナー学校」という本のタイトルは今し方、恵比寿の有隣堂で購入してきたものだ。
ボクにとっては本が最大のおつまみ。
ハイボールにはミントの葉。
梅雨明けが待ち遠しい東京駅地下の風にこの清涼感は心地よい。
「ウィスキーはお好きでしょ」。
一抹の爽やかな風が吹いてくるように。
アイスピックで丹念に作られた氷がグラスに転がる、チリチリと強い炭酸が口元ではじける音が気持ちいい。
ボクだけの時間。
ページをめくる。
グラスの中の琥珀がカウンターの木目に溶けて、ハードカバーの風景を美しく彩る。
「ハイボール」をおかわりした。
暗がりでハイボールのグラスがキラリと光った。
ボクは本を閉じて、ドキドキする気持ちを抑えた。
そして、ハイボールのグラスを口に運びながら、こう呟く。
待つ時間も悪くないなって。
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